Me and Honda, Career Hondaの人=原動力を伝える Me and Honda, Career Hondaの人=原動力を伝える

Me and Honda, Career Hondaの人=原動力を伝える

Hondaと研究所の未来に向けて、動き出す。新たな部署で作る戦略とそれぞれの想い

本田技術研究所 統括機能センター企画室戦略ブロックでは、本田技術研究所全体の戦略を考え、新たな未来に向けて動きはじめています。エンジニアやデザイナーとして、仕事に夢中で取り組みながらキャリアを積み重ねてきた同い年の加藤、石田、木村が、現在の研究所の課題感や目指す姿、仕事に取り組む原動力について語ります。自身の経験を振り返る3人の言葉からは、研究所で共に働く仲間たちへの想いも垣間見えました――。

加藤 龍太郎Ryutaro Kato

本田技術研究所 統括機能センター企画室戦略ブロック

学生時代から磁石の研究を行い、2004年にHondaへ新卒入社してからもHVやEVに使われる磁性材料の研究等に携わる。2018年から2年間は日立Astemo電動機システムズ(旧:日立オートモティブ電動機システムズ)に出向し、2021年6月から現在の所属となる。

石田 憲行Noriyuki Ishida

本田技術研究所 統括機能センター企画室戦略ブロック

学生時代に工業デザインを学び、1999年にHondaへ新卒入社してから用品、二輪、四輪のデザイン室で多種多様なプロジェクトにおける、スタイリング・CMF*・コンセプトデザイン等を担当。2021年4月から現在の所属となる。

*COLOR(色)MATERIAL(素材)FINISH(加工方法)のデザインを指す

木村 宗和Munekazu Kimura

本田技術研究所 統括機能センター企画室戦略ブロック

2002年にHondaへ新卒入社し、エンジン排気ガス浄化部品やエンジンの開発に携わる。その後4代目FITのエンジンPL(プロジェクトリーダー)を経験したのち、2021年9月から現在の所属となる。

2021年誕生の部署における、研究所の革新に向けた全体戦略の策定と体制の構築

Hondaは長年受け継がれてきた伝統を守るだけでなく、常に将来を見据えて改革を行っています。必要であれば新しい部署が生まれることもあり、本田技術研究所で2021年4月に新設された企画室戦略ブロックもそのひとつです。

石田、加藤、木村の3名は、ゼロからの部署立ち上げに奮闘していました。

石田

「研究所の向かうべき将来の方向性を定めて、各研究所やセンターを横断した課題を解決することで研究者の創造を後押しし、新たな価値創出に貢献することが私たちの役割だと考えています。

研究所全体の方向性を定める『全体戦略』を立てるためには、研究所の中で、どのような研究が行われているのかを全て把握しなければなりません。そのため、部署の発足時には各センターがどのような研究テーマにどれだけのリソースを割いているのかヒアリングし、現状把握をすることが求められました」

加藤

「立ち上げのタイミングでは、研究所の中でどのような研究が行われているか整理されていない部分も多く、把握することが難しい状況でした。それを一覧にしてくれたのが石田で、把握した内容をグルーピングし、責任者の方に今後どのようなリソースが必要か聞いて回りました」

石田

「2021年6月頃からは各センターの戦略に携わるメンバーやリソース管理を担当してきたメンバーも加わり、研究所の全体戦略策定に向けた課題やそれを解決する方法の議論をはじめました。2022年3月まで討議を重ね、2年目となる4月からはその一部に対策を講じるためのプロジェクトにも着手しています」

加藤

「部署を立ち上げてからの1年で、それぞれの部門にいるキーパーソンとの強いコネクションができました。その人たちと一緒に仕事を進める流れや体制を少しずつ構築してきたので、いよいよ問題解決のために動きはじめることができました」

1年かけて課題を抽出し、重点となる領域を定めた戦略ブロックのメンバーたちは、足りないピースを埋めるための課題を解決するという次のステップに歩みを進めています。そのうちのひとつとしてあげられるのが、リソースの配分を含めた事業化に向けた課題解決への取り組みです。

加藤

「既存事業である四輪や二輪がこの先ずっと安泰とは限らないので、新しい事業を生み出す必要があると考えています。実はHondaは、新事業を生み出すことが得意とは言えません。技術の研究は得意な一方、それをどう事業化するかという部分に長けた人は少ないんです。

僕もこれまで研究してきて、どうやって事業にするんだと問われて困った経験があり、何とかしなければいけないという想いを持っていました。優先順位の高い課題と捉えています」

木村

「これまではロボットや宇宙といった部署やドメインごとに、『こうやって技術進化してこのように世の中に出していければいい』というそれぞれのビジョンを持っていたからこそ、研究自体はそれなりのスピードで進められてきました。これからはスピードだけでなく、世の中に価値を提供していくタイミングも考えてリソースを配分する必要があるため、研究所としての事業化戦略が重要になってきます」

加藤

「戦略ブロックとして、俯瞰的な視点から研究所内の流れを整えて、適切なタイミングで技術をアウトプットし事業化に向けた課題を解決することの重要性を感じています」

石田

「世の中から必要とされるベストなタイミングで、僕たちはプロダクトやサービスを出せる状態にしておかないといけない。求められたら、Hondaが1番早く提供しないといけない。それもHondaのレーシングスピリットと昔から言われおり、研究の大きな目的であると考えています。

これからはさらなるスピードアップを図るため、研究所として目指す、ありたき姿を定め、しっかりとベクトルを合わせていく必要が今まで以上にあると思っています」

ボトムアップの強みをこれからも守っていくためにも、必要なのは適切な戦略

現場発で研究を進めて商品化につながっていくボトムアップの風土が、Hondaのいいところです。それをより強化するために必要な戦略を整えていくのも自分たちの役割であるとメンバーは考えています。

加藤

「僕は現場の研究者としてずっと働いてきて、皆が手を挙げてやり始めたことが商品につながっていくのを何度も見てきました。個人としても、自分で提案して進められる仕事が多く、それが自動車という製品として世の中に出ていくことに喜びを感じていたんです。

でも、新たな事業を作るとなると、自分達は何に向かって技術開発すればいいのか悩んでしまうこともありました。既存事業にとどまらない幅広い研究について、戦略を整えて、エンジニアが迷いなく研究に没頭できるようにしていきたいです」

石田

「現代の多様なニーズに応えていくためには、研究の幅を広げる必要があると考えています。ただし、闇雲に広げて良いとは思っていなく、集中と選択もまた必要で、未来に向かってどのような社会を創造したいかを描く必要があります。その世界観に対して皆が共感できる状態を作り上げられるよう研究所全体の戦略を策定しています」

進化・笑顔・恩返し。原動力となるものを抱え奮闘する3名

研究所全体の方向性を定める「全体戦略」策定という根気が必要な業務を進めている3名ですが、それぞれ原動力となるものを持ちながら日々意欲的に仕事に励んでいます。

木村

「『進化こそ、今を生きる者の使命』という言葉があり、それを座右の銘としています。どの業務に取り組むかということではなく、何をやるにしても進化し続けなければおもしろくないというのは根底にあるんです。だからこそ、戦略を立てるのが難しくても、進化している喜びを感じられるのであればいいと思いますね」

石田

「木村や加藤をはじめとする身近なメンバーが笑顔になることが、今の僕の1番のモチベーションです(笑)。

二輪用品のデザイナーだったころ、市場調査で北米のバイクショーに行く機会があり、そこで自分が初めてデザインしたプロダクトを笑顔で磨いているお客様に出会いました。
それがすごく印象的で、ヒトを笑顔にする仕事の喜びを知りました。この経験は今の考え方につながっていて、時に大変な思いをして戦略を作っていますが、それにより研究者達が今まで以上にハッピーな気持ちで研究を行い、最終的により良いHondaの製品やサービスでお客様が笑顔になれる源流を築いていると思うと、幸せだなと思います」

加藤

「僕は、新しいことを知ったり、難しいことに挑戦したりすることが好きです。Hondaに入社して、苦しいことや辛いこともありましたが、苦労も含めて研究開発を楽しむことができていました。今はHondaが大きく変わろうとしている時期で、今まで通りのやり方が通用しないことも増えてきたので、課題解決によってHondaで研究に携わる人たちが今以上に楽しめるように役に立ちたいという恩返しの気持ちもあるんです」

研究がお客様の喜びにつながる経験を、皆にしてほしい

これまで議論を重ねてきた戦略ブロックの3名は、今後どのようなHondaや研究所を作っていきたいかという共通のビジョンを持ちながら日々前進しています。

加藤

「Hondaには、ボトムアップで事業につながる技術がどんどん出てくる会社になってほしいと思うんです。あとは、Hondaの研究所にくることで自分の成長を実感でき、研究者として一人前になれるように少しでも力になれたらいいなと思います」

木村

「僕は四輪のエンジン排気ガス浄化部品の材料研究からHonda人生がはじまったんですが、材料研究から部品開発を経験し、最終的にはお客様に直接使用いただく車両を開発させてもらいました。研究は研究でおもしろかったんですが、お客様から『Hondaのクルマを買ってよかった』と言っていただいたのがすごく嬉しかったんです。今のところ、それを上回る仕事はまだありません。

だから、皆にそういう経験をしてもらいたいと思います。商品やサービスを提供するところまで何としてでも持っていくんだという想いを、皆に持っていてほしいですね」

加藤

「僕もどうして研究が楽しかったのか考えてみると、それがお客様のためになったり世の中にインパクトを与えることにつながったりしていたからなんですよね。ただひたすら研究するのが楽しかったわけではなく、タイミングよく世の中に出せたのが嬉しかった。

研究して最終的にモノとなる経験をしてもらいながら、お客様のニーズに合う商品を世の中に出していくことを皆が意識してほしいと思います」

石田

「加えて、自分たちだけではなく、世界中の技術者や協業するパートナー達にも『Hondaと一緒にクリエーションしたい』と共感していただけるような風土を形成していきたいですね」

描く未来に向けてはまだまだ多くの仲間が必要です。

木村

「Hondaが好きで、今よりもよくしたいと思っている人がその想いを実現させるために集まってくれると嬉しいですね。経験や思考が異なる人が集まって自分だけでは気づけないところに目が向く可能性もあるので、歩んできたルートは幅広くていいと思っています。研究所をよくしたいという強い意志を持っている人が今も集まっているので、これからも多様な方と一緒にチャレンジしていきたいですね」

自分たちがHondaで経験してきたことを糧にしながら、新たな価値の創出に貢献すべく、研究者の背中を押すために奮闘するメンバーたち。

動きはじめた戦略ブロックの挑戦は続きます。

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