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Me and Honda, Career Hondaの人=原動力を伝える Me and Honda, Career Hondaの人=原動力を伝える

[特別対談] 元Honda社員と語るHondaのフィロソフィー

元Honda社員であり、現在はビジネスSNSを運営するウォンテッドリー(株)の執行役員として活躍する兼平 敏嗣さん。退職後にHondaのフィロソフィーやカルチャーはどのような影響を与えているのか。また兼平さんの目には現在のHondaはどう映っているのか。人事部 人材開発課の大野 慎一が伺いました。

兼平 敏嗣Toshitsugu Kanehira

ウォンテッドリー株式会社 執行役員 コーポレート担当

大学時代にメーカーの経営戦略を研究していたこと、また従来、車好きだったこともあり2008年にHondaに入社。経理財務、経営企画を経験。みずほ銀行とソフトバンクが設立したJ.Scoreを経て、2019年に、ウォンテッドリーに入社。現在は執行役員として、経理財務、法務、広報、人事など、バックオフィス業務全般のマネジメントを担う。

大野 慎一Shinichi Ohno

人事部 人材開発課

1998年京セラ㈱に入社し人事領域での経験を経て、2003年Hondaに中途入社。鈴鹿製作所、労政企画部での全社の人事労務企画を経て、2014年~2017年Honda of Canada Manufacturingに駐在。帰国後、現職にて人リソースの最大化に向けて採用から育成まで一貫した人事戦略全般をリードする。

チャレンジングな思考を育んだHonda時代

大野 慎一(以下、大野) 「私自身が京セラから転職してきた人間ですが、内外両方を知る先輩として、今日は改めて外から見たHondaという企業やHondaフィロソフィーについてお話を伺いたいと思います。まず兼平さんのHonda在籍時代について教えてください」

兼平 敏嗣(以下、兼平) 「新卒入社してすぐは、地域事業企画部という部署で、主に予算管理や中長期計画の策定を担当しました。仕事の内容は経理ですが営業分科会に所属していたので、営業面を理解しながら計画をつくる役割でした。4年間そこでキャリアを積んでからHonda Cars福岡に出向しました。

そこでは決算を締めるといった財務会計がメインでしたが、地域事業企画部でも行っていた予算策定や、プロジェクトとして進んでいた経理システムの入れ替えにも携わりました。出向の前後で、東日本大震災や熊本地震があったので、経理部門として災害対応に関わることも多かったですね」

大野「Honda退職の経緯についても教えてください」

兼平「Honda Cars福岡へ2年間出向した後、地域事業企画部に戻り、連結決算や内部統制、内部監査の仕事などに携わっていたのですが、その頃から次第に仕事上でのインプットよりアウトプットの方が多くなっていました。新しいチャレンジが減ってきたと感じたのをきっかけに、外に出て自分の力を試してみたくなったんです」

大野「最初、金融関連の企業を経験されてから、現在のウォンテッドリーに入社されたのですね」

兼平「最初の転職は、設立間もない会社で色々なことにチャレンジしてみたいと思い、みずほ銀行とソフトバンクが立ち上げたJ.Scoreという会社にご縁がありました。そこでは経理財務部と経営企画部を兼任するような形で、立ち上げから規模が大きくなっていく過程を経験しました。ただ金融事業は制約も多かったので、自分なりに一通りのことができたと思ったタイミングで、もう少し自由度の高い環境を探しました。そのとき出会ったのがウォンテッドリーです」

大野「お話のなかにチャレンジという言葉が出てきたのですが、元々兼平さんはチャレンジングな性格だったのですか?」

兼平「元々持っていたものではないと思います。割と保守的な人間だと自己分析しているので。ただHondaでは“2階に上げて梯子を外して火をつける”みたいなことをよく言うじゃないですか(笑)。Hondaでの経験はまさにそんな感じで、当時は本当に色んなことを任せてもらえ、かつ成果を出させてもらったことが、すごく自信につながりましたし、その経験が自分の背中を押す力になったと思います」

成果を振り返えれば
そこにHondaフィロソフィーがあった

大野「思考でいえば、その土台となるHondaフィロソフィーがあると思うのですが、兼平さんご自身は影響を受けているとお考えでしょうか?」

兼平「Honda時代も含めて、今でも影響は大きいと思いますね。現在も研修等は実施されているんですよね」

大野「Hondaフィロソフィーについては、現在も節目節目で研修を行っています。ただ、一方通行の研修ではうまく伝わっていないのではと思い、2020年から新入社員研修を大幅に変更したんです。インプットはするもののアウトプットの比重を増やし、自分に何ができて何をやるべきかについて、徹底的に考えさせる内容に変更しました。兼平さんの時代はどうでしたか?」

兼平「言葉は悪いのですが、私達の時代は毎回同じビデオが流れていたので、研修では、言葉は覚えても本質を理解できていませんでした。ただ、現場で出会う人には恵まれていたと思うんです。社内の議論の中でも『それってフィロソフィーにのっとっているんだっけ?』という会話はよく耳にしましたし、上司や先輩がHondaフィロソフィーにのっとった意思決定をしていたり、そこから外れた行動を諌めたりする瞬間もありました。それを日頃から感じられる環境にいられたことは大きいと思います」

大野「具体的なエピソードで、印象に残っていることはありますか?」

兼平 「例えば熊本地震のとき、稟議書などで現地支援の後処理をすることが多かったのですが、当時の支援チームの責任者は、場合によって責任は自分が負うというスタンスで、手続きを後回しにしてでも現地を優先する意思決定をしていました。作法重視にならず、実態重視で考えられるところにHondaフィロソフィーが生きていると感じましたし、自分にとっても貴重な経験でした。
また具体的な例えではないのですが、何かを自分でやりきったと思ったとき、振り返るとフィロソフィーに立脚して行動できた結果なのではと思えるシーンは、何度もあった記憶があります」

大野「Hondaフィロソフィーは確かに今もHondaに根付いていて、おっしゃるように判断基準になっていると思うんです。ただ兼平さんがおっしゃった、立ち返る、振り返る意識を持てているかというと少し疑問です。

仕事のスピードが格段に上がっている今は、それに追いつくことを優先してしまい、本当に自分のやりたいことができたのか、自分のために働けたのかを振り返ることが希薄になっている。本来なら、両立させないといけないと思うんです。
今はその大事な部分を、マネジメントも含めて育成過程で、もう一度見直そうと考えています。」

カルチャーやフィロソフィーの浸透が、
ルールだけに縛られない柔軟な組織を可能にする

大野「Hondaフィロソフィーの話と重なる部分もあるかと思いますが、退職されてから、外部からHondaという企業、組織をどのように見られていますか」

兼平「今でも率直に、良い会社だと思っています。Hondaフィロソフィーそのものの素晴らしさとそれが浸透していること、またそれに立脚したビジネスが運用されていることは、中にいるとわかりづらいんです。外に出てその価値の大きさに改めて気づき、それを日々、自然に体現できている会社のすごさを実感しました」

大野「J.Scoreやウォンテッドリーといった、立ち上げや初期フェーズの会社と比較するといかがでしょうか」

兼平「そうですね。やはりHondaには歴史を感じますし、Hondaフィロソフィーを皆が本気で守るというか、脈々と受け継がれていると感じます。ウォンテッドリーはカルチャーが強いという点では、Hondaに近いところがあって、どちらかといえば私自身は、カルチャーの強い会社の方が働いていて心地良いですね。個人の成長には、カルチャーの力も大きいと思います」

大野「心地良いという言葉がありましたが、カルチャーが根付いていることは、どうして働きやすさや成長につながるとお考えですか」

兼平「カルチャーが浸透している状態は、皆が同じ方向を向いている状態だと思うんです。意見の違いがあっても基本的に向いている方向が一緒なので、議論もお互いを批判し合うのではなく、高め合う方向に働く。だから働きやすく、成長につながるのだと思います」

大野「現在のウォンテッドリーでは執行役員として、カルチャーをつくり上げるところも担っていらっしゃるかと思いますが、Hondaでの経験が生きたと感じられたことはありますか?」

兼平 「ウォンテッドリーも創業から作られてきた強烈なカルチャーがあり、私自身もそれを当社の魅力だと思っています。担当がバックオフィスなので、ルールを作ることも多いのですが、カルチャーが魅力的だからこそ、それを弱めてしまうようなルールは設定したくないと思っています。
現在ウォンテッドリーはどんどんルールが増えるフェーズなので、カルチャーに影響を与えそうな社内の規制は、単純にルールを増やすのではなく、知恵と工夫で解決してカルチャーを守るように考える。こうしたところにHondaでの経験が生きていると思いますね」

大野「ルールに頼ることで柔軟性をなくしてしまうのではなく、カルチャーに立脚した考え方を浸透させることで、柔軟性を担保しながら、業務を上手くコントロールするということですね。反対に、そのカルチャーが失われそうになるのはどんな時でしょう?」

兼平「ウォンテッドリーには、Hondaの基本理念と運営方針をあわせたような“THE WANTEDLY VALUES”という6つの指針があり、それがカルチャーを支える大きな柱にあたります。例えば“Move Fast”という指針は、スタートアップで大きな武器となるスピードを担保するものですが、単にルールを増やせば、手続きが増え、間違いなくスピードは落ちてしまいます。“Move Fast”に立脚して考えれば、自ずと複雑なルールはつくらないでしょう。Hondaにもそうした考え方がありますよね」

大野「当社の“A00”の考え方などは、それに似ていますね。何か困ったことがあれば、必ず本質的な目標やありたい姿に立ち返って考える。フィロソフィーもそうですが、これらの指針に立ち返る行動が、習慣化されることが大切なのでしょうね」

兼平「“A00”は、弊社でも同じような考え方があります。“WHY、HOW、WHAT”というものですが、なぜそれをやるのかは、まさに“A00”と同じ考え方です。大野さんがおっしゃるように、弊社もそこに常に立ち返るよう習慣づけられているので、本質がブレにくいのだと思っています。みんなが等しくその感覚を持つことは非常に大事ですね」

変化の激しい時代のなかで、
自分なりの価値観を見据えキャリア紡ぐ

大野「兼平さんは現在、人のキャリアに関わるビジネスをされていると思いますが、これからの時代はどのようにキャリアを歩むべきだとお考えでしょう」

兼平 「コロナ禍の影響も含めて、大きな環境変化が起きている時代であり、キャリア形成においてもこの変化のスピードはさらに早まっていくと思います。まずはその変化に、企業も個人も対応しなければならないと感じています。
またこれまでは、大企業にいれば自分のキャリア形成や人生設計を、ある意味企業に任せられる環境がありましたが、主体的に自分のキャリアを作る自立する時代になると思います」

大野「変化に対応し、自立するために必要な要素は何でしょう」

兼平「自分なりの価値観をしっかり持つことが重要だと思います。やりがいだったり、キャリア形成だったり、自分が大切にするものを1つ芯に据え、それに沿うよう自分の人生を作っていく。その意識がなければ流されるだけで、満足できる結果は得られない。そんな時代になってきていると思います」

大野「自分なりの価値観といっても、すぐにできるものではないのでしょうね。それを形作るうえで、何かアドバイスをいただけないでしょうか」

兼平「やはり原体験みたいなものを大事にする、それを都度立ち止まって考える行為がすごく大事なのではないかと思います。私もいくつか原体験があり、それを思い返し、深く考えたときに、なりたい自分やキャリアに辿りついたと思うんです。ただし仕事を適当こなしていたらそれは訪れないので、まずは全力で仕事に打ち込み、そのうえでしっかりと立ち止まって考えることが大事だと思います」

大野「兼平さんは、例えばどんなことが原体験となっているのでしょう」

兼平 「Hondaフィロソフィーの“人間尊重”に繋がる話ですが、Honda Cars福岡で経理システムの入れ替えをしていたときのことです。チームにすごく負荷がかり、数名のスタッフから、ついていけませんといわれたことがあります。当時、人間尊重ができていなかった私は、最悪は別の人を雇えば良いぐらいに考えていましたが、社長から『お前は何を考えているんだ!』と激怒されたことがあります。
『ただシステムを入れ替えるだけでいいのか?実際の運用まで考えなきゃいけないんじゃないか。そしてそれを運用していくのは現場のスタッフなんだぞ』と。そこで自分が人を軽視してしまっていたと気づき、目が覚めました。それからは、組織をつくるときも、管理フローをつくるときも、いかに人を生かすためのものをつくり上げるかを考えるようになったんです。人を中心に考えるこの価値観は、いまでも大切にしています」

大野「兼平さんのように、原体験が明確にあって、それを語れることが、価値観の形成においてすごく大事なんですね。Hondaでいえば“私の記録”が、その役割を果たすと思いますが、現状、記録はできていても誰かに発表するところまではできていません。経験やそのとき得た考えなどを、ぶつけ合う機会もつくっていきたいですね」

Hondaに対する期待値は、
自分たちが感じるよりも大きなもの

大野「最後にHondaの先輩である兼平さんから、Hondaのアソシエイトにむけて、メッセージをいただけますか」

兼平「これは退職して感じたのですが、Hondaに対する期待値は、中で見えるよりも一回りぐらい大きいと思います。ステークホルダーも自分が考えているよりもずっと幅広い。自分自身、内を向いてしまうシーンが多々あったので、もっと外を意識してほしいし、そうした機会をつくっていってほしいですね。

大野 「外との接点という意味でも、兼平さんのような方とお話しさせていただくのははすごく貴重な機会でした。
『我々は本当にHondaらしさを保てているか』とか、『外にも発信できているか』といったことを改めて考える機会になりました。
最近は人事部門でも、どんどんメディアに出て行くことを心がけているので、他の部門含めて実践していきたいですね。このMe&Honda,Careerのオウンドメディアもその一助になればと思っています」

兼平「自分たちが思っている以上に、自信を持っていただいて大丈夫ではないでしょうか。私Hondaのことは今でも応援しています」

大野「ありがとうございます。エールを返す訳ではないですが、兼平さんのようにHondaでベース作ってから、他社で活躍される方が増えるとわれわれとしても有難いです」

兼平「プレッシャーですね(笑)」

大野「いえいえ、ますますのご活躍を期待しています。今日は、本当にありがとうございました」

▼企業理念:Hondaフィロソフィー
https://www.honda.co.jp/guide/philosophy/

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