BALLADE SPORTS CR-X
- 1983.06

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1.3Lエンジン用新燃焼室。
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1.3
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総排気量:
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1,342cc |
最高出力:
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80ps/6,000rpm |
最大トルク:
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11.3kg-m/3,500rpm |
10モード燃料消費率:
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20.0km/L
(運輸省審査値・5速マニュアル車) |
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1.3Lエンジン
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燃焼室
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ガソリンエンジンで熱効率を上げる最も確かな方法は、圧縮比を高くすることです。しかし、高圧縮比を達成するためには、ノッキングの壁をのりこえなければなりません。
バラードスポーツCR-Xでは、このノッキングを解消するために、まず、燃焼室の3つのバルブの周辺を除いた部分を、思いきってコンパクト化しました。そして、このコンパクト化した主燃焼室の中央にトーチ孔を設け、さらに、副燃焼室の下側にあたる主燃焼室の部分に、スキッシュ面を設けて、スキッシュ流の方向をトーチ火炎の方向に合わせるように設計しました。トーチ孔を比較的大きくとり、その噴流速度を調整しつつ、1本の大きなトーチ火炎を主燃焼室に噴出させます。このトーチ火炎と同じ方向で噴きだすスキッシュ流によって、燃焼速度を早めています。
コンパクトな主燃焼室は、早い燃焼速度をもった火炎が到達する長さを短かくする役目を果たします。その結果、燃焼時間が極めて短かくなり、エンドガス(燃焼していない、燃焼室の隅の混合気)が自発火する前に、燃焼させることが可能になりました。これで、高い圧縮比でもノッキングを抑えることが出来ます。
また、スキッシュ面は火炎が伝播されにくいため、主トーチの一部を分岐させ(B.C.トーチ)、これをスキッシュ面に噴出させることによってスキッシュ面に残る燃えにくい混合気をも完全燃焼させています。
高出力化をもたらす3バルブを有する燃焼室でありながら、ノッキングや燃焼室荒れを抑えた新燃焼室設計。1.3Lエンジンとしては、極めて高い圧縮比10を達成しました。
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エンジンの全高を低くするため、出来るだけ高さを低くし、しかもアルミダイキャストを使用して軽量化をはかったCVCC専用の新キャブレターを開発。1.3Lエンジンに搭載しました。プライマリーボアとセカンダリーボアの間に副室用のサブキャブレターを配置。サブキャブレター用のフロートを廃止して、1個のフロート室で燃料供給が行なえるように、燃料通路を工夫して2.7kg(単体重量)という軽量設計を実現しました。
また、オートチョークを採用して低温時の運転性能を向上させるとともに、低温時の加速ポンプ吐出量を大きくし、通常運転時にはその量を絞って経済性も向上させています。
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ACジェネレーター・コントロールシステム
バッテリー充電のためのACジェネレーター負荷が、燃費、加速性にとって影響があることは知られています。これをなくすため、ホンダは新たにACジェネレーター・コントロールシステムを開発。ジェネレーターの作動を最適にコントロールすることで解消しました。これは新開発のICレギュレーターが12.5V、14.5Vの調整電圧を選定できることを利用。
主として減速時に14.5Vを設定して大量充電するシステムです。減速時以外は12.5Vに設定。バッテリーが12.5V以上充電されている時には充電しないため、通常走行時の作動を抑えることが出来るわけです。
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アルミダイキャスト新キャブレター
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A.Cジェネレーター・コントロールシステム
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1.3Lエンジンでは、燃焼効率が高いために排気ガス温度が低くなりますが、低い排気ガス温度でも触媒が十分に活性化するよう、触媒を排気マニホールドの下に配置させました。高い活性をもつ触媒の使用によって、容積を出来るだけ小さくし、しかも、エンジンの前後の寸法をも可能な限り小さくするために、オーバル(楕円)型を採用。スペース効率の向上をはかっています。
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オーバル型直下キャタライザー
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