useful useful お役立ち情報 お役立ち情報 February.18.2022

散歩中に愛犬が歩かない理由とは?
逆効果なNG行為と対策を紹介

愛犬が散歩を嫌がったり、散歩の途中から歩かなくなったりということはありませんか。そのような場合にはきちんとした理由があり、愛犬にとって適切な対策をとることが大切です。今回は犬が散歩に消極的な理由と、行きたがらない・歩かないときの対策について解説します。

犬が散歩に対して消極的な理由

愛犬が散歩を拒む、散歩の途中で歩かなくなってしまうような場合には、それなりに理由があります。ここでは考えられる主な理由を5つ紹介します。愛犬に当てはまることはないか、ぜひ確認してみてください。

子犬の頃の恐怖体験

子犬の頃、散歩中に騒音や大きな音に驚いたり、ほかの犬に吠えられたりなどの恐怖体験があると、散歩に行くと「嫌なことが起こる」とネガティブなイメージを持ちます。つまり、過去の恐怖体験がトラウマやストレスとなって散歩を拒んでいるのです。特に外に慣れていない子犬の場合、無理に外へ連れて行くとストレスを感じ、散歩嫌いになる可能性があります。散歩は楽しいと覚えさせることが大切です。

散歩コースへの不満

人間でも好きな散歩コースがあるように、犬にも行きたい道もあれば、行きたくない道もあります。例えば、犬は柑橘類や化学物質のニオイを嫌がります。散歩コースにそのようなニオイがする場所があると「行きたくない!」と立ち止まることがあります。また、道幅が狭かったり、交通量が多かったりすると、警戒心の強い犬の場合には散歩自体を拒むことがあります。

まずはいつも歩く道がどのような環境で、愛犬が途中で立ち止まるところがどんな場所かを確認し、愛犬が安心して歩けるコースを見つけてあげましょう。

飼い主さんのしつけや対応

飼い主さんの間違ったしつけや対応により、犬は歩くことを嫌う場合があります。例えば、散歩の途中で歩かないからとすぐに抱きあげることは避けましょう。また、急に立ち止まったからとすぐにペットカートに乗せたり、おやつを与えたりすると「立ち止まると良いことが起こる!」と犬が勘違いをします。

おやつは何かを達成できた時のご褒美として上手に活用しましょう。特にペットカートの乗せすぎは、愛犬の運動不足・筋力低下につながるため注意しましょう。

暑さ

私たち人間も、暑い季節は出来るだけ外に行きたくないですよね。さらに犬は地面からの照り返しを受けやすく、主に呼吸をすることで体温調節をするため、熱中症になりやすいと言われています。そのため、暑さが原因で散歩に行きたがらないことがあります。特に小型犬は頭が地面に近く、熱中症になりやすいので注意が必要です。

また、暑さだけではなく寒さが苦手で散歩を拒む犬もいれば、雨だとわかると散歩を渋る犬もいます。愛犬がどんな天候の日を嫌がるのかチェックしてみましょう。

加齢や疾病

体力が衰えたシニア犬の場合、散歩中に疲れてしまい、歩きを止めてしまうことがあります。「息づかいは荒くないか」「舌を出し荒い呼吸をしていないか」「足を引きずっていないか」など、愛犬に異変がないかをよく観察して、休憩を挟みながら散歩しましょう。
犬の散歩に適した時間について詳しくは「犬の散歩|適した時間は?犬種別、子犬や老犬、多頭飼いも解説」をご覧ください。

また、犬は足にケガをしていたり、肥満により足に負担がかかったりすると歩きたがらなくなります。特に犬の関節疾患は5歳以上になると見られることが多く「歩くスピードが落ちた」「段差を嫌がる」「足を気にする」「歩き方がおかしい」などの症状があります。散歩中は愛犬の様子をよく観察し、普段と様子が違うようならできるだけ早く動物病院を受診してください。また、犬は痛みを隠すこともあるため定期的な健康診断も効果的でしょう。
犬の健康診断について詳しくは「【獣医師監修】犬の健康診断は何歳から?検査内容・費用・注意点などを解説」をご覧ください。

なお、散歩中に歩かないからと愛犬を叱ったり、リードを無理やり引っ張ったりすることはNGです。散歩に対してネガティブなイメージが増えるだけでなく、首などに負担がかかってしまいます。周囲に愛犬が怖がっているものがないか、声をかけたり、痛がっている箇所がないかなど確認してあげましょう。

犬が散歩に行きたがらない・
歩かないときの対策

理由が分かれば、あとは愛犬の気持ちに寄り添って対策するだけです。ここではおすすめの対策を3つ紹介します。

自宅でシミュレーションをする

愛犬がまだ子犬で外が怖いようなら、まずは自宅で散歩の練習をしましょう。その際、散歩するときと同じようにリードやハーネスを装着して本番に近い形で行うことが大切です。同様にリードやハーネスを新調した際も体にフィットしないと散歩を拒むことがあるため、自宅で装着させてサイズなどが合っているかを確認してから出かけましょう。

まずは家の周囲から短時間の散歩を始め、次にクルマや人の通りが少ない場所を選び、徐々に人がいる場所、ほかの犬がいる場所へと散歩コースを広げていきましょう。焦らずに徐々に慣らしていくことがポイントです。

散歩のルートや時間を見直す

毎日、同じような場所で嫌がったり、同じ時間での散歩を拒んだりするようなら、散歩のルートや時間といった環境を変えましょう。例えば、夏場は日陰の多いルートを選択したり、比較的涼しい夕方以降に時間をずらしたりしてみてください。

また、音に敏感な犬であれば交通量の少ない道に変更したり、時間帯を変えるなどして、犬が一度怖い思いをしたルートを避けるようにしてみましょう。そして安全を確認したうえで、たまには愛犬の行きたい方向へ自由に行かせてあげるのもいいでしょう。

散歩中に愛犬とアイコンタクトを取る

愛犬とアイコンタクトでコミュニケーションを積極的に取るのも効果的です。犬は歩いている最中によく飼い主さんへアイコンタクトを送ります。犬にとって散歩中のアイコンタクトは、不安をやわらげたり、「水を飲みたい」「足が痛い」など何か訴えたりする場合によく行います。

しかし、飼い主さんがずっとスマホを見ていたり、別の方向を見ていたりすると犬は「かまってもらえない」「気持ちが伝わらない」と感じてしまいます。そのため、散歩中はできるだけ愛犬を見守りつつ、大きな音などで愛犬が緊張していそうな際にはアイコンタクトを積極的に取り、乗り越えられたときにはしっかりと褒めてあげましょう。もし愛犬がほかの犬やクルマ、複数の人などに緊張しているようであれば、コースを変えるか、声をかけ緊張を解いてあげましょう。

また、引っ越しなどで生活環境が変化した場合にも散歩コースの選定は大切になります。ぜひ、「犬にとって引っ越しはストレス?移動方法や新しい環境の慣れさせ方」も参考にしてみてください。

愛犬が散歩で歩かないときは
適切な対応を

運動、ストレス発散、社会性を身につけるなど、犬にとって散歩はとても大切な行動です。そのため、愛犬が子犬の場合には自宅でしっかりとシミュレーションをしてから、無理のない範囲で出かけるようにしましょう。

また、病気やケガ、加齢に伴う散歩は無理強いせず、休憩を挟みながらなどきちんと対策しながら、愛犬の気持ちに寄り添って散歩を楽しみましょう。

文・監修:PECO

※このコンテンツは、2022年2月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。