ASCOT, ACCORD, ACCORD INSPIRE, VIGOR - 1989.09

ASCOT/ACCORD/INSPIRE/VIGOR
ASCOT/ACCORD/INSPIRE/VIGOR
 
メカニズム/アコード インスパイア&ビガー

ENGINE&TRANSMISSION

最適燃焼、優れた吸・排気特性を
徹底追求した高性能エンジンテクノロジー。


バルブトレイン図
バルブトレイン図



全域高性能を実現するビッグボア・ショートストローク設計。
2.0Lの排気量を自然吸気で、いかに高出力化するか。そのために、多量の混合気をいかに効率良く吸入させ、燃焼させるかという基本から見直しました。バルブ有効面積を拡大して多量の混合気を送り込み、その燃焼を高回転域まで効率的に行う。それを実現するのがビッグボア・ショートストローク設計です。φ82mmのビッグボアと75.6mmのショートストロークにより、高性能エンジンの基本を確立しました。


優れた吸・排気特性を生み、コンパクト化を達成したハイパー20バルブ。
ビッグボアを有効に活用し、優れた吸・排気特性を獲得し、それをコンパクトにおさめる。高性能を達成しながらも、軽量・コンパクト化を追求するために、G20A型エンジンにそのすべてを投入しました。ボア径に対し最も理想的なバルブ面積を確保し、優れた吸・排気特性を獲得するため、吸気2、排気2の4バルブ方式を採用。そして1本のカムシャフトで両バルブを駆動させる1カム4バルブ方式を採用しました。バルブ駆動のスペース効率化、ロッカーアームのコンパクト化により、4バルブ、クロスフロー、センタープラグのDOHCなみの高性能を、軽量・コンパクトなメカニズムのなかに成立させています。


レギュラーガソリンで高圧縮比9.7を実現したマスクド・ペントルーフ形燃焼室。
圧縮比が高ければ高いほど燃焼時の最大圧力が高くなり高出力化を可能にします。この反面、ノッキングを起こしやすくなるという現象も現われます。そこで考えられるのがハイオクタン・ガソリンの使用です。しかし、あくまでも燃焼室形状を改良するというメカニズムでノッキング防止をはかりました。それがマスクド・ペントルーフ形燃焼室。この燃焼室はバルブまわりを絞り込んだ形状で、混合気に乱流を発生させやすくしています。インレットポートから速い流速で送り込まれた混合気は、燃焼室壁面にぶつかることによって発生する乱流効果により効率良く燃焼。その結果、レギュラーガソリンながらも、9.7の高圧縮比を実現しました。また、高出力化だけでなく、低燃費化も同時に達成しています。 マスクド・ペントルーフ形燃焼室
マスクド・ペントルーフ形燃焼室


ポート内流速を高め、混合気のミキシングを向上させるインレットポート。
最適燃焼を実現した燃焼室形状の採用にともない、インレットポートにも最適チューニングを施しました。このインレットポートは中細りの形状を持ち、ポート内流速を高めると同時に、混合気のミキシング効率を向上させています。これにより、大径バルブから多量の混合気を効率良く燃焼室に送り込むことが可能となりました。


吸気の流れ
吸気の流れ

インレットポート径
インレットポート径



慣性効果、共鳴効果を生かし
吸気効率を高めるマルチステージ制御インテークマニホールド。
低速域、中速域、高速域ではそれぞれに最適な吸気系形状があります。細く長い吸気マニホールドを用いれば低速域有利に。短く太いものを用いれば高速域有利というセッティングになります。従って、全回転域で最適にするには多種類の吸気マニホールドが必要となってしまいます。これを解決するのが、マルチステージ制御インテークマニホールドです。セカンダリーポートを、シリンダーヘッドの入り口付近まで伸ばしたロングブランチ設計と、セカンダリーポートに設けられたシャッターバルブのオープン/クローズを、4段階にわたりきめ細かく制御することで、慣性効果と共鳴効果を最大限に利用し、全域にわたるフラットな出力特性を実現しています。


マルチステージ制御インテークマニホールド

シャッターバルブ開閉とトルク変化の関係
シャッターバルブ開閉とトルク変化の関係

インテークマニホールド断面図
インテークマニホールド断面図



排気干渉を防ぎ、大幅な出力アップを可能にした
ステンレス製の5-3-1エキゾーストマニホールド。

5-3-1エキゾーストマニホールド
5-3-1エキゾーストマニホールド
高出力化を実現するには、多量の混合気を燃焼室に送り込むことが必要であり、スムーズな排気システムが重要な要素となってきます。一般に、5気筒エンジンはこの排気システムのチューンがより難しいとされてきました。しかし、ホンダは5気筒として理想的な排気システムを開発し、高出力化と軽量化に大きく貢献させています。それが、5-3-1エキゾーストマニホールド。点火順序を考慮し、1と4、2と3の気筒2本を集合ポートに振り分け、独立した5の気筒の排気管とともに最後に1本の集合チャンバーに集結。しかも、おのおのの管長を長くとることで排気干渉を防ぎ、スムーズな排出を可能にしています。さらに材質には耐熱性の高いステンレス鋼を使用。鋳鉄一体タイプのマニホールドと比較して約25%もの重量低減が可能となり、パワーユニットの軽量化に大きく貢献しています。


あらゆる状況で燃焼の最適制御を行う信頼のPGM-FI。
ホンダF-1にも採用されている実績ある燃料噴射システムPGM-FIが、さまざまな状況でもつねに安定した燃料供給を行います。


フリクションロスを低減した高効率ウォーターポンプ。
インペラーのフリクションを抑え、少ない駆動力でウォーターポンプを駆動させています。R形状インペラーとセラミックを用いた超密封メカニカルシールを採用。フリクションロスを低減するとともに、高回転タフネス性も向上させています。




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