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Me and Honda, Career Hondaの人=原動力を伝える Me and Honda, Career Hondaの人=原動力を伝える

コロナ禍で激変した新入社員研修。オンラインで600名を育てた研修担当の原動力とは

Hondaの人材開発課で新入社員研修の企画を担当する笠井 英明と市原 佑季子。突如として訪れたコロナ禍により、従来の新入社員研修プログラムの変更を余儀なくされました。かつて類を見ないオンライン研修のスタート。ふたりは何を思い、どのような原動力からこの局面を乗り越えたのか──

市原佑季子Yukiko Ichihara

人事部 人材開発課

2016年Hondaに新卒入社。
製作所実習、販売店実習を経て、2017年四輪研究開発を担う(株)本田技術研究所の総務課に配属、人材育成研修などを担当。
2020年2月〜現職。

笠井英明Hideaki Kasai

人事部 人材開発課 チーフ

2008年に大学を卒業後、電子機器・インフラメーカーにて人事領域を担当。
2019年1月にHondaに中途入社。

Beyond the COVID-19──新型コロナウイルスを乗り越えよ!

新入社員の教育。それは企業の未来をつくる、人事の大きなミッションのひとつだ。

理念やバックグラウンド、そして企業として輝く社員に何を期待しているか。

一言では表せないメッセージを若い人材に伝えることは、簡単なことではない。

Hondaの新入社員研修には、時代変化に応じて設定している育成コンセプトがある。

人材開発課の笠井 英明は、そのコンセプトを検討し、研修の設計と運用に携わるひとりだ。

笠井 「Hondaの社内だけでなく社会全体で勝ち抜ける人材を育てる。これが今年の新入社員研修のコンセプトです。例年は実習を通じて現場を体感する内容を主として、フィロソフィーをしっかり学んでいく研修プランを充実させてきました」

そんな笠井は2019年1月、Hondaへ転職したばかり。

異なる業界から人事職を共通の軸としてHondaへキャリアの舵を切った理由は、学生時代の就職活動を通して感じたHondaの社風だ。

笠井 「私は新卒時にもHondaに挑戦していて、当時からボトムアップの社風やチャレンジ精神がある企業であることを確信していました。働き方や企業風土が合う企業でキャリアを重ねたいと思って、2019年に再チャレンジしたのが転職のきっかけです」

笠井がジョインした翌年の2020年2月、世界を激震させる新型コロナウイルス(COVID-19)の混乱が拡がった。

奇しくも同じタイミングで同人材開発課に異動したのが市原 佑季子だ。

市原 「私は2016年に新卒入社して栃木県の研究所に配属された後、2020年の2月に人材開発課に異動となりました。まさかこんな激動の新入社員研修になるとは……異動当時、思ってもみませんでしたね(笑)」

従来の研修企画は内定式終了後、10月ごろから始まる。

翌年4月に入社式を終えて1週間ほどの集合研修、その後、製作所と販売店の実習をそれぞれ2~3カ月実施し、新入社員は満を持して9月1日の正式配属を迎えるのが通例。

しかし、コロナ禍の2020年2月、当初の予定はすべて崩れることになった。予想もしなかった事態の中で、ふたりの人事担当者と研修に参加する新入社員600名の挑戦が始まった。

社内の協力者を巻き込み、未知のオンライン研修に挑む

市原 「これまでHondaは三現主義(※現場、現実、現物を重視する姿勢)を貫いてきたので、新入社員の実習はとくに重視されており、歴史の長い取り組みです。

しかし、コロナ禍で600名の新入社員の移動や全員集合をかけることは、あまりに大きなリスクをともないます。この二つの側面があったため、オンライン研修の実施有無について社内で認識を合わせるには時間を要しました」

笠井 「オンラインに切り替えることを決断した時点で、ほとんどの企画を改変することを覚悟しました。それでも、新入社員だけでなく、研修に関わる多くの人々の安全を優先することが第一です。なんとか実現しなければなりません」

社内全体でオンライン研修実施の理解を得たのは2020年3月。

当初はどれほどの期間研修が続くか見えておらず、計画は暫定的なものしか組めなかった。

笠井と市原が一貫して意識したのは、育成コンセプトをぶらさないこと。

まず新入社員が目的・目標を見失わないよう、育成コンセプトに基づいてオンライン研修のゴールイメージをできるだけ具体的に設定し、予定されていた1週間の集合研修から見直しを始めた。

市原 「当初予定していた集合型研修は入社手続きに関連する集合型ならではのカリキュラムが多かったのですが、実際にオンライン研修をシミュレーションすると、コンテンツはたったの3日で終わる内容でした。ネタは早々に尽きてしまったので、そこからどんな内容を実施するか、頭を振り絞って考えました」

笠井 「3日で終わらせないためにも、新たな計画を実行していくには、社内の協力が必要不可欠でした。例年も協力をもらっている経営企画部門のワークショップを増やしたり、営業部門や知的財産部門など他部署に新たに協力を要請したりと、さまざまな方面へ協力を仰ぎました」

研修を企画するポイントとなったのは、昨年までの研修で浮き彫りになっていた課題。

笠井 「例年、一律で一方的な座学が続いていたことから、新入社員の受け身の姿勢を醸成しているのではないか、といったことを考えていました。つまり、主体性を身に着けてもらうことが課題です。もっと個々の意見や行動を引き出すためには、新入社員一人ひとりが内省を深め、気づきと学びを得られる施策が必要だと考えていました。

コロナ以前はOJTの強化などを考えていましたが、オンライン化にともない、学びをアウトプットしてもらう機会を増やすことでその課題を改善することにしました。長期間にわたる研修期間を決して無駄にはせず、新入社員が個々の意見を表出し、互いに気づき、学び合える時間を提供したいという想いです」

個々の意見を尊重するオンライン研修で、新入社員と向き合った60日

新型コロナウイルスの影響は深刻化し、当初4月末までの想定で組んでいたオンライン研修の期間は6月上旬まで伸びることに。

──研修計画は白紙。

4月末、笠井と市原に突きつけられた現実だった。

笠井 「ある程度の想定はしてはいたものの、4月3週目で6月上旬までの研修延長が決まったときは、血の気が引きました。

たとえば外部の方を呼んでコンテンツをかき集めるだけなら、容易に対応できたと思います。けれど、新入社員に一貫したメッセージを伝え続けることに重きを置いて、その上で何が効果的な学びとなるのかを考えて提供したかった。あえていばらの道を行くようでしたが、そこは何がなんでもこだわりたかったんです」

市原 「具体的な施策として、これまでの多くのインプット内容を応用してアウトプットさせるグループワークや、配属後も活用できるようなスキル系研修も行いました。

とくに意識したことは、自分のありたい姿やそのための具体的な行動目標に自然にたどり着けるような研修の流れを構築したことです。自然なコミュニケーションが生まれるようにオンラインランチなどの企画も立てましたね」

積極的なアウトプットを促す研修内容や企画、そしてふたりの想いは、やがて参加する新入社員の意識や行動を変容させていった。

笠井 「600名がアウトプットしてくれる日報を毎日読んでいましたが、やはり初めはオンラインへの不安がぬぐえなかったようです。しかし、自分の意見を600名の前で発表する機会を重ねるうち、意識が変わっていったようです。

勇気を振り絞ってアイデアや意見を伝えてくれましたし、逆に手を挙げられなかったことを悔しく感じる、といったコメントも数多く見受けられるようになりました」

そして、迎えた研修最終日、そこまでの研修の日々を紡いできた笠井と市原に思わぬプレゼントが届く。

笠井 「新入社員600名から私たちへ、サプライズムービーが贈られました。新入社員が主体的に企画し、研修の裏で準備してくれていたそうです。私たちふたりのみならず、関係者全員に対するお礼のメッセージだったことがとても嬉しかったです。

私たちが想定外の環境で踏ん張っていること、その向こう側で、さまざまな関係者の協力があって研修が成り立っていることを、感じ取ってくれていたんですね」

市原 「例年より早い6月8日、新入社員は無事にそれぞれの配属先に向かいました。その報告を受けたとき、ようやく安心できました。この60日はこれまでのキャリアの中でも類をみない怒涛の日々の連続でした。

日々プレッシャーはありましたが、できるだけ個々の新入社員に寄り添うことを意識して、ふたりで議論を重ねながら自己満足で終わらない研修内容を考え続けたことが成功につながったと思います」

新しい研修から巣立った社員たちは、やがてHondaの未来をつくる

準備期間の少ない中、あらゆる試行錯誤を重ねて実現したオンライン研修。

例年のように製作所や販売店での実習はできなかったものの、新入社員が得た新たな実りもある。

市原 「2020年の研修参加者は、自分で考える癖をつけられたと思います。従来の研修では現場に任せるところも多く、私たちの意志を反映する部分は一部だったのですが、今回の研修では2カ月間新入社員に付きっきりでした。そのおかげで、当初設定したゴールからブレない研修がつくれたと感じています。

オンライン研修で大切なのは、本人たちに寄り添うことです。600名を相手に一人ひとりのケアまではできませんが、それでもしっかりとお互い信頼関係を構築していく手ごたえがありました」

笠井 「今回の研修を一任されたことは、自身のキャリアの中でも非常に貴重な経験となりました。未知への取り組みであるにもかかわらず、可能性を信じ続けてくれた周囲の方々がいたからこそ、大きなチャレンジができたのだと思います。私はボトムアップ型のカルチャーに惹かれてHondaに転職しましたが、今回、個々の意見を尊重する研修を実現できたことは、そのカルチャーをいっそう育てていくための礎になったと思います。

時代が激変している今、キャリアの長短を問わず、私たちビジネスパーソンも変化していかなければなりません。お互い学び、気づき合える人材の集団であれるように、これからも人材育成や企業の在り方を模索していきます」

市原 「Hondaの新入社員研修のコンセプトは、前例の通用しない世界で活躍できる人材を育成することです。そして、自分の意見を持って行動できる人材は、どんな世界でも活躍の幅を広げていくでしょう。私たちはそうした力を養える研修とは何かを考え、これからも新入社員に向き合っていきたいです」

Hondaの新入社員研修は、長い歴史の中で守られてきた型を破り、大きな転機を迎えている。

この研修での学びはやがて、Hondaのエネルギーとなり、Hondaそのものを変えていく。

笠井と市原はその将来を見据え、新入社員たちの“今”と“未来”を紡いでいる。

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