2004年1月発表 2005年8月終了モデル
この情報は2005年8月現在のものです。

  CIVIC TYPE R  
メカニズム/シャシー
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Chassis リアリティを追求していくと、一秒は長いと感じる。
走り イメージ
Photo:Cパッケージ装着車 ボディカラーはチャンピオンシップホワイト
フロント:トーコントロールリンク・ストラットサスペンション



リア:リアクティブリンク・ダブルウイッシュボーンサスペンション
人車一体感は、
ステアリングの切りはじめから伝わってくる。


強烈なパワーをもつクルマを手なずけ、自由自在に走らせる歓び。訴えかけてくるようなコーナリングGを身体に感じながら、意図したライン通りにコーナーをクリアする爽快感は、まさにスポーツ走行の醍醐味といえる。
TYPE Rが本分とする感動的なまでの人車一体感。その要となっているのが、欧州のサーキットにおける過酷なテスト走行で、運動能力を鍛えあげてきたサスペンションである。
開発のテーマとしたのは、リニアリティとスタビリティ。つまり乗り手の意思に限りなく忠実なレスポンスと、限界領域までしっかりと路面を捉えつづける安定性だ。
まずフロントサスペンションは、トーコントロールリンク・ストラットとした。ストロークに伴う車輪のトー変化を抑え、リニアなステアリングフィールを発揮する。一方、リアのリアクティブリンク・ダブルウイッシュボーンは、トレーリングアーム後方に設けたたわみリンクがブレーキ時に後ろに変位して車輪をトーインさせ、操縦安定性を確保する特性をもつ。この2つの潜在能力を、TYPE Rにふさわしい足まわりとして完成させるため、サーキットでの走行データとテストドライバーの感性をもとに、徹底的な専用チューニングを行なった。
フロントにセンターテイクオフ・ロングタイロッドを採用してトーカーブのよりストレート化を図ったほか、リアではアッパーアームブッシュ、ロアアームアウターブッシュ、ハブベアリングの強化によって接地点剛性を高め、俊敏でスムーズな車体収束性を実現。
またサスペンションジオメトリーを、つねに前下がりのロール姿勢となるよう設定することで、コーナリング時も車の挙動変化が分かりやすく、コントロールしやすい特長をもたせている。
タイヤもサスペンション性能に合わせて吟味し、ハイグリップ205/45R17 84Wを履かせた。
こうして獲得したハンドリング性能のフィーリングは、驚くほどリニアだ。文字どおり意のままに、狙った走行ラインをトレースするコントローラビリティ。その一秒一秒を楽しむかのような操縦の歓びは、ステアリングの切りはじめから感じていただけるはずである。
走り イメージ 走り イメージ
Photo:Cパッケージ装着車 ボディカラーはチャンピオンシップホワイト
 
TYPE Rの名にふさわしいストッピングパワー。

走る性能、曲がる性能に圧倒的なパフォーマンスを実現したことは、当然のことながら、止まる性能にもふさわしい能力を要求することになる。TYPE Rは、フロントにロゴを刻印した専用設計のキャリパーとともに300mmの大径ベンチレーテッドディスクを搭載、リアもディスクとすることでそれに応えた。放熱効果に優れたベンチレーテッドがスポーツ走行時も抜群の耐フェード性を発揮。つねに安定した「効き」を引き出せる。また、剛性感のあるブレーキフィールをめざして、ブレーキペダルのレシオやマスターパワー特性を設定。軽いタッチでぐっと効く高いブレーキ性能を実現している。
  フロント・大径ベンチレーテッドディスク&専用キャリパー
フロント・大径ベンチレーテッドディスク&専用キャリパー
※撮影のためにカットしたものです。
 
走行性と操舵感覚にこだわった、EPS+VGR。

ステアリング機構には、小型・軽量なピニオン軸アシストセンターテイクオフEPS(電動パワーステアリング)を採用した。エンジンパワーを食ってしまう油圧ポンプ式でなく電動としたのは、ほとんどのレーシングカーもそうであるように、わずかなパワーロスも徹底的に抑えたいがため。燃費性能の向上にも貢献する。しかも、全車速域において小刻みに操舵力特性を設定した車速応動タイプ。極低速では軽く、高速になるとともにダイレクト感が高まるスポーティな操舵感覚をステアリングに与えている。またVGRは、ステアリングのセンター付近を通常よりクイックなギア比とした可変ステアリングギアレシオ。高速時のキビキビとした操舵性と、低速時の取り回し性を両立するものだ。この両者の組み合わせによって、俊敏な走りをよりスムーズで快適なものとしている。
 
コーナリングを走りの見せ場と変える、
トルク感応型ヘリカルLSD。


スポーツカーにとって、タイトコーナーでの鋭い立ち上がりは、その高い能力をドライバーに実感させる重要なパフォーマンスである。通常のデフ(差動装置)の場合、タイトコーナーを鋭く立ち上がるために加速しようとすると、接地面積が小さくなるフロント内輪に駆動力が流れ、ときにホイールスピンを起こす。こうなると、アクセルを開けても内輪のホイールスピンが増すだけで、トラクションの増加は期待できない。これを解決するのがLSD(リミテッドスリップデフ)で、接地している外輪に駆動トルクを適切に配分し、トラクションを確保する。TYPE Rは、オイルなどを介さず作動レスポンスに優れたメカニカル方式のトルク感応型ヘリカルLSDを採用した。駆動トルクを機械的な動作で瞬時に外輪に配分。アンダーステアの少ないコーナリングと、シャープな立ち上がり加速を実現している。
  トルク感応型ヘリカルLSD
トルク感応型ヘリカルLSD
※撮影のためにカットしたものです。

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