NSX-T誕生

アルミボディだからこそここまでの剛性アップが可能だった

NSXがここまでの大幅な剛性アップを成し得たのはもう一つの理由があった。それは、ボディ素材にアルミを用いていたことだ。アルミの比重はスチールのおよそ3分の1であることを考えれば、スチールで同様の剛性アップを行ったとしたら、重量増加のために走行性に問題が生じたことは想像に難くない。NSXの誕生当初、ハイパフォーマンスと快適性の融合のため、多大な決意のもとに取り組んで成功させたオールアルミボディの恩恵である。
さらに、'95年のNSXのために開発されたDBWがアクセル関連のシステムを3.0kg軽くしたことや、パワーステアリングユニットの統合、スターターモーターのコンパクト化、リアバンパービームのアルミ化など飽くことのない軽量化への取り組みも、結果としてボディ剛性アップに多大に貢献しているのだ。

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 エンジンルーム内に装備された
 ストラットタワーバー
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 板厚を増し、ボディ強化の要となった
 サイドシル。


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NSX Press vol.15は1995年3月発行です。