BALLADE SPORTS CR-X - 1983.06

BLLADE SPORTS CR-X
BALLADE SPORTS CR-X
新設計燃焼室/PGM-FI

ENGINE
 
燃焼効率と高出力の追求。
 
B.C.トーチ型の新燃料室
 
バラードスポーツCR-Xの燃焼室形状と燃焼システムは、全くの新設計。新燃焼室は、B.C.トーチ(Branched Conduit Torch:分岐トーチ)を備えた副燃焼室と、スキッシュ付のペントルーフ型主燃焼室で構成されています。副燃焼と主燃焼室の連絡は主トーチ孔で。主トーチ孔の中間から主燃焼室のスキッシュ部に向けては、B.C.トーチ孔が設置されています。この2つのトーチ孔から強力なトーチ火炎が噴射し、主燃焼室内の混合気は勢いよく着火されます。希薄な混合気でも安定かつ急速な燃焼が可能になりました。通常では火炎伝播しにくいスキッシュ部も、B.C.トーチ火炎によって完全燃焼の燃焼効率を向上させました。
 

B.C.トーチ
 

シリンダーヘッド断面図
 

ホンダF-1にも採用。オリジナルPGM-FI
 

バラードスポーツCR-Xは、高感度なレスポンスと最良の燃費を獲得するために、あのホンダF-1にも採用されているホンダオリジナルの、PGM-FIを導入しています。このホンダPGM-FIは、大きく分けて3つの機能に分かれています。

(1)さまざまな走行状態を感知する「眼」の機能。
センサーがエンジンの回転数と吸気マニホールド内の空気圧力の2つを検出し、燃料噴射量を算出する「スピードデンシティ方式」を採用。シリンダーのより近くで運転状態の変化を検出するため、ほとんどタイムラグがありません。8つのセンサーを装備。
(2)燃料をエンジンに送る「手」の機能。
センサーによって検出された最適空燃比にもとづき、燃料噴射システムが、燃料を正確にエンジンに送り出します。この燃料噴射システムは、「4気筒順次噴射方式」。各シリンダーの点火順序に合わせて、ジャストタイミングで噴射します。
(3)制御を行う「頭脳」としての機能。
制御部には高精度「8ビット・デジタルコンピュータ」を採用。プログラムマップが何枚も組み込まれており、燃料噴射量をきめ細かくコントロールします。
当然、万一の場合にも自走できる、フェールセーフシステムも組み込んでいます。

2ポート式スロットルボディ
スロットルボディは、プライマリーポートとセカンダリーポートからなる2ポート方式です。
アイドル時や低回転時は、小さいプライマリーバルブのみが開き、アクセルを踏み込むと即セカンダリーバルブが開きます。これによりパワーレスポンスが向上しました。

PGM-FI


等長インテークマニホールド
 
吸気系のバルブ面積の広がりに伴い、1.5iのエンジンには、吸入効率のよい等長インテークマニホールドを採用しました。吸入抵抗の少ない4本の独立した等長ポートです。
吸気慣性効果を最大限に生かすために、350mmのロングポートに設定しています。これは、高回転時の吸入効率を高めつつ、低回転時のトルク向上を図ったもの。しかも軽量化と剛性を高めるために、#1と#2、#3と#4のポートを密着させています。
 

等長インテークマニホールド等長インテークマニホールド
 

4-2-1-2スーパーエキゾーストシステム
 
F-1,F-2のレーシングテクノロジーで磨きぬかれた、4-2-1-2のデュアルエキゾーストを採用(1.5i)。通常の4本集合ではなく、クランク同位相のシリンダーのエキゾーストを集合させました。つまり、#1と#4、#2と#3を集合し、さらに1本にまとめています。そしてテールパイプをデュアルタイプにしました。
排気行程が同位相のものを同調させることによって、排気・掃気作用が充分に行われ、低速から高速まで出力が向上します。また、排圧をそこなうことがありませんので、心地よいエキゾーストサウンドも得ています。

エキゾーストシステムエキゾーストシステム




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