ATモデルは、ステアリングを握る手元のレバーでマニュアル感覚のシフトを楽しめ る、Fマチックの制御にも進化がもたらされている。減速シフトダウンを行う際、瞬間的 にスロットルを開け、回転をあわせることで過大なエンジンブレーキをかけずにスムーズ なシフトダウンを実現するものである。

'95年にNSXが採用した先進の電子制御スロットル、DBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)を ご記憶だろうか。新たなシフトダウン制御は、電気信号によって自在にスロットル開度を コントロールできるDBWがあったからこそ実現できた技術である。

走行時の車速から、シフトダウン終了時のエンジン回転数を予測し、コンピュータからの 信号で瞬時にスロットル開度を電子制御する繊細なコントロール。とてもアクセルワイヤ でスロットルを動かすクルマでは実現できない、スピーディかつ正確な制御である。これ によってATモデルの減速シフトダウンが大幅にスムーズとなり、より積極的にスポーツ ドライビングを楽しむことができるようになった。

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NSX Press vol.19は1997年3月発行です。