通常のオープントップカーは、外したルーフをトランクかシートバックに収める。トランクに置いた場合、バゲージ・スペースを失うことになり、シートバックに置く場合はシートポジションや視界に影響を与える。いずれも、開放する代わりに何かを犠牲としている。ルーフを外す方法にしても、専用のツールを必要とするなど困難な方法をとる場合が多い。これも快適であるとはいいがたい。
このルーフシステムにおいても常識を塗りかえた。
NSX-Tは、ルーフの左右にあるロックは、セーフティノブを押しながらレバーをおろすだけで簡単に解除。さらにオールアルミの軽量ルーフは、トランクではなく、リアキャノピー内に収められるのだ。エンジンルーム上のこのスペースは、エアクリーナーのデザイン変更により確保されたもの。
エンジンを覆うように存在するホルダーへのルーフの固定もほとんど置くだけといってよく、極めて簡単。こうしたシステムにありがちな“知恵の輪”的な苦労はない。もちろん、ルーフカバーを閉めることで、外観からはルーフがそこに存在することはわからない。
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