タイプR、完結。

そして腕を伸ばしたところにMOMO製の軽量ステアリング、かつてのF-1マシンの手元を彷彿させるショートストロークのチタン削りだしシフトノブがある。また、8,000rpmからレッドゾーンとなるレブカウンターが組み込まれる

メーターパネルはカーボンテクチャー。視認性が高くスパルタンなテイストのイエローの針が動く。これだけのマテリアルに包まれて、心にときめきを覚えないはずはないだろう。当然ならテイストのみならず、ホールド性や操作性において高度なドライバーの要求に応えるべく性能も突き詰められている。
そして可能であれば是非エンジンに火を入れて走らせ、ときめきを昇華させていただきたい。グラム単位の詳細な検討によって研ぎ澄まされたボディの軽さが走り出した瞬間にわかるだろう。「どうすれば120kgも…」と識者を驚かせたウエイトダウンは、パワー換算で27.5PSの向上に相当。オリジナルのNSXより軽くセッティングされたスロットペダルの心地よい動きに、鋭敏にタイプRの体躯は呼応する。もちろん、加速性だけではない。ブレーキへの負荷、荷重移動によるコーナリングフォースの変化。クルマ自体にかかる遠心力などを大きく低減。走る・曲がる・止まるというマシンすべての動きに有効なのである。
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NSX Press vol.16は1995年8月発行です。