CIVIC - 1991.9


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エンジン




1.6L DOHC VTEC



自然吸気で、170PS/7,800rpmを達成し、かつ10モード燃費13.4km/Lを実現したDOHC VTECエンジン。
 
一般に、レーシングエンジンのように高回転・高出力を追求すると、逆に低速域での性能が不安定になりやすく、また低・中速域での性能を重視すれば、おのずと高出力化に限界が生じてきます。
ホンダの先進技術が可能にしたDOHC VTECは、どちらかの領域を重視するのではなく、低回転域と高回転域とで、吸気及び排気バルブともにそれぞれに最適なバルブタイミングとリフト量に切り換えることで、吸排気効率を極限まで高めて全域高性能を実現したものです。
今回新たにチューニングをした「DOHC VTEC」は、その優れた資質にいっそう磨きをかけ、全域にわたり従来をしのぐ高性能を身につけました。たとえば、圧縮比をさらに上げて、高圧縮比10.4に。またバルブタイミングの見直しとバルブリフト量の変更を行なうとともに、吸排気抵抗の低減により吸排気効率を向上させています。
その結果、1.6Lで170ps/7,800rpmという驚くべきハイパワーと、16.0kgm/7,300rpmの高トルクを実現。自然吸気エンジンのなめらかなレスポンスとダイナミックな走りをもった、まさにスポーツ・エンジンに仕上がっています。

 

1.6L DOHC VTEC シビック SiR・II,SiR 型式 E-EG6
シビックフェリオ SiR 型式 E-EG9
   
総排気量 1,595cm3

最高出力(ネット値) 170ps/7,800rpm

最大トルク(ネット値) 16.0kgm/7,300rpm

10モード走行燃費
(運輸省審査値)
13.4km/L(パワーステアリング車は13.0km/L)

圧縮比 10.4

●数値はすべて5速マニュアル車のものです。

 

DOHC VTECエンジン透視図

DOHC VTECエンジン透視図


 

●3つのVTECをはじめとして、その他のエンジンにも適用した新技術。


可能なかぎり贅肉をそぎ落とした、エンジンの軽量化テクノロジー。
 
クルマ全体の軽量化と高剛性化は、低燃費や走りの性能の向上に大きく影響するものであり、とりわけ主要なコンポーネントであるエンジン本体の軽量化・高剛性化は欠かせないものでもあります。
まず、高出力エンジンにふさわしく、高剛性・耐振動性に優れた4連アルミシリンダーブロックを採用。そのうえで、「VTEC-E」についてはシリンダーブロックのさらなる軽量化と取り組み、アルミの肉厚やウォータージャケットの溝の深さなど形状の適正化を行ない、ブロック単体で1.5kg軽くしています。
また、「VTEC」「VTEC-E」には、中空のシャフトに、金属の粉を焼結したカムを組み合わせることで、軽量化を図りました。同時に、シリンダーヘッドも外寸を小さくし、従来のハイパー16バルブエンジンに比べて290gの軽量化を図っています。

 

冷却効率を大幅に向上させた、新エンジンルーム・パッケージ。
 
エンジンのハイパワー化に対応して、空気の流れ自体をスムーズにし、冷却効率のいっそうの向上をめざしました。ラジエーター自身を高効率にしてさらに大幅に小さくし、従来その前面に配置されていたエアコンディショナー用のコンデンサーと左右パラレルにレイアウト。コンデンサーを通さずダイレクトに空気が入ることによって、きわめて高効率になっています。
また、ラジエーターだけでなく、コンデンサーもコンパクトになりました。


それぞれの入力に応じて役割をもたせた、5点支持の、慣性主軸形エンジンマウント。
 
横置4気筒エンジンと最もバランスのよい慣性主軸形とし、さらに従来の4点支持から5点支持へ。これにより振動に対する自由度が増し、それぞれが明快な役割をもったエンジンマウントを開発しました。アイドル振動騒音や中高速走行時の室内振動騒音、さらにはこれと相反する乗り心地の両立をめざしたわけです。
まず、通常のフロントストッパーを(1)と(2)の左右に分離し、右側(2)のストッパーにはストッパー機能に加え、線形バネ機能をもたせることでアイドル振動に対する品質を向上。またサイドマウント(3)は、走行時の振動やこもり音を改善するために低バネレートに。さらに、一部のタイプには、通常走行時の小さな振幅時にはより低バネレートで振動を低減し、荒れた路面などの大きな振幅時には内部の液体が移動することによって減衰効果をもたらし、乗り心地を向上させる液体封入式マウントを採用しています。
加えて、(1)(2)のストッパーは、サイドマウントの低バネレート化による乗り心地の悪化を防いでさらに向上させるとともに、エンジンマウント全体の剛性を向上させて、ギクシャク感の低減ももたらしています。

*シビックETi、シビックフェリオSiR、VTi、ETi、RTSi

  
慣性主軸形エンジンマウント




総排気量

10モード走行燃費

最高出力(ネット値)

最大トルク(ネット値)


1.3L 16VALVE CARB.
シビック EL 型式 E-EG3
シビックフェリオ EL 型式 E-EG7

1,343cm3

18.0km/L

85ps/6,300rpm

10.7kgm/4,500rpm


1.5L 16VALVE DUAL CARB.
シビック MX 型式 E-EG4
シビックフェリオ MX 型式 E-EG8

1,493cm3

16.0km/L

100ps/6,300rpm

12.8kgm/4,500rpm


1.6L 16VALVE DUAL CARB.
(4WD)

シビックフェリオ RTX 型式 E-EH1

1,590cm3

13.0km/L

105ps/6,300rpm

13.8kgm/4,500rpm


1.6L DOHC 16VALVE
PGM-FI(4WD)

シビックフェリオ RTSi 型式 E-EH1

1,590cm3

13.0km/L

130ps/6,800rpm

14.7kgm/5,700rpm


●数値はすべて5速マニュアル車のものです。10モード走行燃料消費率の数値は運輸省審査値です。●燃料消費率は、定められた試験条件での値です。従って走行条件等により異なります。*「ネット」とはエンジンを車両搭載状態で測定したものです。




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