ヘルスケアの基礎知識 ヘルスケアの基礎知識

予防接種をきちんと受けさせよう!予防接種をきちんと受けさせよう!

  • ワクチンとは、人間のはしかのように、一度感染するとその後の感染では発症しないという体の免疫システムを利用して、病気の感染を防ぐ方法のことです。弱らせた(または死んだ)細菌やウイルスなどの病原性微生物をわんこの体に接種して、人為的に感染した状態にします。それによって免疫力を獲得させれば、その後同じ細菌やウイルスに感染しても、その病気の発症や重症化を防ぐことができるのです。

POINT1

ワクチンの種類

  • コアワクチン
    重症化する危険性が高い感染症や、人畜共通感染症で、人に感染すると重症化する感染症を予防するためのものです。基本的に、すべてのわんこが接種するように推奨されています。
    特に狂犬病については、毎年一回予防注射をすることが法律で義務づけられています。

    ・狂犬病ウイルス

    ・イヌパルボウイルス

    ・イヌジステンパーウイルス

    ・イヌアデノウイルス1型・2型
  • ノンコアワクチン
    動物が住んでいる地域別に感染症の発生状況を考慮して接種するワクチンです。とはいえ、すべての感染症ごとにノンコアワクチンがあるわけではなく、混合ワクチンとしてコアワクチンの中に含まれている場合が多いので、接種する場合は獣医さんとよく相談してください。

    ・イヌパラインフルエンザウイルス

    ・イヌコロナウイルス

    ・レプトスピラ

    ・ボルデテラ・プロンキセプチカ

POINT2

ワクチンの種類時期

生まれたばかりの子犬は、母犬の母乳からもらった様々な病気に対する抗体によって守られています。この抗体が体内に残っている間にワクチンを接種しても十分な効果が得られません。そこで、母犬からもらった抗体が少なくなってくる生後8週齢くらいを目安にワクチン接種を始めます。ただ、わんこによってワクチンがもっとも効果を発揮する時期は異なりますので、数回に分けてワクチンを打つことになります。

    • 子犬のワクチン
      プログラム
    • 初回接種から3~4週間後に2回目、さらに3~4週間後に3回目を行うことが推奨されています。そして、最終接種日から12カ月後に免疫力を高めるための再接種を行い(ブースター効果といいます)、計4回の子犬のワクチンプログラムが終了です。
    • 成犬になって
      からの追加接種
    • 最近では3年程度ワクチンの効果が続くという研究も報告されていますが、現在のところノンコアワクチンは初年度の接種以降も毎年接種することが推奨されます。ワクチンがきちんと効いているかどうかをチェックする検査もありますので、ワクチン接種前に利用してもよいかもしれません。

わんこのライフスタイルや住んでいる地域によってもワクチンプログラムは異なります。かかりつけの獣医さんとよく相談して決めるのがよいでしょう。自宅に子犬を迎えたばかりの場合は、体調が不安定になりやすいので、環境に慣れてから様子を見てスタートしてください。

  • 村田香織

    「もみの木動物病院」(神戸市)獣医師。(株)イン・クローバー代表取締役。公益社団法人「日本動物病院協会」インストラクター養成講座委員会アドバイザー、パピーケアスタッフ養成講座メイン講師。