CIVIC - 1991.9


CIVIC

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ボディ




NVH性能と耐衝突安全性を高めた、高剛性ボディ。
 
強度と剛性は、クルマのボディが充たしていなければならない重要なファクターです。これに対しシビックは、ホワイトボディそのものの軽量化を図りながら、なおかつ強度と剛性を大きく向上しています。
ボディに対する入力は、4つのタイヤを介して入ります。ここを基点に、曲げとねじれに対する徹底したコンピュータ解析を行ないました。
まず、ワイドトレッド化にともない骨格の通るスペースが増大し、サイドフレームとリアフレームのストレート化を図ると同時に、サイドシル断面の大型化を進め、さらにこれらの結合効率を向上させることにより、剛性を高めています。さらに、フロアフレームを中央のトンネル側に移動してトンネルと一体化した2重構造として、フロア剛性を高めるとともに室内のこもり音も大幅に低減しています。
このように、各部材の形をスムーズにすることで効率を上げて軽量化し、断面の大型化による重量増を補っています。各部材がそれぞれの役割に対し効率よく、しかも忠実に働くよう最適配置をして高剛性と軽量化を達成しています。
加えて、新開発の5点式エンジンマウントにより低NVH化を図るとともに、ダッシュボードパネルはメルシートをサンドイッチにした構造とし、これをほぼ全面に用いることでエンジンルームからの透過音を低減。フロアには、従来の約1.7倍の制振性能をもつ、ハイダンピングのメルシートを採用。室内のこもり音やロードノイズなどをおさえています。
また、ドアガラスとサッシュの間を5mmから3mmに段差を小さくしたことやボディと一体化したマスク一体バンパーの採用などにより、風切り音も低減しています。

 
アンダーフレーム構造図(シビック)
アンダーフレーム構造図(シビック)


 ボディ断面図

 

地球にやさしいクルマであるために、リサイクル化、ロングライフ化を推進。
 
地球環境という視点から、シビックは低燃費化のためのあたらしいエンジン技術の開発や、空力性能の大幅向上を2大テーマとして取り組みました。これらは、省資源・低公害をテーマに、少量のガソリンを大パワーに変換し、きれいに燃やしてきれいに排出する考えにもとづいたものです。
ホンダはそのうえで、クルマ自体をいかに永く使用し、かつ、いかに多くのものを再利用するかへと、さらに一歩考えを進めました。
まず着目したのが、樹脂部品のなかで大きな割合を占めるバンパーのリサイクル化でした。従来、樹脂部分だけを取り外すのが非常に困難であったため、その構造を大幅に改善。取り外しやすくボディに直接取り付ける構造とすること、ストライプ等のモールのないデザインの採用などを進め、簡単に脱着できるようにし、解体の作業性を大幅に向上させました。
しかも、バンパーのリサイクル材を使ってエアアウトレットへの再利用も進めています。同時に、樹脂部分には、選別しやすいように材料記号を明示し、リサイクル性を高めています。
また一方で、ロングライフ化のために、ボディの高剛性化などを進めるとともに、防錆対策にも入念に配慮。アンダーボディのなかでも骨格となるサイドシルについては従来の下向きフランジから横向きフランジに構造変更して、さらに樹脂プロテクターで全面をカバー。石はねや水はねからくる錆から、ボディを保護しています。

 


バンパー




亜鉛メッキ鋼板使用部位図(シビック)
亜鉛メッキ鋼板使用部位図(シビック)




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