犬にとって引っ越しはストレス? 移動方法や新しい環境の慣れさせ方

useful useful お役立ち情報 お役立ち情報 January.15.2021

犬にとって引っ越しはストレス?

移動方法や新しい環境の慣れさせ方

慣れない環境や新しい散歩コース、はじめての動物病院など、引っ越しは犬に多くのストレスや不安を抱えさせます。そしてそれは問題行動へとつながることがあります。今回は、愛犬になるべくストレスをかけずに引っ越しをするにはどのようにすればよいのか、引っ越し前、引っ越し後に行うべき大切なことをご紹介します。

なぜ犬は引っ越しに
ストレスを感じるのか

私たち人間は仕事の都合であったり、マンションの契約更新時期であったりと、引っ越しをする理由や、いつ、どこに引っ越すのかということを知ったうえで引っ越しをします。しかし犬は、なぜ引っ越しをするのかを知らないため、引っ越しの際に大きなストレスを抱えることがあります。住み慣れた家や、毎日の散歩コースがなくなり、見たことのない景色に不安を覚える犬も少なくありません。また、引っ越しのための移動(電車・飛行機・クルマなど)や、引っ越しの準備で慌ただしくしている飼い主さんの様子もストレスの原因となります。その結果、体調を崩す犬もいるため、適切なケアを行う必要があります。

引っ越しによるストレスのサイン

犬が引っ越しによりストレスを感じた際に発するいくつかのサインをご紹介します。

留守番ができなくなった

引っ越しによるストレスで分離不安症になり、ひとりで留守番ができなくなることがあります。分離不安症とは、飼い主さんから離れることに大きな不安を抱く症状のことです。飼い主さんが外出したまま帰ってこないのではないかとパニックに陥ったり、鳴き続けたり、トイレを失敗することもあります。

落ち着きがなくなった

犬が家中をぐるぐる歩きまわるなど落ち着きがなくなったら、ストレスを感じているサインです。犬は慣れない環境で神経質になり、知らない匂いや、聞きなれない音など、些細なことにも警戒します。愛犬が新しい家でも落ち着いて暮らせるように、愛犬が引っ越しをする前から使用していたペット用のベッドや、おもちゃなどを引っ越し先に持っていくとよいでしょう。

下痢、嘔吐をするようになった

引っ越しをしてから下痢をしたり、嘔吐を繰り返したりする場合には注意が必要です。下痢や嘔吐は脱水症状を引き起こすため、下痢が2~3日続く、1日に何度も嘔吐を繰り返す場合には、すぐに獣医師に相談しましょう。

また、トイレの場所が変わったことで、トイレを失敗してしまう犬もいますが、決して怒ったりせず、分かるまで何度も教えてあげてください。

夜間に眠らなくなった

夜間に眠らない、夜鳴きをするなどの行動が見られたら、犬がストレスを感じているサインです。夜は暗くなり外の音も静かになるため、ちょっとした光や音にも反応して、日中よりもさらに不安を感じやすくなります。また、飼い主さんも寝てしまうため、寂しさから眠れなくなり、夜鳴きをしてしまう犬もいるのです。そんな時には、ケージの中にタオルやクッション、ぬいぐるみなど、愛犬が気に入っているものを入れてあげましょう。犬は寂しがり屋な動物なので、温かいものや体に触れるものがあると落ち着きます。また、ケージに毛布などをかけ、外の光や音を入りにくくする方法もあります。

引っ越し前、引っ越し後に
行うべきこと

ここからは愛犬が引っ越し後にストレスを抱えないために、引っ越し前、引っ越し後に行うべきことをご紹介します。

キャリーケース、キャリーバッグに慣れさせる

キャリーケースやキャリーバッグの中を、愛犬にとって落ち着けて安心できる場所にしておくことがとても大切です。まず、キャリーケースやキャリーバッグにいつでも愛犬が入れるようにしておきましょう。眠る時や遊んだ後など、落ち着きたい時に自分から入るようになれば、移動をする際や生活環境が変わった場合でも、キャリーケースやキャリーバッグの中が愛犬にとって落ち着ける場所となるでしょう。引っ越しに限らず、移動をする際や災害時などとても役立つため、日頃から慣れさせることを強くおすすめします。

乗り物に慣れさせる

クルマで長時間の移動を行う場合には、まずクルマに乗ることから慣れさせましょう。いきなり長時間乗せることは心身ともにストレスが大きくなります。乗り物酔いが不安な場合は、動物病院に相談して、あらかじめ酔い止めを処方してもらいましょう。また、クルマに慣れていたとしても長時間の移動の場合には、途中の公園や高速道路のサービスエリアなど、こまめに休憩をさせてあげましょう。飛行機による移動は飼い主さんの姿が見えなくなるなど、愛犬にとって非常にストレスが大きい移動手段のため、移動は陸路をおすすめします。

愛犬の私物は買い替えない

愛犬は自分のにおいがついていない物や新しい場所は不安を感じるため、愛犬の私物を捨てたりしないでください。愛犬が新しい環境に慣れてきたら、徐々に買い替えるようにしてあげてください。

新しい動物病院を見つける

引っ越し先で病気や怪我をした時、慌てずに済むよう、動物病院を事前に探しておくとよいでしょう。愛犬に持病がある場合には、かかりつけの動物病院から診断書やカルテをもらっておくと引き継ぎをスムーズに行えるでしょう。

また、新しい動物病院に慣れさせるために、爪切りや健康診断などで病院に連れて行き、獣医師さんに慣れさせておくことも大切です。

いつも以上にスキンシップをとるようにする

愛犬は引っ越し前に飼い主さんが忙しくするなど、いつもと違う様子を見せたり、引っ越した先の新しい環境に不安を感じたりするため、いつも以上にスキンシップをとるように心がけてください。分離不安症を予防するためにも、引っ越し後は愛犬と一緒にいる時間を長くし、留守番は数分間という短い時間から1時間、半日と時間を長くしていき、徐々に慣らすようにしてください。飼い主さんは必ず帰ってくるということを理解させるようにしましょう。

お散歩に慣れさせる

愛犬には家と同時に街にも慣れてもらうため、散歩に連れて行くのがおすすめです。はじめのうちは交通量の多いところは避け、自然が多くのんびりできる場所を探しましょう。新しい散歩コースで嬉しい発見があると、犬にとっても楽しみができます。また、散歩は犬のストレス発散のためにとても重要なため、引っ越ししたばかりで忙しくても欠かさず行くようにしてください。

引っ越し時には

愛犬のストレス対策を
しっかりしよう

愛犬がストレスによって苦しむのは悲しいですよね。事前準備をしっかりとし、愛犬のストレス軽減に努めましょう。また、引っ越し後のケアが重要となるため、引っ越しは連休中にするなど、愛犬と一緒にいられる時間が取れる時期を選ぶのもいいかもしれません。

また、飼い主さんと同様に愛犬も登録住所変更手続きを忘れずに行いましょう。転入から30日以内に、新住所の市区町村に犬の住所変更届を提出しましょう。手続きを行う際に、引っ越し前の市区町村で受けた鑑札や予防注射を打った際の「狂犬病予防注射済票」が必要になることがありますので、引っ越し先の市区町村へ事前に問い合わせておくと安心ですね。

文・監修:PECO

※このコンテンツは、2021年1月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。