まず、そのパワーの源となるエンジンには、生産車と同じRX-306をベースに選んだ(排気2977cc、ボア×ストローク=90×78mm)。もっとも、いくらVTEXを搭載するとはいえ、あの、果てしなく続くユーノディエールのストレートで排気量5リットルを越すライバルたちを敵に回しては苦戦が予想されたため、 かつてグランプリで技術を養ったターボを装着して、その不利を克服することになった。使用される2基のIHI製タービンはF-1と同一仕様のもので、各バンクで対称をなすように、左右で回転方向が異なっている。また、ターボ・チャージングの要というべき制御系には、F-1とルマン仕様でエンジン回転数や排圧が異なることから、量産型をベースにしたオリジナル・システムを開発。燃費とパワーの両立を実現した。
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