FACT BOOK
CIVIC/CIVIC HYBRID
CIVIC/CIVIC HYBRID 2005.9.22
Driving パワートレイン
出力を大幅に高めながらコンパクト化を達成した、高効率のIMA。
効率を大幅に向上した薄型DCブラシレスモーター。
磁石をローター表面に貼り付ける従来のSPMローターから、積層したケイ素鋼板の間に磁石を挿入するIPMローターに変更。高性能磁石を採用するとともに適切な磁石配置により、鉄と磁石が引き合う力から生まれる回転力であるリラクタンストルクを有効に活用。高効率化と軽量化を同時に達成しました。ステーターでは、巻線を丸型断面から平角断面に変更することで高密度化を実現。これらなどにより、モーターの最高出力を50%、最大トルクを110%それぞれ向上しています。
比較数値は従来モデル(シビック ハイブリッド)比 Honda測定値
■ローター構造/ステーターコイル断面比較図
ローター構造/ステーターコイル断面比較図
IPU(インテリジェントパワーユニット)のコンパクト化を追求し、パッケージング効率を向上。
PCU(パワーコントロールユニット)やバッテリーのコンパクト化に加え、冷却ファンの内蔵化などにより、容積を13%低減。トランクスペースへの影響を極力抑えています。
比較数値は従来モデル(シビック ハイブリッド)比 Honda測定値
■IPU構成図
IPU構成図
■IPU配置比較イメージ
IPU配置比較イメージ
高効率化とコンパクト化を高次元で達成し、制御精度も向上したPCU(パワーコントロールユニット)。
クルマの走行状況とバッテリーの残容量に応じて、モーターの駆動および電力エネルギーの回生を最適に制御するPCU。バッテリーからの高電圧の直流電力を12Vに変換するDC-DCコンバーターと、直流電力をモーター制御のために交流に変換するインバーターで構成されます。DC-DCコンバーターは、デジタル化による部品機能の集積化によって基板部品を削減することで、容積を50%低減するとともに、常に最適なスイッチング周波数への切り換え制御などにより、12V出力を25%向上しました。インバーターは、低損失パワー素子の採用などにより、電流容量を6%向上。さらに、薄型フィルムコンデンサーの採用やモーターECUの内蔵化などにより、容積を50%、重量を25%低減しています。
比較数値は従来モデル(シビック ハイブリッド)比 Honda測定値
■DC-DCコンバーター/インバーター構造比較図
DC-DCコンバーター/インバーター構造比較図
高出力化によって力強くモーターを駆動するNi-MH(ニッケル水素)バッテリー。
モーターアシスト機構を作動させる電気エネルギー用の電池として、Ni-MH(ニッケル水素)バッテリーを採用したうえで高効率化を追求。モーターの高出力化に対応する出力と容量を確保しながら、さらなるコンパクト化を実現しました。低抵抗の電解液の採用や極板の表面改質などにより内部抵抗を低減することで出力密度を25%向上。また、セルの高密度配置により、セルの数を10%増やして高出力化していながら、容積を12%削減しました。それに伴いバッテリーを収納するケースも専用設計とし、コンパクト化しながら冷却性能や対振動性を高めることで、長期使用における信頼性をさらに向上しています。
比較数値は従来モデル(シビック ハイブリッド)比 Honda測定値
■セル配列イメージ
セル配列イメージ
エンジンにモーターアシストを適切に組み合わせ、高出力・高トルク、超低燃費、優れた環境性能を同時に実現。
あらゆる走行状況下で高出力と低燃費を発揮する、高知能なエネルギーマネジメント。
エンジンの3段階のバルブ制御とモーターアシストの組み合わせを適切にコントロールし、市街地から高速道路まであらゆる走行状況で高出力と低燃費を発揮します。また、低速でのクルーズ時にモーターのみでの走行を可能としたほか、停車時はアイドル停止することで、低燃費と低排出ガス効果をいっそう高めています。
■「3ステージ i-VTEC+IMA」作動イメージ
「3ステージ i-VTEC+IMA」作動イメージ
■停車時
エンジンを自動的に停止し、燃料消費と排出ガスをなくします。ブレーキを解除するとエンジンを始動します。
条件によってはエンジンを停止させない場合があります。
■発進加速時
低回転用のバルブタイミング・リフトによるエンジン走行をモーターがアシストし、大きなトルクで力強く発進します。
■緩加速時
低回転用のバルブタイミング・リフトによるエンジンのみで走行します。
■低速クルーズ時
約40km/h程度の一定速度での走行時には、エンジンは全気筒休止し、モーターのみで走行します。
■加速時
低回転用のバルブタイミング・リフトによるエンジン走行をモーターがアシストし、大きなトルクで力強く加速します。
■急加速時
エンジン回転数が約4,500回転を上回ると、エンジンは高回転用のバルブタイミング・リフトに切り換わり高出力を発生。さらにモーターがアシストすることで強力に加速します。
■高速クルーズ時
低回転用のバルブタイミング・リフトによるエンジンのみで走行します。
■減速時
エンジンは全気筒休止。モーターが減速エネルギーを電力エネルギーに回生し、IMAのバッテリーに充電します。
出力・トルクを大幅に向上。
エンジンは、3ステージ i-VTECシステムに加え、大径バルブや大径ロングインテークマニホールド、大径スロットルボディを採用し、DBWによる高精度なスロットルバルブ制御も合わせ、全回転域での吸・排気効率を向上。IMAは、モーター、PCU、バッテリーなどのすべてを高効率化。これらにより、システム全体で出力を向上するとともに、従来のシビック ハイブリッドを大きく凌ぐ最大トルク167N・m[17.0kg・m]を達成しました。特に3,000回転以下の低回転域では1.8Lガソリンエンジンを超えるトルクを発生します。
※Honda測定値
31.0km/Lの超低燃費を実現し、「平成22年度燃費基準+5%レベル」を達成。
IMAの高出力化や全気筒休止を可能にした3ステージ i-VTECシステムにより、アイドル停止に加えモーターのみでの走行を可能にすることで、エンジンを使用しないモードを拡大。さらに、3ステージ i-VTECシステムの高度な燃焼制御や徹底的なフリクション低減によるエンジン単体での低燃費化に加え、トランスミッションの効率向上や空力処理の徹底、低転がり抵抗タイヤの採用などにより、31.0km/Lの超低燃費を実現。「平成22年度燃費基準+5%レベル」を達成しています。
※シビック ハイブリッド MXB
(メーカーオプションの装着により異なる場合があります。MXは28.5km/Lとなります)
「平成22年度燃費基準+5%達成車」表示マーク
「平成22年度燃費基準+5%達成車」表示マーク
平成22年度燃費基準を5%以上上回る優れた燃費性能を達成した車両に与えられます。
国土交通省「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」認定を取得した、優れたクリーン性能。
高精度な空燃比制御により、燃焼ガスそのものをクリーン化。そのうえで、シリンダーヘッド内で燃焼ガスを集合させるエキゾーストマニホールド一体構造により、燃焼ガスの熱損失を大幅に低減。キャタライザーの早期活性化を実現することでコールドスタート時の浄化性能を高めています。さらに、2つの高密度キャタライザーを設置することで、優れたクリーン性能を実現しています。その結果、国土交通省「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」認定を取得しています。
「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」認定車表示マーク
「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」認定車表示マーク
平成17年排出ガス規制のNMHC、NOxについて基準値を75%以上下回る優秀な環境性能を達成した車両に与えられます。

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