汗を流して、乾いたノドをビールで潤し歓談。
午後3時から6時半まで、たっぷり3時間半をかけた実技が終わるとお楽しみのパーティー。その前にホテルにチェックインし、シャワーを浴びる時間がきちんととってある。7時45分、鈴鹿名物の中華料理店に集合。黒澤講師の音頭で、乾杯。乾いたノドにビールを流し込む。食事を進めながら、恒例の1分間スピーチ。テーマは自由。自己紹介とNSX購入の動機やレッスンの感想などが思い思いに述べられる。ミーティングは、10〜20人で行われるためとてもアットホームな雰囲気。みんな気さくに話しはじめた。主にスキッドパッドで思い通りにクルマを扱えなかったことに対する驚きが多かった。「ゆっくり走っているのに限界状態にあるNSXをコントロールできなかった。ドライビングとは奥深いものと思い知らされた」と、目からウロコ状態の意見が多かった。こうした意見は明日、さらに多くなるのであとでまとめて紹介したい。そしてもちろん、NSX開発者の尾崎LPLも参加者からスピーチを迫られた。NSXは今も進化をめざして開発活動を続けているといった建て前以外に、ミーティングに参加したNSXファンの方々だけに特別の情報が紹介された。誌面ではお伝えできないので、ぜひミーティングに参加して情報をキャッチすべし!

感動の鈴鹿サーキット体験ドライブ。
講師陣は、この時間が一番緊張する。世界のF-1ドライバーでさえ手こずるテクニカルサーキットを、まったくの初心者が走るからだ。過去67回開催したベーシック・コースでもこの時間にコースアウトしてタイヤバリアとキッスするクルマが多かったという。
なかでも可能性の高いポイントは、逆バンクとスプーンの奥。逆バンクは、それまでのコーナーと違い傾斜が少なく、進入すると平らに見えるため、心理的な恐怖心からアクセルをゆるめてしまいタックインするケース。スプーンの奥は、手前よりかなりRが小さく、思った以上の下りコーナー。フロントに荷重がかかった状態で、ハンドルをこじったり強いブレーキをかけるとリアがブレークしてしまう。ジャン・アレジもここでスピンアウトしている。
こういう調子で無理をしないようにレクチャーを受け、先導車に従いフルコース5周を2セット。自由な走行はできないが、ストレートエンドや130Rの進入で時速180キロにはなる。充分にサーキットドライブの醍醐味を味わえるだろう。ちなみに今回はコースアウト車はなく、無事終了した。

南サーキット、これぞスポーツドライブ。
フルコース走行のあとは、南コースという、カートやバイク走行に使われる小さなサーキットで2時間たっぷり走りを楽しむ。エスケープゾーンも広くスピンしても大事に至りにくいため、思いっきりこれまでのレッスンで得たことを経験として楽しみ覚える時間だ。1周約1.2km。NSXならほとんどが2速。ストレートで一瞬3速に入る。ATなら2速ホールド。だから、ブレーキングとアクセル・ステアリングワークでほぼ全てのコーナーを抜けられる。レッスン中、黒澤講師の横に乗る貴重な機会をもらえる。1周目は理想的なドライブ、2周目はオーバースピードや不適切な操作をするとこういう風に姿勢が乱れ、それをこう修正するといい…と、落ちついて話しながら周回。まさに、走る教室。黒澤講師の激しい走りに感動しながら、「まさにおっしゃる通りです」と叫んでしまうこと請け合い。同時に、NSXはこんな走りができるんだと感激してしまう。気温が高い中、1時間以上にわたる激しい走行でも、わずかに水温が上がるだけでまったく平静を保つNSXのパフォーマンスにも全員が驚いていた。
これで、すべての実技が終了。汗をかき、みんな満足感に顔をほてらせながら昼食。満面の笑顔で修了証を受け取った。


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