CITY - 1982.09

CITY
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シティは、ニュースにあふれてる。

●空力

空力


ハイパーターボ搭載で
さらにはっきりと証明された
トータルエアロダイナミクス。
走るほどに路面に吸いつく
シティは、ゼロリフト。

シティがひらいた、これからの空気力学。
トータルエアロダイナミクス

空力性能はこれまで、単にCD(抗力係数)のみの値で語られてきました。しかし実際は、CL(揚力係数)、CYM(ヨーイングモーメント係数)も含めたトータルな空力性能で語られるべきなのです。つまり、真に空力性能のすぐれたクルマとは、空気力学のあらゆる要素を総合的に追求し、走行抵抗が少なく、高速安定性にすぐれ、風切り音が少ないなど、運転阻害の要因の少ないトータルバランスのすぐれたクルマと言えます。
シティターボは、とくにCL(揚力係数)を高出力化に見合ったベストバランスに設定するなど、そのいずれをも極め、トールボーイでありながら路面に吸いつくように快走。
低燃費にも寄与したトータルエアロダイナミクスを実現しました。

■国産車初の「ゼロリフト」。揚力係数CL=0
クルマはもちろん、タイヤが路面を蹴ることによって走ります。したがって、走行中に揚力が発生すると、タイヤが路面を踏んばる力が失なわれ、走行性をそこない、駆動馬力をロスし、燃費性能も低下させます。
シティターボは、シティが国産車で初めて達成したCL=0ゼロリフトを、高出力化にともなって理想的なバランスに設定しなおしました。シティ本来のすぐれた接地性をさらに高めるため、大型フロントスカートの採用などにより、とくにフロントのCLを新たにマイナスリフトとし、フロント(CLF)=-0.02、リア(CLR)=-0.05としてターボ用に磨きをかけ、高速になるほど路面を這うような安定した走りを身につけています。
■このクラスでトップレベル。抗力係数CD=0.40
空気抵抗は、速度の2乗に比例し、CD値(抗力係数)の小さなクルマは、高速走行時の馬力ロスが少なく、燃費の向上にも寄与します。シティターボは、ボンネットからフロントウインドウにかけてのエアロスロープをはじめ、ボディ全体に凹凸の少ないなめらかなフラッシュサーフェスボディや、新採用のフロント非対称グリルなどが、風を見事に味方にしています。
■横風に強い。ヨーイングモーメント係数CYM=0.02 ヨーアングル6°時
風は、必ずしも前から受けるものだとは限りません。クルマがいろいろな角度から風を受けたときに、その中心軸まわりに回転させようと働く力(直進性を妨げようとする力)がヨーイングモーメントです。したがって、CYM値が小さいと横風にも強いと言えます。
シティターボは、本来が横風に強いFFです。しかも、空力の中心点とボディの重心がきわめて近いところにあるため、安定性によりすぐれています。
ヨーイングモーメント係数CYM=0.02

風を友として走る
フラッシュサーフェスボディ

ボディ全体に段差や突起がきわめて少ない、どこから見てもなめらかなボディです。新たに加わったシティターボ専用の大型フロントスカートや、左右が非対称の専用グリル、同じく専用のパワーバルジなど、いずれも空力効果の高い設計。すぐれた空力性能を実現したシティ本来のフラッシュサーフェスボディが、いま、さらに磨きぬかれました。
フラッシュサーフェスボディ
(1)●●のない接着ウインドウ
このクラスで初めてフラッシュマウントグラス(FMG)を採用。ガラス面とボディ面を可能なかぎりなめらかにして空力性能を高めました。
フラッシュマウントグラス ●●断面図
●●断面図

(2)スラントボンネット
なめらかに風を処理してくれます。

(3)パワーバルジ
パワーバルジのなかでもなめらかな、充分に空力を考慮したフラッシュサーフェスデザインです。 パワーバルジ

(4)専用フロント非対称グリル
エアロスロープに向けてなめらかなラインを形づくり、CDに寄与しています。 専用フロント非対称グリル
(5)専用大型フロントスカートと一体成型バンパー
大きく下に伸びた大型フロントスカートは、冷却効果を高め、CLに寄与。リアスカートは、ボディ下の空気の流れを整えます。 専用大型フロントスカートと一体成型バンパー

(6)風を上へ、エアスクープグリル
前方からの風を上方へと逃がし、ワイパーの浮き上がりと水の這い上がりを防ぎます。 エアスクープグリル

(7)フラッシュドアハンドル
空力に寄与しながら、使いやすさとスマートさを演出。ボディ全体で金属メッキはドアの鍵穴だけというシティです。 フラッシュドアハンドル

(8)センターピラー内蔵ウインドウ
ピラーをガラスの内側に配し、ボディの横を流れる風をなめらかに後へ逃がします。ドアシールのラバーも2重に。 センターピラー断面図
センターピラー断面図



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