WTCC 開発プロジェクトリーダーレポート

Round 6 - Round 8 開発への飽くなきチャレンジ

ヨーロッパから南米へ。マシンの状態は上向きに―アルゼンチンラウンド アウトドローモ・テルマス・デ・リオオンド

世界ツーリングカー選手権は、ヨーロッパから南米アルゼンチンに、戦いの舞台を移しました。このあと、アメリカ、日本、中国、マカオと、マシンはヨーロッパに戻らず、遠征を続けることとなります。

ポルトガルでのレース直後に、モンテイロ車のエンジンに若干の不具合が見つかりました。しかし、すぐに船積みされるために、エンジン交換はアルゼンチン到着後に行うことになりました。

アルゼンチンでのレースでは、我々に課せられていたハンディウエイトが解除されました。シーズン後半に向けて、まさにリセットした形で臨むことができたのです。エンジンのセッティングとしては、ポルトガルラウンドで得た成果をもとに、信頼性とパワー&レスポンスのバランスを最適化しました。これにより、マシンはステップアップを実現したと思っています。

予選ではミケリス選手が3番手、タルクィーニ選手が4番手を獲得。エンジン交換をしたモンテイロ選手は、レース1でグリッドダウンとなるため、レース2に焦点を合わせ、リバースグリッドでのポールポジションとなる予選10番手を狙いにいきました。結果は7番手でしたが、レース2に期待が持てました。

レース1では、ミケリス選手が2番手を走行するも、途中、他車との接触でペースダウンして7位。タルクィーニ選手は、スタート直後に集団からはじかれ7番手までポジションを落としてしまいましたが、そのあとばん回して4位でフィニッシュ。モンテイロ選手は、グリッドダウンで22番手からのスタートでしたが、スタートで大きくポジションを上げ、ポイント圏内の10位と健闘しました。

レース1のあと、タルクィーニ選手からいくつかのインプレッションとリクエストを受け、ターボとALSのセッティングを若干見直しました。これが功を奏し、タルクィーニ選手はレース2で2位となり、表彰台を奪還してくれました。期待がかかっていたモンテイロ選手は、好スタートを切った序盤は2番手を走行しましたが、レース中盤に押し出されてコースアウト。6位フィニッシュという残念な結果でした。

2位表彰台を獲得しましたが、マシンの状態からすれば、全体としてもう少しいい結果が期待できるレースだったと思います。しかし、実際の戦いとなると、なかなか思うようにはいかないこともあります。それがレースというものだ、と実感した戦いでした。

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