2004年1月発表 2005年8月終了モデル
この情報は2005年8月現在のものです。

  CIVIC TYPE R  
メカニズム(パワーユニット)
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Power Unit このレーシングスペックは、エンジンとの対話を楽しむために。
2.0L DOHC i-VTECエンジン イラスト2.0L DOHC i-VTECエンジン
2.0L DOHC i-VTEC。求めたのは、全域に息づくトルクとレスポンス。
アクセルを踏み込む。たとえそれが低回転域であろうと高回転域であろうと、心地よいトルクが瞬時に立ち上がり、8,400回転のレブリミットに向かってまっすぐ出力が上がっていく。そのさまはあくまでもリアルで、こちらの意思とエンジンの反応に少しのズレも感じさせない。
この全域にわたる感動的なレスポンスこそ、レーシングテイスト。ただ最高出力のみを謳い文句にするクルマと、TYPE Rとの明確な違いだ。そしてそれを可能にしたのは、幾多のレースフィールドで培ってきたHonda独自のコンピュータ・シミュレーション技術とチューニング技術である。
TYPE Rは、「2.0L DOHC i-VTEC」を搭載している。すでにご存じかもしれないが、i-VTECは、VTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)とVTC(連続可変バルブタイミング・コントロール機構)を組み合わせたもので、ハイパワーと低燃費・低排出ガスを両立するメカニズム。この高知能な吸・排気コントロールシステムを、TYPE Rでは高出力化・高回転化へ向けて最適化した。VTECが6,000回転付近で吸・排気バルブを低回転用カムから高回転用カムに切り換える一方、VTCは吸気バルブの作動タイミングを連続的・無段階にコントロールし、吸気慣性効果を最大限活用するよう吸気バルブの閉じ角を制御。低回転から高回転までの全域で、分厚いトルクとリニアなレスポンスを実現するのである。
もちろん、圧倒的な走りのために注いだテクノロジーはこれだけではない。パワーユニットを構成する多くのパーツに、Hondaならではの実戦的なチューンアップを施した。モリブデンコーティングで低フリクションを追求した高強度非対称フォームピストン。F1と同じ高負荷メタル・高強度材を使った高回転対応コンロッド。高出力時の安定した燃焼と耐久性をあわせもつ熱価7番イリジウムプラグ。シリンダーヘッド内のポート部分は、通常より細かい粒の砂で鋳型をつくり、流体抵抗の低減と高精度化を実現した。さらに吸気系も、スロットルバルブなど全体の径を通常よりアップしつつ、高回転域での吸気慣性を重視した単管等長ショートインテークマニホールドを採用するなど、ハイパワーへのこだわりは枚挙にいとまがない。なお、ラダーフレーム構造の高剛性シリンダーブロックや、一本のベルトで全補機を駆動するサーペンタイン補機駆動、サイレントチェーンなどの採用は、エンジンの軽量・コンパクト化のためのものである。
走り イメージ
Photo:Cパッケージ装着車
ボディカラーはチャンピオンシップホワイト
  メーター



エンジン性能曲線図

6速MT 車速線図とトルクカーブ



走り イメージ
Photo:Cパッケージ装着車 ボディカラーはチャンピオンシップホワイト
走りの歓びのために、投入した排気系テクノロジーの粋。
よどみなくつづくトルクと限界を感じさせないパワーを求めて、排気系はとくにこだわりを込めた部分である。実際、最高出力158kW[215PS]/8,000rpm(ネット値)、最大トルク202N・m[20.6kg・m]/7,000rpm(ネット値)というスペックは、排気系テクノロジーが大きく貢献している。
その最大のものが、完全デュアルエキゾーストパイプの採用だ。キャタライザー入口までのエキゾーストパイプを2本(デュアル)化し、さらにキャタライザーにつながる集合部も一体成形して形状を最適チューニング。超低排圧化を実現することで大幅な出力向上を成し遂げた。
しかもこの完全デュアルエキゾーストパイプに対しては、ジョイント構造を専用開発。エキゾーストマニホールドの後方に、フレキシブルチューブと球面ジョイントという形式の異なる振動吸収体を並行レイアウトしたデュアルジョイント構造で、排気干渉を徹底的に低減。高出力化と振動強度の両立を図っている。また、キャタライザーにはメタルハニカム触媒を採用。セルの薄肉化によって、高回転域の排圧低減を実現した。
そして最後に、以上のテクノロジーは、後方排気レイアウトを前提に開発されたことを付け加えておく。排気ポートからキャタライザーまでの距離を短縮する後方排気レイアウトは、触媒の早期活性化を図り、エンジンのクリーン性能に貢献するものだ。つまりTYPE Rのパワーユニットは、低エミッションも視野に入れつつ圧倒的な高出力をめざす、Hondaのエンジン技術の昇華なのである。
 
スポーツのトランスミッション、クロスレシオ6速。
アクセルからあふれ出るようなハイパワーを意のままにコントロールし、エンジンとの濃密な対話を楽しむために存在するのが、TYPE Rの6速マニュアルトランスミッションである。スポーツ走行でのシフトアップ時に、1速から6速まですべてのギアがつねにパワーバンドを捉えつづける、6速クロスレシオ設定。たとえば高回転域でシフトアップした場合も、低速ギアでは、パワフルで伸びのある加速が楽しめ、高速ギアでは、リニアで絶対的な動力性能の高さが実感できる。しかもマルチコーンシンクロ(1・2速:トリプルコーン、3・4速:ダブルコーン)を採用し、シフト操作荷重を低減。最小限の手首の動きでカチッカチッと軽快に決まる、心地よいシフトフィールを存分にお楽しみいただきたい。 クロスレシオ6速マニュアルトランスミッション
レーシングカー並みの超軽量、鍛造クロモリフライホイール。
2.0L DOHC i-VTECの研ぎ澄まされたレスポンスを無駄なく加速性能へとつなげるために、エンジンのフライホイールに鍛造クロモリを採用。こうしたこだわりも、レーシングレベルの走りを追求するクルマならではのものだ。鍛造・削り出しによる工作や部分的に穴を開ける手法などで、強度を確保しながら超軽量化を実現したこのフライホイールは、従来製法のものに比べ慣性マス(慣性質量)を大幅に軽減。ドライバーのアクセル操作に俊敏に反応し、高回転域までシャープに吹け上がるエンジン特性を、TYPE Rにもたらしている。 超軽量鍛造クロモリフライホイール
※各パーツの写真は撮影のためにカットしたものです。

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