新エンジンは、高い吸・排気効率を得るために、ボア径φ74mmの中に吸気バルブφ27mm×2、排気バルブφ32mm×1を設置しました。1気筒当り3バルブという、ホンダならではのユニークな設計です。この吸気系の2バルブ、排気系1バルブの秘密は、流速効果を最大限に利用していることにあります。
つまり、吸気ガスに比べ、排気ガスは温度が高く、ガスの流速が速いため、バルブ1個で吸気能力に見合う4バルブ並の性能を引き出せるからです。4バルブ並の性能を、2バルブ並のコンパクトさで実現しました。ホンダならではの成果です。
■クロスフロー方式
バルブ面積が大きくとれ、燃料室内の流れもスムーズな、吸・排気効果の高い方式です。
|
燃焼室形状と燃焼システムは、全くの新設計。新燃焼室は、B.C.トーチ(Branched
ConduitTorch:分岐トーチ)を備えた副燃焼室と、スキッシュ付のペントルーフ型主燃焼室で構成されています。副燃焼と主燃焼室の連絡は主トーチ孔で。主トーチ孔の中間から主燃焼室のスキッシュ部に向けては、B.C.トーチ孔が設置されています。この2つのトーチ孔から強力なトーチ火炎が噴射し、主燃焼室内の混合気は勢いよく着火されます。
希薄な混合気でも安定かつ急速な燃焼が可能になりました。通常では火炎伝播しにくいスキッシュ部も、B.C.トーチ火炎によって完全燃焼の燃焼効率を向上させました。 |