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WTCC 開発プロジェクトリーダーレポート

デビュー初年度の手応えと来季への挑戦 Round 9 - Round 12、シーズン総括

手探り状態で始まったフル参戦初年度。ステップ・バイ・ステップで進み続け、成長と成果を実感―2013年シーズン総括

2013年シーズンは、本格的に参戦を始めた初年度でしたが、最初はマシンが未完成な状態でのスタートでした。それからステップ・バイ・ステップで、試行錯誤を繰り返しながら進んできました。

開幕初戦のモンツァでは「もしかしたら一勝もできないかもしれない」と本当に思いました。モンツァが終わったときは、今だから言えますが、チーム全体がパニック状態でした。直線では他車に置いていかれる、コーナーでは抜かれるという状態で、なにが起きているのか分かりませんでした。「これからどうなってしまうのか」と、本気で思いました。しかし、「こんなはずはない。エンジンのポテンシャルの100%を使えていないんだ」と信じ、そこからステップ・バイ・ステップが始まったわけです。まずは、エンジンのパワーを全部出しきれるようにと、吸気系を見直し、それから排気系とデータをもとに改良を始めました。その成果が、2戦目、3戦目と出て、スピードもどんどん上がり、チームに活気が出てきました。3戦目のスロバキアラウンドでの初優勝、表彰台独占は、今年一番印象に残っているシーンです。自分たちが作ったエンジンを信じてよかった、間違っていなかったということが、本当にうれしかったです。

その後、ハンガリーでの大きなクラッシュがあり、その対応にチームが追われ、マシンを速くしていく余裕がなくなったため、成績も停滞しました。そしてポルトガルでは、セッティングを攻めたことでターボが壊れるという事態にもなりました。結果的にあのトライが、そのあとの好結果に結びついたのですが、シーズンを通してポルトガルが、唯一表彰台を逃したラウンドとなりました。モンテイロ選手の地元レースだったのですが、申し訳ないことをしました。

ヨーロッパでのレースを終え、南米、北米と移ったころ、マシンに関してはだいぶん固まってきました。そして、チームにも余裕が出てきて、スタッフの動きも見違えるようになり、すべての面で成長を実感できました。その余裕によって、チームプレーができるようになり、成果としてアメリカ、日本、中国と連勝できました。これはすばらしいことです。今シーズン4勝を挙げ、12ラウンド中11ラウンドで表彰台に上がることができました。フル参戦初年度としては上出来で、満足のいく結果です。

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