そして、コンパクトなサンバイザー。ルーフラインの内側に収められるために、若干の小ささは感じるものの、開放感を向上させることに大きく貢献している。さらに、ルーフロックの受け金もきちんとゴムでカバーされ、ライニングの裏側に収められている。開放感を向上させたというより、これが本来のオープントップのあるべき姿なのだろう。しかし、その点を怠らずに実行し、優れた機能デザインとして完成させているのは、NSX-Tの他には見あたらない。
また、静かで快適なオープンコクピットとするために、フロントウインドウ両端、Aピラーの境界面をクーペより4.5ミリ盛り上げ、また、フロントルーフレールも5ミリスロープ状に高さを増して風の巻き込みを極力抑えている。キャビン回りの風の動きは、風洞実験室によって細部にわたり煮詰められた。なお、フロントウインドウの傾斜に変更点はない。
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