イメージ  その後NSXは、11時57分飯田、13時国光選手へ。ピットインのたびにボンネットをテーピングし直し、ブレーキオイルを補給。飯田は、「いよいよ綱渡りになってきた」といい、休養もとらずストレート横のコンクリートウォールまで走る。「クニさんにブレーキ大丈夫か聞いて!」とメカニックに叫ぶ。ブレーキがだいぶスポンジーになってきたらしい。すぐ鈴木監督に駆け寄り「ちょっと早いけど入れましょう。土屋さんと交代した方がいいかも」という。このときNSXは、4分30秒台にラップが落ちていた。しかし、すぐ後ろの83番も大差ないタイムで4〜5ラップの差。抜かれる心配はない。ただ、2ラップ前に23番のGTRが迫っていたのだ。

イメージ 「なんとかGTRを抜きたい!」と飯田がピットで叫んだ。「もうこわれても最後までいっちゃうよ」と独り言を口走る。モーターホームの土屋選手に電話して、「すいませんピットで待機してください」と促した。

 13時20分に土屋選手がピットにあらわれるが疲れた表情。13時30分。ピットイン。ブレーキのエア抜き、ガソリン補給。飯田が駆け寄りドア越しに「ブレーキ効いてます?」と国さんに聞く。国さんは落ちついてうなずく。飯田選手は布を手に取りウインドウまで拭きはじめた。ドライバー交代なし。約3分でピットアウト。23番との差は3ラップとなった。

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