1996年11月発表 2001年終了モデル
この情報は2001年現在のものです。

 





 

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エンジン開発担当:沖田忠之/岸 勉

エンジン性能を最大限引き出すために、さまざまな取り組みをしていますが、そのひとつに、ヘッドポート内部の仕上げをハンド研磨によって行っているということがあります。ヘッドポートというのは、エンジン燃焼室内の上部のことです。
その部分を機械による研磨ではなく、人間の手でひとつひとつ磨いて形状を整えてゆく。そんな手間のかかる行程を選んだ理由は、単純。その方が、エンジン全体のクオリティを向上できるからです。燃焼室の完成度が高ければ、数値には表れない領域で、スムーズさや俊敏さに影響を与えることになるのです。
でも、これは技術者のこだわりなくしては、実現できないことでもあります。ハンド研磨は、生産効率は決して良くないからです。また、実際に研磨する人の技術力によっても、仕上がりに差が出る可能性もあり、リスクも高いわけです。


ハンド研摩された
ヘッドポート

私達はしかし、それをどうしてもやり遂げたかった。効率を優先すべきなのは、十分わかっています。でも性能を向上させ、価値あるエンジンに仕上げる方が大事だと考えているのです。まさに、「エンジン屋」Hondaのこだわりと言えるかもしれませんね。
なお、プレリュードを生産している工場では、ハンド研磨専門の技術者があたっています。その人は、現場にプレリュードのカタログを持ち込み、壁に貼って眺めながら、仕事に取り組んでいます。あるとき、その人は自ら磨いたパーツがこのクルマの一部なんだ、と自慢気に語っていたのを覚えています。それは開発した私もいわば、同じ気持ちです。このエンジンには、こだわりと情熱がいっぱい詰まっているのですから。

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