メカニズム/パワーユニット |
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Photo:C32B 3.2L エンジン(6MT車) |
NSXの心臓部には、超軽量チタンコンロッドを筆頭に、表面チル処理のニッケルクロムモリブデンカムシャフト、超精密鏡面仕上げのクランクシャフト、モリブデンコーティングのピストンスカート※など、軽量かつ高強度、そして低フリクションを追求した高精度パーツを多数採用。限界回転数の向上に寄与している。 |
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※C30A 3.0リットルエンジン(4AT車) |
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エキゾーストマニホールドはステンレス製。パイプの内面は流体抵抗が少なくなるよう設計。また、排気ポートから集合部までの長さは排気干渉の低減に寄与している。 |
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小気味よいシフトフィールも魅力の6速ミッション。車速に応じてリバースへのゲートを開閉するRVSセレクト制御機構も採用、5ー6速間のシフトチェンジもスムーズにサポートする。 |

写真はカットモデル |
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高出力とクリーン化を実現したNSX。
低公害メカニズムとしては、排気2次エア導入システムや薄肉メタルハニカム触媒を採用。触媒温度の上昇を促進させ、エンジン始動直後の低排出ガス化を達成。排出ガス中の有害物質、NMHC(非メタン炭化水素)、NOx(窒素酸化物)、
CO(一酸化炭素)をそれぞれ低減し、新たに施行された平成17年排出ガス規制にも全車適合している。 |
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Hondaの高回転・高出力テクノロジーの結晶体。アルミ製、軽量、コンパクトなV6 DOHC
VTECエンジン。どこまでも俊敏なレスポンス、圧倒的かつ従順なパワー、ワイドなパワーバンドを利しての息の長い加速。低回転域から高回転域へ、ドライバーの感性とシンクロしながら、一気に、かつナチュラルに昇りつめるこの自然吸気特有のパワーキャラクターこそ、ピュアスポーツを標榜するNSXが求め、精魂込めて磨き上げたものに他ならない。とくに3.2リットルエンジン(6MT車)では、その性格をいっそうパワフルに際立たせている。具体的には、高回転型エンジンの特性をいかしながら、低・中回転域でのトルクを増やしパワーフィールを向上。高速クルージングなどでの中間加速を高め、パワフルかつ余裕に溢れるドライビングを可能にしている。また、アクセルのオン、オフに瞬時に反応する俊敏でスポーティなスロットルフィールも秀逸の仕上がり。溢れ出るエンジンパワーを右足ひとつで操れる。 |
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V6 3.2L DOHC VTEC ENGINE(C32B:6MT車)
最高出力206kW[280PS]/7,300rpm* 最大トルク304N・m[31.0kg・m]/5,300rpm*
*はネット値 |
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高性能エンジンの生命線、高回転・高出力を達成するには、吸・排気システムの高効率化が課題となる。そこでNSXは、Honda独創のVTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)と、共鳴チャンバー容量切り換えインマニシステムを併用。回転域にかかわらず、すぐれた吸・排気効率を発揮しワイドでトルクフルなパワー特性を創出している。さらに、高い排気効率を実現するステンレス製エキゾーストマニホールドの採用など、高効率技術を幾重にも集積することで、高出力・高回転を導いている。 |
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6速のマニュアルトランスミッションは5速までをクロスレシオ化。3,000〜7,000回転の領域、とりわけ80〜120km/hにおける4速、5速の加速フィールはパワフルかつレスポンスに溢れたものになっている。コンパクトな設計のミッションには、高強度ギア材を採用。強度を保ちながらシフト時のクォリティ感も大切にしている。またダブルコーンシンクロを1〜6速に適用。シフト荷重を軽減させると同時に、ストレスへの耐性も配慮している。クラッチは、エンジンパワーを確実に伝達する容量を確保。クラッチライニング、セット荷重ともに高回転・高出力への対応がなされている。 |
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かつてない懐の深さを有するスポーツドライビングのために。NSXには、ドライバーの操作を自然にかつ緻密にサポートするハイテクデバイスがある。そのひとつが、加速時などにおける駆動輪のムダな空転を防ぐTCS。これは、微妙なアクセルワークが必要になる滑りやすい路面での、発進、減速、旋回時に効果を発揮するシステムで、NSXは、ドライ路面など高μ路でのアクセルワークによる姿勢制御も可能なスポーツタイプのTCSを採用※している。そしてDBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)。これは、アクセルの踏み込み量をケーブルではなく電気信号によって伝達することで、自然でリニアなアクセルフィーリングを実現するシステムだ。鉄製のケーブルや周辺パーツが不要になるので軽量化にも貢献する。また、LSD(リミテッドスリップデフ)はミッドシップ対応のコンパクトかつ軽量なタイプ。6MT車には加速性とコントロール性を重視したトルクリアクティブ・プリロード型LSDを、4AT車には直進時のスタビリティを重視したプリロード型LSDを与えている。

※NSX、NSXタイプTは標準装備。NSXタイプSはメーカーオプション |
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TCSやABSは、あくまでもドライバーのアクセル操作やブレーキ操作を補助するシステムです。したがって、TCSやABSがない車両と同様に、コーナー等の手前では充分な減速が必要であり、ムリな運転までは制御できません。安全運転をお願いします。 |
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基本はC32B V6 3.2L DOHC VTEC。高効率、高出力テクノロジーが満載されたハイポテンシャルユニット。経験豊かな匠の技が、眠れるチカラに火をつけた。 |
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[ R's Engine ] レーシングエンジンでは常識だが、職人レベルの緻密な手作業が要求されるゆえ、量産エンジンには不向きとされていたチューンアップがある。クランク系回転パーツのバランスを人間の手でレーシングレベルにまで高めていくという、高精度バランスチューンがそれである。あくまでも自然吸気のシャープでリニアなレスポンスにこだわるRでは、その向上をめざし「クランクシャフトにフライホイール/クラッチ/プーリーを組み付けた状態での精密バランス取り※1」「ピストンとコンロッドの気筒間相互重量バランス取り※2」「実測値による精密な嵌合表をもとにしたメタルオイルクリアランス管理」というF1やCART、JGTC参戦で培われたレーシングエンジンの組み立て手法を、このC32Bユニットに傾注。結果、吹け上がりの鋭さに磨きがかかり、自然吸気フィーリングの醍醐味にいっそうの凄味が付加された。

※1.NSX標準タイプの1/10以下で管理 ※2.NSX標準タイプの約1/2で管理 |
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ベースとなるC32B V6 3.2L DOHC VTECエンジンには、
超精密鏡面仕上げのクランクシャフト、超軽量チタンコンロッドなど、
高効率・高出力テクノロジーが凝縮している。 |
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[ R's Device ] 操ることをより積極的に楽しんでいただくために。アクセルペダル荷重の最適化やペダルストローク短縮、そしてDBWの特性を変更。剛性感のあるペダルフィーリングと、より俊敏かつダイレクトなアクセルレスポンスを達成している。また、加速性能を重視し4.1%※3ローレシオ化されたファイナルギア、そして直進性と旋回中のトラクション能力を重視し、プリセット荷重をアップしたプリロード型LSDも装備するなど、サーキット走行をみすえたデバイスの数々が、スポーツとしてのドライビングを強力にバックアップする。

※3.NSX標準タイプ比
■DBW=ドライブ・バイ・ワイヤ。アクセルの踏み込み量を電気信号で伝達することで、自然でリニアなアクセルフィールを実現するシステム。鉄製のケーブルや周辺パーツが不要になるので軽量化にも貢献する。 |
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アクセル全開ポイントを従来の81度から68度にクイック化。踏み込み量とトルク上昇のフィーリングをより鋭敏な設定としている。 |
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R専用チューンを施したV6 3.2L DOHC VTECエンジンは排出ガス中の有害物質、NMHC(非メタン炭化水素)、NOx(窒素酸化物)、CO(一酸化炭素)をそれぞれ低減。新たに施行された平成17年排出ガス規制にも適合しています。 |
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