

「航空機エンジンの研究・開発は失敗の連続でした。しかし、それらは決して無謀な挑戦の結果ではなく、まずは理論で攻め、理論で追い切れない事象を実験で確認した後の結果でした。失敗の結果を反映することで自ら確立した技術とNever give upの精神で乗り越え、夢を実現できたのだと思います。この“夢を実現させる力“を大切にしながらHondaの持つユニークな環境を活かし、他には真似のできないエンジンを世に送り出したいと思います。」
世界最高の性能・品質を追い求めてきた
技術者の想い・HF120の構造・受賞歴について
ご紹介します。
世界最高水準の技術・品質を支える技術者の、
HF120に込めた想い
開発責任者
夢を実現させる力藁谷 篤邦
本田技術研究所 航空機エンジンR&Dセンター長(2013年当時)
「航空機エンジンの研究・開発は失敗の連続でした。しかし、それらは決して無謀な挑戦の結果ではなく、まずは理論で攻め、理論で追い切れない事象を実験で確認した後の結果でした。失敗の結果を反映することで自ら確立した技術とNever give upの精神で乗り越え、夢を実現できたのだと思います。この“夢を実現させる力“を大切にしながらHondaの持つユニークな環境を活かし、他には真似のできないエンジンを世に送り出したいと思います。」
高い目標に向けて妥協せずに
やりきる それがHondaのDNA輪嶋 善彦
本田技術研究所 航空機エンジンR&Dセンター 開発室長(2013年当時)
「プロジェクト発足当時から、どこかの真似をするのではなく、自ら考え自らの力で開発するという方針でやってきました。常に高い目標を掲げ、失敗を繰り返しながらも妥協せずにやってやろうという私達の想いがあったからこそ、クラストップの性能を誇るエンジンを世に送り出すことが出来たのだと思っています。まさにそれがHondaスピリットです。」
世の中の真似をしちゃいけない野田 悦生
本田技術研究所 航空機エンジンR&Dセンター HF120開発プロジェクトリーダー(2013年当時)
「素人集団で研究・開発をスタートし、他社の真似をしないというHondaの伝統的な考え方から、設計・製造・試験のほぼすべてを自分達の手で行ってきました。環境性能はどこにも負けないものにしたいという強い意志で、燃費・エミッションに重点を置いたエンジンを追及しました。最終的な商品化までの道のりは長く苦難でしたが、“技術に真摯であれ”という先人の教えのもと、地道にコツコツと進めて30年。継続は力なりです。」
Hondaらしいチャレンジはお客様の喜びのために泉 征彦
ホンダ エアロ インク社長(2013年当時)
「航空業界の品質管理はとても厳格ですが、我々はその先を行く品質を目指してチャレンジしてきました。品質向上にはエンジンの開発・設計・生産など幅広い技術が要求され、常に課題に直面してきました。しかし、お客様に安心して飛行機に乗って頂きたいという想いがあったからこそ、30年間に渡ってジェットエンジンの研究・開発を続けるだけでなく、領域を超えて二輪・四輪・パワープロダクツで培った品質に関するノウハウを取り込み、世界最高水準の品質を誇るエンジンを作ることができたのだと確信しています。」
生産・サービス技術者
夢の実現に向けた挑戦シャーリーン・ウィーバー
ホンダ エアロ インク エンジン生産部 シニアマネージャー(2013年当時)
「Hondaにおいての最初のキャリアはオハイオ州の四輪工場でした。そこで生産領域のノウハウを学んだ後に、今はホンダ エアロ インクで航空機エンジンの生産責任者をしています。
エンジンの生産は、数日かけてやっと1基を完成させます。その1基1基を、精密な寸法かつ厳格な仕様要件を守りながら生産をするだけでなく、いかに高品質なエンジンをお客様へ届けるかを考えながら日々取り組んでいます。
常に挑戦をしてきたからこそ、HF120が米国連邦航空局(FAA)の製造認定を取得できたものだと思います。いつの日か、私達が製造したエンジンをより多くの飛行機に搭載する夢の実現に向けて、私達はチャレンジし続けます。」
最高品質のエンジンを世界中のお客様へジム・フランス
ホンダ エアロ インク 品質保証部 マネージャー(2013年当時)
「Hondaへ入社してから20年以上が経ちます。最初はオハイオ州の四輪の領域でキャリアをスタートさせ、今はホンダ エアロ インクで航空機エンジンの品質保証の業務に関わっています。
日々の活動では、HACIやエンドユーザーからの複雑な要求を達成しつつ、各国の法令を満足させる必要があります。我々の活動で重要なことは、エンジンに組み込まれる各部品の状態と耐空性を常に保証することです。特に航空機産業では、生産、検査、部品のトレーサビリティの要求事項が四輪よりも厳しく定められています。それら全ての要求事項を満足する耐空性証明の記録を常に確認し開示できるようにしなければなりません。
今後も、最先端で低燃費のエンジンを生産し続け、航空業界のグローバルリーダーとしてホンダの存在を更に大きくできるよう、挑戦し続けます。」
アフターサービスによる喜びの拡大マット・デイリー
ホンダ エアロ インク セールス&カスタマー サービス部 マネージャー(2013年当時)
「Hondaへ入社した当初は、オハイオ州の四輪工場にて電装部品サプライヤーと品質・生産性・コストに関わる調整業務をしていました。その後ホンダ エアロ インクへ異動し、航空機エンジンの仕様管理やサプライヤーとの調整業務を経て、今はカスタマーサービスに携わっています。
定期的な保守点検が法律で定められている中でお客様が飛びたい時にいつでも飛んで頂くためには、製品が高品質であることに加えて的確且つ迅速なアフターサービスが重要である、とお客様の声から日々感じています。
世界中のお客様へ最高品質の製品と最高水準のアフターサービスを提供し喜んでいただくことが、私達の使命です。」
開発技術者
高品質は技術✕コミュニケーションで生まれる川澄 郁絵
本田技術研究所 航空機エンジンR&Dセンター(2013年当時)
「入社時の配属は四輪のエンジン開発でしたが、どうしても航空機エンジンの開発に携わりたく、入社5年目に異動しました。配属後は、米国へ長期出張をしゼネラル・エレクトリック社のテスト設備で行われる認定試験のサポートを行うという責任のある仕事を任せられました。認定試験の際は不具合も発生し、対応にあたっては常にプレッシャーを感じていましたが、最高品質のエンジンを開発したいという一心で現場の状況をGE及びHondaの技術者へ伝えチーム一丸となって推進・解消することができました。今後も最高品質を追求するため、コミュニケーションを大切に、技術力を更に高めたいと思います。」
若手の挑戦が品質向上に繋がる旦 誠之
本田技術研究所 航空機エンジンR&Dセンター(2013年当時)
「入社した当時はHF120の認定試験の真只中にあり、残された品質課題に対して事業所が一丸となって取り組んでいる状況でした。そのような慌ただしい状況でも、若手である私のアイデアに当時の開発プロジェクトリーダーやマネジメント層の方々が耳を傾けて頂き、多くの時間を議論に費やしてくれました。最終的にアイデアが採用され、課題を解決し品質の向上に貢献できたことは、今でも新しい挑戦をする自信につながっています。
“技術の前に平等”であることがHondaの特徴の1つであり、年齢に関係なく熱意とロジックを持って挑戦し続けることで、より高品質なエンジンを目指したいと思います。」
チームの力でエンジンの信頼性を高める赤井 勇太
本田技術研究所 航空機エンジンR&Dセンター(2013年当時)
「エンジンの制御を担うソフトウェアは、特に高い信頼性を米国連邦航空局(FAA)より求められます。当時は入社して間もない若手でしたが、その信頼性を実証する中で最も重要とされるフェーズを任せて頂きました。実際の飛行を想定したシミュレーション環境でソフトウェアの動作を検証することは高度かつ複雑でしたが、チームメンバーの支援を頂けたからこそ、検証手法を完成させ、その検証手法と結果をFAAに説明するという役割を全うすることができたのだと思います。
“役職や年齢に関係なくチームで目標を達成する”というHondaのスピリットを胸に刻み、これからもエンジンの信頼性向上に向けて邁進します。」