useful useful お役立ち情報 お役立ち情報 Jun.17.2022

愛犬と登山を楽しみたい!
登山向きの犬種、注意事項や
ルールなどをご紹介

愛犬とキャンプや川遊びをするという飼い主さんも多いですが、近年、愛犬との登山も人気が高まっています。登山は飼い主さんと犬にとって良い運動になり、自然が気持ちをリフレッシュしてくれます。しかし、どの山が愛犬との登山に向いているのか、何を持っていけば良いのかなど、通常のおでかけよりもハードルが高く感じる飼い主さんも多いのではないでしょうか。そこで今回は、愛犬を連れた登山のマナーや役立つアイテムなどを紹介します。登山に向いている犬種についても説明しますので、どうぞ参考にしてください。

犬との登山は、
法律で規制されていることや

地域ごとのルールが存在する

犬と一緒に登山をすることについて、法律上の問題はありません。しかし、「動物を放つこと」は法律で規制されています。また、国立・国定公園や山岳部などでは、野生動物および野生植物や他の利用者に対する配慮などから、ペットの持ち込み自粛を要請している地域があります。

犬と登山を楽しむ際の
注意事項やルール

まず、犬と一緒に登山をして良いのかホームページや電話で確認しましょう。この段階で判断に困ったら連れて行かないのが無難でしょう。連れて行く際は、以下のポイントをチェックしてください。

  • 体格や体力などを考慮して、愛犬が歩くのに適切な山か
  • 「待て」や「呼び戻し」などのしつけができているか
  • 排泄物の処理を必ず行う
  • リードは短く持ち、他の登山者を驚かせたり、愛犬が飛びついたりしないようにする
  • きのこや木の実など、山のものは食べさせない

他にも注意事項はありますが、上記は最低限守るべき項目と言えます。一人がルールやマナーを破ると、犬の登山がOKだった山でもNGになってしまうケースがあるため、必ず守るようにしましょう。

登山に向いている犬種

犬の中には、登山に向いている犬種・不向きな犬種がいます。愛犬と一緒に登山を楽しめるよう、登山に向いている、山に強い犬種を把握しておきましょう。
身体的な観点で山に強い犬種かどうかを判断する場合、災害救助犬を参考にできます。災害救助犬の採用に犬種の基準はありませんが、シェパード、ラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバー、ボーダー・コリー、甲斐犬、紀州犬などは足場の悪い環境を苦にしない身体能力を持っています。

小型犬では、柴犬やダックスフンドが登山に向いています。どちらも、猟犬として活躍していた歴史を持ち、山に強い犬種です。特に柴犬は筋肉が発達しており、足元が良くない場所も得意ですし、性格も我慢強く登山向きの犬種と言えるでしょう。

一方、ダックスフンドは胴が長く腰を痛めやすいため、高所からの飛び降りなど上下運動の激しい山は不向きです。トレッキングのような比較的なだらかな道を歩く登山がよいでしょう。

小型犬の中には、チワワやトイ・プードルなど膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)になりやすい犬種や、ポメラニアンのように骨格の細い犬種も多いため、ダックスフンド同様に上下運動の少ないトレッキングや、なだらかな道でのハイキングがおすすめです。

また、細い登山道は、他の登山者との接触が発生しやすい場所です。犬が苦手な登山者とすれ違う場合や犬同士がすれ違う場合でも、細い登山道は回避するスペースも少なく、場所によっては足場が悪かったり、崖に面していたりする場合があります。そのため愛犬が興奮しやすい、吠えやすい場合にはまず登山の前に訓練が必要です。

犬との登山に役立つアイテム

犬との登山に持っていくべきアイテムをご紹介します。
主なアイテムは、首輪またはハーネス、リード、うんち回収袋、水、おやつなど、日常の散歩でも用意が必要なものです。

それに加えて登山用として、犬用救急セット(ピンセットやハサミ、常備薬など)、レインコートや防寒着、ワクチン接種証明書、迷子札、犬が入れるタイプのリュックなどを用意しましょう。
また、春から秋にかけては熱中症対策の保冷剤や、万が一に備えて2食分程度のフードも持参するとよいでしょう。

登山用グッズについて説明を加えると、レインコートや防寒着は、登山中に気温が下がったり、雨が降ってきたりといった気候の変化に対応するためのものです。犬が入れるタイプのリュックも、愛犬がケガや体調不良により歩けなくなったときのために用意するとよいでしょう。
また、首輪に迷子札を付けておくことで、開放的な環境でどこかに走り出して迷子になった際の備えになります。

犬との登山は簡単なコース、

なだらかな山から始めよう

高い山は頂上からの景色も良いものですが、まずは登山が簡単なコースや、起伏の少ないなだらかな山から始めてみましょう。登山から下山まで愛犬の呼吸が荒くならず、元気なようであれば、次はもう少し難しい登山コースにチャレンジするなど、段階を踏むようにしましょう。

なだらかなコースでも注意は必要!

なだらかなコースの場合でも次のような状況では、無理をしないようにしましょう。

  • 雨が降り地面がぬかるんでいる
  • 途中に吊り橋がある
  • 登山客で混みあっている
  • 気温が高い、日陰などの休憩スペースが少ない

他にも、おさえておきたい注意点

狂犬病や混合ワクチンの予防接種は必ず済ませておいてください。その他にも、山にはさまざまな虫がいるため、ノミやマダニ対策も行っておきましょう。
ノミについて詳しくは「どこにいる?犬に寄生する「ノミ」の見つけ方、正しい取り方、症状を解説」をご覧ください。

そして、山には多くの植物が自生しています。中には舐めるだけで中毒や神経麻痺を引き起こすものもありますので、登山予定の山には、その時期にどのような植物が自生しているのかも予め調べておくとよいでしょう。

そして、登山道以外を歩かせないように注意しましょう。山には普段、見慣れない美しい景色が広がっていますが、こういった場所を保護するために立入禁止になっている場合があります。

「無理をしない」ように
山を楽しみましょう

ルールやマナーをしっかり守ることで、愛犬と一緒に登山を楽しめます。普段とは違った体験ができますし、山頂からの景色は格別ですので、愛犬と一緒の登山は飼い主さんにとって忘れがたい思い出になるでしょう。

大切なのは、愛犬の様子を確認しながら登山をすることです。疲れていることが感じ取れたら休憩をとる、これ以上登ると戻るのが大変だと思われたら途中で引き返すなど、愛犬の体を思いやるようにしましょう。山によっては、愛犬も一緒に乗ることが可能なゴンドラやケーブルカーなどもありますので、ご自身と愛犬の体力・気持ちを考慮して楽しむ方法を探すこともおすすめです。

暖かい季節の登山は熱中症にも注意しましょう。熱中症にならないための予防法、熱中症の症状が見られた時の対処法などは「犬の熱中症|効果的な応急処置は?予防法や原因について解説」をご覧ください。

登山ついでにキャンプをしたり、夏は川遊びをしたりするのも楽しいですよね。水が大好きで泳ぎも上手な犬でも、水遊びには危険が伴います。また、これから愛犬とプールや川遊びを体験してみたいという方もぜひ、「【獣医師監修】愛犬との水遊びを安全に楽しむには?海・川など場所別の遊び方や注意点など」を参考にしてください。

夏といえば、とうもろこしが美味しい季節ですよね。甘いとうもろこしが大好きな犬も多いです。とうもろこしは栄養に優れていますが、いくつか注意点もあります。ぜひ、「犬はとうもろこしを食べても大丈夫?量や与え方に注意!」もご覧ください。

文・監修:PECO

※このコンテンツは、2022年6月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。