CIVIC TYPE R - 1997.08

CIVIC
FACT BOOK
CIVIC TYPE R
 
Controllability

優れたダイレクト感と
限界の高いコーナリング性能をめざした
シャシー&ボディ技術
徹底的なサーキットの走り込みにより、高度なコーナリングを行う場合でも充分な剛性感と安定した旋回性能、制動性能を獲得することを第一に、シャシーおよびボディをチューニングしました。

シャシー

プロダクションカーのレーシングマシン製作のノウハウを投入し、国内サーキット、ホンダテストコースの徹底した走り込みにより、シビック タイプRのシャシーを開発しました。
コーナリング時の限界Gを高め、サーキット走行においてもドライバーのステアリング操作に対し、リニアにすばやく応答するフィーリングを獲得すべく、低重心化と大幅なロール剛性強化を行っています。また、スポーツ走行時も安定した制動を行えるようブレーキディスクローターをサイズアップ。ハイグリップタイヤの採用、パワーステアリングのチューニングとあわせ、非常にコントローラブルで小気味良い旋回性能を獲得しています。

フロントサスペンション リアサスペンション
フロントサスペンション リアサスペンション

ベースモデル TYPE R
形式 ダブルウィッシュボーン ダブルウィッシュボーン



スプリングバネレート 3.8kgf/mm 4.3kgf/mm
ダンパー減衰力(0.3m/s時) 146(伸び)/94(縮み)kgf 245/161kgf
スタビライザー径 26mm 26mm

スプリングバネレート 2.2kgf/mm 4.2kgf/mm
ダンパー減衰力(0.3m/s時) 71(伸び)/42(縮み)kgf 97/55kgf
スタビライザー径 15mm 22mm
前後トレッド 1,475mm 1,480mm
 
アンダーステアの少ない小気味良い旋回フィールと
優れた安定性を実現するサスペンションセッティング
サスペンションは、設計自由度の高いベースモデルの4輪ダブルウィッシュボーンをもとに、レーシングテイストあふれる旋回フィール獲得のために徹底したテスト走行によって専用開発を行いました。
ロール角を減らし、旋回限界を高めるために車高をベースモデルより15mm低減。あわせてスプリングレート、ダンパー減衰力、スタビライザーを総合的に強化。相対的にロール剛性を高めつつも、前後荷重移動による優れたフロントの接地性を確保するサスペンションのハードセッティングを行いました。その結果、トルク感応型ヘリカルLSDの特性を際立たせ、旋回時の優れたトラクション性能も実現。旋回限界の向上とともに、アンダーステアが少なく立ち上がり加速に優れた、小気味良い旋回フィールを実現しました。また、サスペンションブッシュ類の硬度アップにより、路面からのダイレクトなインフォメーションを獲得するとともに、応答性、収束性に優れたサスペンションに仕上げています。

ヘリカルLSDのカットモデル
ヘリカルLSDのカットモデル

制動力、耐フェード性向上のために前後とも
ブレーキディスクローターをサイズアップ

サーキット走行時の安定した効きをめざし、ブレーキサイズを前後とも1インチサイズアップ。フロント15インチ、リア14インチとしました。車重の軽減、ハイグリップタイヤPOTENZA RE 010の採用とあわせ制動力を大幅に向上。耐フェード性も高めています。また、ABS(4輪アンチロックブレーキシステム)をタイプR専用にセッティングし、サーキット走行にもマッチさせた鋭い効きを実現。ABSのメリットを得ながら、全体として非常にスポーティなブレーキフィーリングを獲得しています。(レスオプション車も設定)

剛性感とダイレクト感を高めたステアリング
スポーツ走行時においても、ダイレクト感のあるステアリングフィールを獲得するために、パワーステアリングの特性を煮詰めました。また、SRSエアバッグシステムを装備した上で、直径368mmと小径化を実現したMOMO社製革巻ステアリングホイールを採用(オプションのSRS非装着タイプは直径350mm)。
あわせて、全体的に操舵力を高めながら、特に中高速走行時、高いGを受けた場合の重厚感を高め、ステアリングインフォメーションが得られやすい、しっかりとしたフィーリングを実現しています。

ステアリング
ヒール&トゥの操作感向上をめざしたペダルレイアウト
ブレーキペダルの剛性感を高める一方で、踏み込んだ場合のアクセルとの段差を低減。さらに、アクセルペダル側へ寄せることで、通常走行時からサーキット走行時まで、ヒール&トゥのアクセル操作を容易にしました。

ペダルレイアウト変更概念図

ペダルレイアウト変更概念図



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