犬にとって「ごはん」は毎日の楽しみのひとつです。ところが急に食べなくなった、大好きなはずのフードでもなかなか食べてくれない、残してしまうなど、愛犬の食に関する悩みを抱える飼い主さんは少なくありません。犬の食欲がない時に、どのような原因が考えられるのでしょうか。また飼い主さんはどのように対処すべきかご紹介します。
このように様々です。そのため、犬の食欲が一時的にないのか、数日間続いているのか、また食欲がないだけではなく、他にも愛犬がいつもと違う行動をとっていないか、気になる症状が出ていないかを確認しましょう。原因によっては、飼い主さんで対処できることから、動物病院に行かなければならないこともあります。
それでは、原因別に見られる愛犬の行動や症状と、その対処法を見ていきましょう。
最近、フードの種類を変えませんでしたか?また、フードの保管方法などを誤っている可能性も考えられます。
犬は一般的に暑い季節に食欲が低下し、寒い季節になると食欲が増します。
ストレスによりフードへの興味が下がる、食欲が低下するということがあります。
犬も老化により食事量や必要な栄養のバランスが変わります。また、関節に痛みが出たり、目や耳などが不自由になったりしますので、飼い主さんのサポートが大切になります。
フードを食べないということ以外に、下痢、嘔吐、元気がない、水を飲まないといった症状が見られる場合は、何かしらの病気の可能性があります。
子犬のうちは、なんでも喜んで沢山食べていたはずが、成長期を過ぎると急に好みにうるさくなったり、食べることを以前よりも楽しみにする様子ではなくなったりことがあります。
ドッグフードは食べないけれど、おやつは食べるし、遊ぶ元気があるなんていう犬もいますよね。
お腹が減れば、そのうち食べるよと言われたけれど、食べずに愛犬が胃液を吐いてしまう、と頭を悩ませる飼い主さんもいます。まずは、動物病院で見てもらい、それでも異常が見当たらない場合には、フードを温める、ミルクを混ぜる、トッピングをする、一口でも食べたらほめるなど、食べる楽しさを感じられるようにしてみましょう。
子犬の時から食が細くて、食べない日もある、食べていないので胃液を吐いてしまうなんていう犬もいますよね。しかし、動物病院で見てもらっても何ら異常が見当たらないということも。
フードを食べる、水を飲むということは生きていくうえで欠かせないことです。フードを残したり、食べなかったりしても元気はあるので大丈夫ということはありません。もし丸1日~2日何も口にしない、水も飲まないという場合には、脱水症状を起こしやすくなります。特に子犬や高齢の犬は、暑い季節には注意しましょう。
ヤマザキ動物看護大学 動物臨床行動学研究室 准教授
獣医師 博士(獣医学)
獣医行動診療科認定医
国内外で犬と猫の行動について学び、問題行動の予防、診断、治療(行動診療)を行ってきた。人と同じ言葉を話さない犬猫の心は行動を通じて予測することができる。それぞれの動物の心に寄り添い、動物とその飼い主様の両者がより幸せに快適に過ごせる方法を日々模索している。
大学院時代に柴&甲斐のミックス犬とふたり暮らしをし、彼と共に様々な活動に参加した。この経験が、犬の行動を理解することが必要な行動診療医の仕事をする上で基盤になっている。現在はテリア犬系ミックス、日本犬系ミックスの2頭の元保護犬と生活している。
※このコンテンツは、2023年7月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。