皆様にお会いするうちに、人の存在を考えるならハードだけではなくソフトも…ということで、発売後半年ぐらいたった頃、鈴鹿でミーティングをはじめました。ここでは、経験をもとに、私もできる限りスポーツカーを走らせることの歓びや、走らせる方法についてお話しさせていただきました。
これも、せっかく高性能なスポーツカーをつくったのはいいが、走る機会がなかったり、走らせ方がわからないと面白くないなという単純な思いからです。スポーツカーの世界は理屈じゃありませんから…。
私がいうのも僭越ですが、ミーティングも回を重ねるごとに、オーナーの方のドライビング技術がどんどん向上しているように感じられます。何度も参加されている方は、南コースのタイムもかなり上がってますし、お話を伺うと、NSXを普段から使っていらっしゃる方がほとんどなのに改めて驚かされます。大切にガレージにしまっている方が少ない。こういう状態こそ、私どもが願っていた状態です。
日頃から快適な足として走らせることができ、いざサーキットを舞台にすれば高次元の走りも楽しむことができる。これぞNSXです。ですから、このクルマは、ハードよりも乗られているオーナーの皆さんを称賛すべきでしょう。新しいスポーツカーのコンセプトを理解いただき、新しいスポーツカー文化を満喫している。非常にいい感じですね。
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