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WTCC 開発プロジェクトリーダーレポート

デビュー初年度の手応えと来季への挑戦 Round 9 - Round 12、シーズン総括

戦略的にエンジン交換を実施。久しぶりの優勝でタイトルを確定させる―アメリカラウンド ソノマ・レースウェイ

アメリカでは、ノルベルト・ミケリス選手(Zengő Motorsport)のマシンのエンジンを新しいものに交換しました。これはトラブルがあったというわけではなく、来年のエンジン開発に向けて、耐久信頼性の面で、これまで使ってきたエンジンをチェック、評価したいという戦略です。エンジン交換によって、レース1ではグリッドダウンとなってしまい、ミケリス選手には少し申し訳ないことをしましたが、来年のためということで理解してもらいました。ミケリス選手のエンジンは、開幕戦からずっと使い詰めのものでしたので、評価対象としては最適です。そして、やはり少しパワーが落ちてきている時期だったので、終盤戦に向けていいタイミングだと判断しました。

このエンジンを開けてみると、やはりピストン回りなどが予想以上に劣化していました。ダイナモを使ったベンチテストなどよりも、実走で使ったものの方が相当劣化することは分かっていましたので、この段階での確認によって、来年に向けてとても意味のあるデータ収集ができました。また、ミケリス選手も、フレッシュなエンジンとなり、シーズン終盤にだいぶん調子が上がったので、いいタイミングでの交換だったと思います。

レース2では、ガブリエーレ・タルクィーニ選手(Castrol Honda World Touring Car Team)が、スロバキア以来の勝利をモノにしてくれました。予選ではあまりタイムが伸びず、途中からレース2での好ポジションを狙いにいった結果で、まさに作戦通りの展開となりました。ソノマでのレースに向けて、マシンに大きな変更を加えていませんが、ヨーロッパ転戦中の試行錯誤がようやく実を結び、このソノマで、今年の集大成に近いセッティングが固まりました。成果が出たということもあり、この優勝はとてもうれしかったです。また、この優勝とミケリス選手の3位入賞により、Hondaのマニュファクチャラーズタイトルの獲得が決定しました。これまで苦しんだ時期もありましたが、Honda Civic WTCCの復調を皆に強く印象付けるラウンドだったと思います。

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