まず、NSXオーナーズ・ミーティングとは。
NSXオーナーであれば、誰でも参加できるドライビングイベント。ホンダの主催で、鈴鹿サーキットを中心に、九州、エビス、筑波サーキットなどでも開催される。2日コースの場合、コース料、講習料のほかに宿泊費、1日目の昼・夕食、2日目の朝・昼食代が含まれる。1日コースの場合は、コース料、講習料、昼食代がインクルーズ。初参加者対象のベーシック・コースの他に、アドバンスドコース/ドライビング・アカデミー/スポーツドライビング/GPコースドライビングスクールなどステップアップでき、参加費用はそれぞれに設定されている。また、一定の金額で同伴見学者の参加も可能(費用等くわしくはベルノ店へ)。講師は、非常に明るく元気いっぱいの鈴鹿交通教育センターの方々と、コースによって黒澤元治氏と清水和夫氏が特別講師として参加する。今回レポートするのは、ベーシックの2日コース。ベーシックといっても、鈴鹿のフルコース走行あり、南コース走行あり、スキッドパッド走行ありと充実した内容で、繰り返し参加する人も多い人気のコースである。

10時集合、ためになるレクチャーを聞く。
鈴鹿で開かれたベーシック・コース。オーナーの方々は午前10時に集まり、オリエンテーションのあと、まずは美味なるイタリア料理で腹ごしらえ。はやる気持ちをおさえ、明日午後2時までのカリキュラムを元気に楽しめるよう、体にエネルギーを蓄えていただく。昼食後、NSX誕生のコンセプトやメンテナンスに関する注意、ドライビングとクルマの特性などをNSX開発者の一人、尾崎LPLが語った。参加者から、次のNSXはいつ?などの質問も出たが、答えは夜のパーティーまで持ち越しとなった。そして、黒澤特別講師のドライビング基礎講座。これがためになる。クルマが曲るとき、どんな力が働くか、それはどういう操作で乱れやすいか、その理由は…。また、何を頼りにドライビングをするのかなど、これからスポーツドライビングを行う糧となる内容。キーワードは「タイヤとの対話」。ぜひ、参加して聞いていただきたい。ただ、くれぐれも「速く走る秘訣を教えてください」などと聞かない方がいい。「レーシングドライバーは特別なことはやっていない。ペダルとステアリングをみんなと同じように操作しているだけで、秘訣などなく、練習あるのみ!」と、叱咤される。しかし、「必死に練習すれば、誰でもフォーミュラレースで後ろの方を走れるぐらいにはなる」と勇気づけてくれた。

実技、1日目。腕慣らし、足慣らし。
レクチャーが終わるとさっそく実技。といっても、あわただしくないのがこのミーティングの良さ。あくせくするレッスンではなく、オーナーの方々にゆったりとNSXを楽しんでもらうのがこのミーティングの主旨。
1日目の実技は、ドライビングポジションを講師が確認したあと、まずウェット直線路でパイロンスラローム、時速80キロからのフル制動で腕と足を慣らす。そして、微妙なアクセルワークが必要なスキッドパッドコントロールを経て、グランドスタンド前の直線を利用して高速制動などを行う。路面がドライなら時速180キロ、つまりスピードリミットからフルブレーキする。広い場所だから安心だし、NSXのABSの確かな効きを体感できる。全員、無事にクリア。180キロでも思ったほど恐くない…というか安心して踏める。ちなみに、80キロウェットで35m前後、180キロドライで120mぐらいの制動距離。高速道路の制限速度からのウェットブレーキで、以外に短く止まれるというのがみんなの感想だった。これは、翌日のサーキットドライブの時、安心してブレーキを踏める事前レッスンにもなる。


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