タイプSのテストが待ちきれず、BBSの主任エンジニアである旧知のY氏に開発過程を聞いてみることにした。
「いやァ、本当に参りましたよ」。大抵のことには音をあげることのないY氏が開口一番そう言うのだから、これはもう、とても大変だったに違いない。
話が進むうちに、それは案の定、BBSの身上である精度や剛性、あるいは軽量に関してではないことがわかった。スーパースポーツであるNSXのホイールとして本来要求される性能では、より扁平なタイヤと大径化したブレーキに対応するサイズでも、最初から難なくクリアしたというのだ。では、何が…?
それは意外にも、ホイールの対衝撃試験であったという。ドイツでも常に過酷な強度試験でトップの成績を収めていると聞くBBSがなぜ…?
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