ドライブ
夏は、愛犬と一緒に水遊びの計画を立てている飼い主さんも多いのではないでしょうか?
水遊びは飼い主さんと愛犬にとって楽しいイベントとなりますが、楽しみ方だけでなく、リスクやマナーなどについても知っておく必要があります。
今回は、海、川、プールなどでの水遊びの楽しみ方や注意点をはじめ、愛犬の水遊びデビューに役立つ方法や、水遊びに役立つアイテムなどをご紹介します。
水泳は、本来備わっている自然環境での運動能力を遊びながら発揮することができ、また日常生活ではあまり使われない筋肉を使うため、陸上での運動とは違った運動効果が期待できます。また、体を動かしてエネルギーを発散することは、犬のストレス解消にもつながるでしょう。
水中では水の抵抗によって体に負荷がかかるため、陸上での運動よりもエネルギー消費率が高く、ダイエット効果が期待できます。また、浮力のおかげで腰や四肢の関節にかかる負担が軽減されるので、関節に不安を抱える犬にはリハビリ効果も期待できます。
犬の健康にも効果が期待できる水遊びですが、同時に、犬の水遊びにはリスクも伴います。特に、水から上がったあとのトラブルが多いので注意しましょう。
「水遊びでは冷たい水に入るのだから、熱中症の心配はない」と思われがちですが、夏の日差しは思っている以上に強いため、長時間、日なたにいると熱中症になってしまう危険性があります。意識して水分補給をさせ、こまめに日陰で休憩させましょう。
犬も人間と同様、長時間冷たい水の中にいると、体温が下がり低体温症になる可能性があります。水遊び中に急に愛犬の元気がなくなったり、激しく震え出したりしたら要注意。低体温症を放置してしまうと、命にかかわるケースも。長時間水の中で遊ばせることを避け、水から上がったらなるべく早くタオルなどで体を拭くようにしましょう。持病をもっている犬 心臓病や呼吸器疾患、甲状腺機能低下症をもっている犬は心肺機能が低下しており水遊びや体温の変化に体がついていけず症状が悪化する事がありますのでご注意ください。
水中毒とは、大量の水を飲んだことによって起こる中毒症状で、低ナトリウム血症や痙攣の症状を生じます。重症の場合は、昏睡状態に陥ってしまったり、最悪、命にかかわりかねません。普通の生活をしていれば水中毒になるほど水を飲みすぎることはありませんが、ボールなど物を加えた状態で泳いでいると、口から水が入ってきて大量の水を飲んでしまうこともあります。水中毒を防ぐには、水を飲ませ過ぎないことしかありません。愛犬の様子をよく観察しながら水遊びをするようにしましょう。
“犬かき” という言葉があるくらいなので、すべての犬が生まれながらにして泳げると考えてしまいがちですが、実は、泳ぎ方を教えなけえれば上手に泳げるようにならない犬もいます。四肢が短いといった身体的要因や、水が怖いといった心的要因など、原因はさまざま。泳げない犬をいきなり背の立たない深いプールなどに入れてしまうと、パニックを起こして溺れてしまう可能性があります。
「ダックスフンド」など四肢の短い犬種は、水中でうまく手足を動かすことができず、短頭種の「フレンチ・ブルドッグ」「パグ」などは鼻や口から水が入りやすいため、泳ぎには不向きな犬種といわれています。柴犬などの日本犬は水を苦手とする事が多く泳ぎも不得意です。また、「ビーグル」「ウィペット」などの犬種も水中での動きは不得意とされています。
せっかく水遊びに出かけても、愛犬が水を怖がって水に入ってくれないなんてことも。嫌がる愛犬を無理やり水に入れてしまうと、「水=恐ろしいもの」と認識してしまい、二度と水遊びをしてくれなくなってしまう可能性があります。そのため、愛犬を水遊びデビューさせる際には、まず、愛犬が水に対してどのような反応を見せるか、事前に確認しておくことが大切です。雨の日のお散歩や家でのシャンプー時に見せる愛犬の水への反応をよく観察しましょう。
愛犬が水を怖がるようなそぶりを見せる場合は、家の庭やバルコニーなどを利用して、段階的に水に慣らすようにしましょう。
地面に小さな水たまりのようなものを作って、その上を歩かせてみます。問題なく歩いてくれるようなら、次にジョウロなどを使って手足にやさしく水をかけ、大丈夫なようなら体にも水をかけてみてください。
子ども用のビニールプールなどを用意して、犬の足先だけが浸かるくらいの深さに水をため、その中に犬を立たせてみてください。怖がらないようなら、時間をかけて徐々に水位を上げてみましょう。念のため、犬の胸のあたりが浸かるくらいの水位で止めておきましょう。
ステップ1、ステップ2ともに、おもちゃなどを使って遊びながら試してみるのがおすすめです。「水遊び=楽しいこと」と思わせることが大切。ひとつクリアするごとにしっかりほめてあげることも忘れないでくださいね。
家ではうまくトレーニングできないかも…という場合は、プールのあるトレーニング施設を利用してみるのもひとつの方法です。インストラクターやトレーナーなどが犬の状態に合わせたエクササイズを行ってくれるので、愛犬が水に慣れていない場合でも安心して任せることができます。
小型犬や高齢犬の運動不足の解消や肥満予防のためのフィットネスを行う施設です。インストラクターがシャワーやシンクで犬を水に慣れさせてからプールに入れ、こまめに休憩を入れながら泳がせてくれます。犬の脈拍、呼吸、舌の色などを確認しながら、無理のない安全なエクササイズを心掛けてくれます。
住所:東京都稲城市若葉台2-1-1 フレスポ若葉台EAST 3F スポーツクラブNAS若葉台内
電話:042-350-5401
利用時間:10:00〜19:00
定休日:金曜日
駐車場:214台(フレスポ若葉台EAST駐車場)
アクセス:クルマ
中央自動車道 稲城IC下り出口より約18分
アクセス:電車
京王相模原線 若葉台駅下車すぐ
HP:https://www.facebook.com/wanwanfitness/
※感染症予防のため当面の間プールは営業を休止しております。
愛犬と泊まれるリゾート施設ですが、屋内プールの外来利用もOK。犬の初めてのスイミングやダイエット、シニア犬の運動不足解消などのために利用されています。水泳初体験や泳ぎが苦手な犬向けの水泳教室もあり、インストラクターが犬の状態に応じたレッスンを行ってくれます。
住所:山梨県北杜市長坂町小荒間1792
電話:0551-32-1155
利用時間:水泳教室 9:00~、11:00~、15:00~、17:00~
ウェルネスコース 9:00~ 、10:00~、12:00~、14:30~、16:30~
※どちらのコースも予約制となります。
定休日(屋内プール):火曜日、水曜日、木曜日(年末年始、GW、夏季は営業)
駐車場:60台
アクセス:クルマ
中央自動車道 小渕沢IC出口より約10分
アクセス:電車
JR中央本線 小渕沢駅よりタクシー約10分、JR小海線 甲斐小泉駅より徒歩約25分。
※両駅より送迎あり(要予約)。
HP:https://www.izumigo.co.jp/aiken/yatsugatake/
背の立たないようなところで泳ぐことが好きな犬、浅瀬でのおもちゃを使った遊びが好きな犬、ホースから出る水を追いかけるのが好きな犬など、水遊びの好みはいろいろ。愛犬が水に慣れてきたら、愛犬に合った遊び方を探して、一緒に水遊びを楽しみましょう。
泳ぐことはもちろん、波打際で波と戯れたりする水遊びのほか、砂浜でのフライングディスクやボール遊びなど、海での遊び方は多彩。サーフィンやSUP(サップ)といったマリンスポーツを愛犬と一緒に楽しむこともできます。
日本には多くの川があり、水遊びスポットとしてはとても身近な場所といえます。川では、流れの緩やかな場所での泳ぎや、流れのある場所での川下りなどを楽しむことができます。場所によってはカヌーを使った遊びができるところもあります。
水慣れしてまだ間もない犬には、犬専用のプールでの水遊びがおすすめです。プールは自然のフィールドに比べて危険が少ないので、安心して愛犬を遊ばせることができます。関節に不安を抱える犬の場合は、リハビリのためにプールを利用することもできます。
もっとも手軽に、気兼ねなくできるのが自宅での水遊び。犬用プールや子ども用プールはもちろん、浴槽をプールとして代用することもできます。また、ホースや水鉄砲を使った水遊びが好きな犬もいるので、ぜひいろいろ試してみてくださいね。
水遊びをより快適に、より安全に楽しむためのアイテムをご紹介します。この夏の水遊びにぜひ役立ててくださいね。
さまざまなタイプの水に浮く犬用おもちゃが販売されているほか、テニスボールなども水遊び用のおもちゃとして利用できます。おもちゃを活用して水遊びをより楽しみましょう。
日差しの強い夏の水遊びにぜひ用意しておきたいのが日差し対策用のアイテム。ポップアップテントは設営や撤収が簡単なので、アウトドアでの水遊びには便利です。サイズもさまざまで、犬用の小さなものも販売されています。
タオルは、水遊びの必携アイテム。犬の体を濡れたまま放置することは、低体温症の原因になることもあるので、水から上がったらできるだけ早く愛犬の体をタオルで拭いてあげましょう。犬の体をすっぽり包むようなバスローブタイプのものもあります。
海や川など自然のフィールドでの水遊びの際にぜひ用意したいのが「犬用ライフジャケット」。飼い主さんが抱きかかえることなく、ひょいと水から上げることが可能な把手付きのものや、リードを取り付けられるタイプのものがおすすめです。
自然のフィールドでは、一瞬のうちに愛犬が遠くへ流されてしまうような危険もあります。しかし、万が一愛犬が流されてしまっても、ロングリードを着用していれば、飼い主さんの近くまで引き寄せることが可能です。ただし、プールサイドでの使用はNG。
飼い主さん自身も安全に水遊びを楽しむために、ライフジャケットやゴーグルを用意しておくと安心です。また、ビーチサンダルではなく、アクアシューズやウォーターサンダルなどを履けば、動きやすいだけでなく、足元の安全にもつながります。
シートの水濡れや車内の泥汚れなどに役立つアイテムをご紹介します。クルマで水遊びに出かけるときは、用意しておくと便利です。
通常のタオルよりも吸水力に優れたタオルは、水遊びの際の心強い味方。タオルだけで十分水気を取り除くことができるので、水遊びのあとすぐに愛犬をクルマに乗せる場合などに役立ちます。速乾性も高く、絞れば何度でも使うことができます。
使い捨てのペット用お手入れタオルもあると便利です。手足の泥汚れやおしり周りの汚れなどを手軽に拭き取ることができます。ブラッシングと併用すればさらに効果的。水遊び後に愛犬をクルマに乗せる際には、ぜひ使用したいアイテムです。
車内の汚れや傷が気になる飼い主さんにおすすめなのが、ペット用ドライブシート。後部座席に置くことでシートの傷つきが防げるほか、防水性能の高いものなら、シートが濡れることもありません。装着が簡単で、コンパクトに収納できるタイプが便利です。
愛犬用の熱中症対策グッズもぜひ用意したいもの。ペット用の保冷マットやクールウェアなどをクーラーボックスに入れておいたり、スプレータイプのペット用冷却剤やペット用経口補水液を用意しておくとよいでしょう。
水遊びを通したコミュニケーションは、愛犬との信頼関係を深めることにも役立ちます。行く場所や遊び方など、水遊びの内容もさまざま。愛犬の好みや適正に合わせた水遊びを選びましょう。また、公共の場所ではしっかりとマナーを守り、お互いに気持ちよく、より安全に水遊びを楽しんでくださいね。
監修者:
ぐぅ動物病院 白神 久輝 院長