すでに所有されたことのある方ならご存じであろうが、通常のオープントップカーでは、せっかく開放したルーフスペースが、様々なパーツによってスポイルされていることが多い。そのパーツとは、風をマネジメントするために付加されたディフューザーであったり、サンバイザーや露骨なルーフロック、たくまし過ぎるルーフレールなどだ。
特にサンバイザーが開放スペースにはみ出していると、ちょうど見上げるところにあり、視界の抜けが悪く圧迫感を感じることが多い
。ここでNSXのキャノピーが、快適な視界の確保を重要なコンセプトにしてつくられていたことを思い起こしていただきたい。その目的は、NSXを視界の点で緊張を強いるスポーツカーとしないためだ。
そうした視界へのこだわりは、当然ながらNSX-Tにも息づいている。せっかく開放したスペースをスポイルせずに美しく仕上げる配慮が、いたるところで施されているのだ。
まずは、ベースとなるルーフレールの薄さ。内部板厚の強化により、十分な剛性を確保しながら、スリムな外観を実現している。これは、ドライバーズシートに座ったときより、オープンとりされたキャビンを外から眺めるときの方が美しさがわかるかも知れない。
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