犬も人と同じく風邪をひいた時やアレルギー症状として、くしゃみが止まらなくなることがあります。しかし、犬のくしゃみには他の理由があることをご存知ですか。愛犬のくしゃみの原因や、くしゃみが止まらない時にどう対処すべきなのか、原因や対策方法についてご紹介します。
犬がくしゃみをする原因は、主に5つあります。
このように、犬のくしゃみの原因は様々です。5つの原因をさらに詳しく紹介します。
カーミングシグナルとは、犬が自分の気持ちを伝えるための行動のことです。体に異常が起きているわけではなく、興奮をしたり、ストレスや不安を感じたりした際に自分自身や相手を落ち着かせるために行います。
愛犬が遊んでいる時や、好きな人や犬に会った時に、クシュン!クシュン!とくしゃみをしている様子を見たことがありませんか。これは興奮している自分を落ち着かせるために行っています。
カーミングシグナルには、くしゃみ以外にもあくび、頭を振る、口を半開きにする、まばたきなどがあります。人や他の犬と友好的な関係を築くために、生まれつき備わっている能力とされていますので、こういったカーミングシグナルもくみ取って接してあげましょう。
ホコリやコショウなどの細かい異物を吸い込むと、鼻がムズムズしてくしゃみがでますよね。これは犬も同様です。犬は散歩の時や新しい場所へ行った時に色々なところのにおいを嗅ぎますので、ホコリ、砂、草など小さな異物を吸い込む可能性は高いです。
くしゃみは、これらの異物を排出するために行われる生理現象なので、基本的に心配ありません。
しかし、鼻を長時間気にしている場合には、もっと大きな異物が鼻の中に入っている可能性があります。ボタン、子供のおもちゃなど、遊んでいるうちに間違って鼻で吸い込むことや、誤飲をすることもありますので、気を付けましょう。
犬の誤飲について詳しくは「犬が誤飲した!ティッシュ・ボタン・串などの異物。中毒症状や対策をご紹介」をご覧ください。
犬は嗅覚が非常に優れた動物ですので、刺激の強いにおいを嗅ぐことでくしゃみをします。例えば香水、煙草やお香の煙、殺虫剤、コショウなどの香辛料が挙げられます。
愛犬が自宅内で頻繁にくしゃみをする場合には、においの強いものが近くにあるかもしれませんので、犬から遠ざけてあげるようにしましょう。人にとっては良い香り、弱いにおいに感じても、犬にとっては刺激的ですので、消臭剤や殺虫剤などを無香料のものに変えるなどの工夫もしてみましょう。
また、空気清浄機などを設置し、くしゃみの原因となるにおいを除去することも有効です。
もしアレルギーによるくしゃみの場合は、鼻水も一緒に出ることが多く、透明であまり粘り気がないことが特徴です。
ハウスダストは、室内にいる限り年中アレルギー反応を起こす可能性があります。花粉が原因であれば、春先など花粉が活発に飛び交う特定の季節にくしゃみが増えます。
犬の花粉症について詳しくは「犬の花粉症|なりやすい犬種って?症状や対策をご紹介」をご覧ください。
くしゃみには次のような病気が原因であることも考えられます。
他にも、鼻腔内腫瘍といった病気の可能性もあります。愛犬が興奮をしているわけでもないのに、何度もくしゃみを繰り返していたり、食欲が落ちたり、鼻水や鼻血を伴う場合には、動物病院へ連れて行くようにしましょう。
逆くしゃみとは、鼻から勢いよく空気を吸い込む発作性の呼吸の一種です。動作の特徴から逆くしゃみと呼ばれていますが、くしゃみではありません。小型犬の短頭種が発症しやすく、チワワ、フレンチ・ブルドック、パグ、 シー・ズー、ペキニーズ、トイ・プードルなどを飼われている方は見たことがあるかもしれません。
大きな音で鼻を鳴らしたり、苦しそうな呼吸をしたりする逆くしゃみですが、実は原因は明確になっていません。
長期間続く場合や、あまりにも頻度が増えている場合は、呼吸器官に何かしら問題が生じている可能性も考えられますので、動物病院へ連れて行きましょう。
また、その症状が本当に逆くしゃみなのかを診断するために、愛犬が逆くしゃみと思われる症状が出ている時に動画撮影をしておき、獣医師に見せるとより正確な診断に役立つでしょう。
犬がくしゃみをする原因は、コミュニケーションのひとつであったり、単なる刺激への生理現象であったり、誤飲や病気まで様々です。くしゃみ以外に異変がないか、いつもと変わった様子はないかなど気にしてあげましょう。普段から愛犬をよく観察し、病気の心配がある症状が見られた時はすぐに動物病院へ連れて行くことをおすすめします。
文・監修:PECO
※このコンテンツは、2022年9月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。