タイプR、完結。

そして、低速でいいからコーナーをひとつ曲がっていただきたい。予想以上に少ないロールと、コーナリングフォースを受けとめ逃がさないような硬くクイックなボディの反応に驚かれるだろう。

これは、旋回性能向上のために徹底的にロール剛性を高めたサスペンションチューニングによるところが大きい。スプリングレートをオリジナルNSX対比フロント2.5倍、リア1.6倍。あわせてダンパー減衰力、プッシュ硬度を大幅アップ。
当然ながら、ミッドシップであるNSXの旋回性能をサーキット走行において極限まで高めるよう、厳密なチューニングが成されている。また、その硬質なサスペンション特性を活かすべく、もともとハイレベルなNSXのオールアルミボディ剛性を強化パイプによってさらに高める一方、フロントバンパービームをアルミ化し、リアスポイラーに量産車には通常適用困難とされる低比重SMCをあえて採用することでオーバーハング部を軽量化。ヨー慣性モーメントを減少させ、回頭性を高めていることもクイックなステアリング特性に貢献している。
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NSX Press vol.16は1995年8月発行です。