FACT BOOK
CIVIC/CIVIC HYBRID
CIVIC/CIVIC HYBRID 2005.9.22
Driving パワートレイン
INTEGRATED MOTOR ASSIST IMA
低回転域からのトルクフルな走りと超低燃費を両立し、優れたクリーン性能も達成した、新開発 新Hondaハイブリッドシステム「3ステージ i-VTEC+IMA」。(シビック ハイブリッド)
photo: エンジン Honda IMA INTEGRATED MOTOR ASSIST IMA
「主動力のエンジン」に「補助動力のモーター」を組み合わせ、驚異的な低燃費と排出ガスのクリーン化を実現するHonda独自のハイブリッドシステムをさらに進化。バルブ制御を低回転・高回転・気筒休止の3段階で行う3ステージ i-VTECエンジンと、大幅に高効率化したIMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)により、システム出力を約20%高める※1とともに10・15モード燃費を5%以上向上※1する、新Hondaハイブリッドシステムを新開発しました。1.8Lガソリンエンジン同等の低速トルクを発揮しながら、10・15モードで31.0km/L(シビック ハイブリッド MXB※2)の超低燃費を実現し、「平成22年度燃費基準+5%レベル」を達成。しかも、優れた排出ガスクリーン性能も実現し、国土交通省「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」認定を取得しています。
※1 従来モデル(シビック ハイブリッド)比
※2 メーカーオプションの装着により異なる場合があります。MXは28.5km/Lとなります。
■新Hondaハイブリッドシステム(カットモデル)
新Hondaハイブリッドシステム(カットモデル)
■ハイブリッドシステム性能比較
ハイブリッドシステム性能比較
*ネット値 ※1 10・15モード走行(国土交通省審査値) ※2 メーカーオプションの装着により異なる場合があります。
※3 Honda測定値
■ハイブリッドシステム性能曲線比較図
ハイブリッドシステム性能曲線比較図
■新Hondaハイブリッドシステム構成イメージ
新Hondaハイブリッドシステム構成イメージ
走行状況に応じた3段階のバルブ制御により、さらなる高出力化と低燃費化を実現した3ステージ i-VTECエンジン。
3段階にバルブを制御するVTEC機構。
従来のシビックハイブリッドの気筒休止VTECでは、1気筒あたり4つのロッカーアームを持ち、2系統の油圧回路によって、通常のエンジン駆動と気筒休止を切り換えていたのに対し、吸気側のロッカーアームを3つとした5ロッカーアーム構成に、3系統の油圧回路を組み合わせることで、低回転・高回転・気筒休止の3段階バルブ制御を実現しました。高回転用制御を追加したことにより出力を大幅に向上しています。また、従来は4気筒のうち3気筒を休止していたのに対し、4気筒すべての気筒休止を可能としたうえで、低回転用と気筒休止用のバルブタイミング・リフト切り換えを油圧で行うことにより、減速時に1,000回転を下回るエンジン回転数まで気筒休止状態を継続でき、いっそうの低燃費化と電力エネルギーの回生(充電)効率向上に貢献しています。
■3ステージ i-VTECシステム構造/作動イメージ
3ステージ i-VTECシステム構造/作動イメージ
■低回転時
吸気側、排気側ともに低回転用ロッカーアームと、バルブを駆動する気筒休止用ロッカーアームをシンクロピストンで連結。低回転用カムによってバルブを駆動。
低回転時
■高回転時
エンジン回転数が約4,500回転を上回ると、吸気側の高回転用ロッカーアームと気筒休止用ロッカーアームをシンクロピストンで連結。吸気側は高回転用カムによってバルブを駆動。
高回転時
■気筒休止時
減速時やモーターのみの走行時では、吸気側、排気側ともにシンクロピストンを気筒休止用ロッカーアーム内に格納し、低回転用ロッカーアームと分離。カムの力が伝わらなくなるため、バルブ作動が休止。
気筒休止時
全気筒休止により、電力エネルギーの回生効率を向上。
エンジンの抵抗が大きいと、減速時にタイヤからの回転エネルギーがエンジンブレーキとして失われるため、モーターで回生できるエネルギーが減少してしまいます。新Hondaハイブリッドシステムでは、3ステージ i-VTECにより4気筒すべてのバルブ作動を休止。シリンダー内を密閉状態に保つことでエンジン抵抗となるポンピングロス(吸・排気抵抗によるエネルギー損失)を、気筒休止させない場合に比べ66%低減。タイヤからの回転エネルギーを電力エネルギーに変換する回生効率を向上しています。
数値はHonda測定値
■全気筒休止によるエンジン抵抗低減イメージ
全気筒休止によるエンジン抵抗低減イメージ
細部にいたるまで徹底的にフリクションを低減。
部品の材料選定や表面加工などを細部にいたるまで徹底し、摺動部の摩擦抵抗を最小化。低燃費化に加え、減速エネルギーの回生効率向上にも貢献しています。
■カムジャーナル面鏡面加工
カムシャフト支持部であるカムジャーナルの表面をなめらかに加工。
■シリンダーヘッド一体構造エキゾーストマニホールド
シリンダーヘッド内で排出ガスを集合させる構造により熱損失を低減し、エンジン暖機を早めることで、エンジンオイルの粘度を早期に適正化。
■アルミダイキャスト・ピストン
熱膨張が少ない新アルミ材を使用することで、温度変化による摩擦抵抗の増加を抑制。
■イオンプレーティング・ピストンリング
トップリングとオイルリングに窒化クロムを蒸着させることで、クロームメッキ被膜を薄膜平滑化。
■プラトーホーニング加工
シリンダー内壁をなめらかに仕上げるとともにオイル保持性を向上。
■補機ベルトオートテンショナー
負荷に応じて張力を自動調整することで、低負荷時の張力を低減。

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