ACCORD/ACCORD Euro-R/ACCORD WAGON FACT BOOK
ACCORD/ACCORD WAGON 2002.10.10


わが道は、世界に。

世界中の多くのお客様に愛されているアコードの開発を任されることは、開発チームにとって大きなやりがいであると同時に、そのプレッシャーは並大抵のものではありませんでした。
7代目アコードの開発にあたり、私達がまず自らに課した問いは、「お客様にとってセダンの価値とは何だろうか?」という、いたって素朴なものでした。クルマの基本形態として長い歴史を持つセダン。その中でも中核であるミッドサイズセダンの価値を、原点から見つめ直すことから開発はスタートしました。そして私達の出した結論は、
「クルマの持つ基本要素のすべてを、最もクォリティ高くお客様に提供できるもの」という、シンプルなものでした。
クルマの基本要素を、何かを犠牲にすることなくクォリティ高く磨き上げ、世界中のお客様の最良のパートナーとして、さまざまな運転シーンの中で最大の安心と喜びを感じていただけるクルマ。そして長い距離、長い期間、使うほどにその価値が深まるようなセダン。
それが目標となりました。しかし、それはある意味では最も困難な課題であり、世界の道に向けた、限りないチャレンジともいえました。
セダン世界トップレベルの空力性能。移動速度の高いヨーロッパの道でも、安心して長時間走り続けられるダイナミクス。
見る、触る、操る、すべてのシーンで感じるクォリティと、それらをさらに際立たせる新技術。———
開発を振り返れば、ここで申し述べたいことは限りなく思い浮かびますが、最後までこのアコードの開発をやり遂げることができたのは、開発チームのひとりひとりが高い志を見失わずに、ひとつひとつの課題を粘り強く解決したからだと思います。
それは、世界に誇れる、ミッドサイズの新しいベンチマークとなりうるセダンを作りたいという技術者の夢、クルマを愛する純粋な気持ち、そして何より、開発チーム全員が日本のお客様はもちろん、世界中のお客様がこのクルマにお乗りいただいたときに喜んでいただける姿を夢見ていたからにほかなりません。
ドアを開けた瞬間、シートに座った瞬間、走り出した瞬間、ステアした瞬間、その一瞬一瞬から、このクルマの価値を感じていただけると確信しています。そして何より、ひとりでも多くのお客様にこの7代目アコードに乗っていただき、喜んでいただいている笑顔を見ることができましたなら、開発者としての喜びは、これに勝るものはありません。

開発責任者 池上博之

池上博之(いけがみ ひろゆき)
(株)本田技術研究所 主任研究員
1978年、本田技研工業(株)入社
振動騒音研究、完成車PL、94プレリュードLPL代行、LPLなどを経て、99ヨーロッパアコードLPL代行、LPLを担当。
今回、7代目アコードのLPLを務める。
趣味は釣り、ゴルフ、読書、家庭菜園、フィットネスクラブ通いなど。
愛車はシティ・カブリオレ、シビックシャトル。





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