モトクロス世界選手権の2020年シーズンが、イギリスのマターリー・ベイシンで開幕しました。今季のTeam HRCは、最高峰であるMXGPクラスに絞り込み、CRF450RWの2台体制で参戦します。ライダーはディフェンディングチャンピオンのティム・ガイザー、そして昨年のMX2を経て新加入したミッチェル(ミッチ)・エバンスです。
古都ウインチェスターの郊外にあるマターリー・ベイシンは、牧草地の起伏を活かした雄大なコースですが、今回は早春の開幕戦とあって悪天候に見舞われました。1週間前から断続的に降る雨は例年並みでしたが、金曜夜からの荒天によって土曜のタイムスケジュールが変更。通常であれば行われるはずであった予選レースがキャンセルされ、フリープラクティス10分、タイムドプラクティス20分のみで決勝レースのグリッドが争われることになりました。雪が降る中の走行で、ガイザーはポールポジションを獲得。エバンスは8番手タイムを記録しました。
日曜日はうって変わった晴天となり、午後のにわか雨を除けばベストコンディションとなりました。レース1では、ガイザーとエバンスが好スタートを決め、3、4番手につけました。ところが、2コーナーの混戦でガイザーがクラッシュ。コントロールライン通過時、13番手というハンディキャップを負いました。エバンスは序盤、ジェフリー・ハーリングス(KTM)に次ぐ2番手を走行していましたが、5周目にジェレミー・シーワー(ヤマハ)にかわされて3位。ガイザーは終盤7番手までばん回したものの、最終ラップの転倒によりポジションを下げ、8位でチェッカーを受けました。
レース2では1周目からトップに立ったガイザーが、序盤から独走態勢に持ち込む展開となりました。一方エバンスは、スタート15番手と出遅れましたが、5周目には6番手となる驚異的な追い上げを見せました。15分を経過するころには、ガイザーが2番手ハーリングスに対し、16秒の大差をつけレースを支配。その後もリードを広げ、23秒差の勝利を収めました。エバンスはラスト3周で、グレン・コルデンホフ(ガスガス)にかわされ、7位でフィニッシュ。この結果、ガイザーが総合2位(8位/1位)となり、ポディウムに登壇しました。エバンスは総合5位(3位/7位)というリザルトで、MXGPキャリア初戦を飾りました。
ティム・ガイザー(MXGP 8位/1位 総合2位)
「この開幕戦の経過に満足しています。レース1では2回ほどクラッシュしましたが、最初の転倒はレースが始まってすぐだったので、再スタートしたときには最後尾近くになってしまいました。なんとか追い上げ8位でフィニッシュしたのですが、最終ラップで喫した2度目の転倒がなければ7位でした。レース2では好スタートを決めて、もっといい走りをみせたかったのですが、思い通りになりました。わだちが増えたことと低い西日の影響により、非常に難しいコース状況になったのですが、マシンも好感触でとても乗れていました。レース1でのハプニングを考えれば、総合2位は悪くないリザルトです。次戦のファルケンスワードで改めてチャレンジし直しましょう」
ミッチェル・エバンス(MXGP 3位/7位 総合5位)
「レース2のスタート失敗を除けば、すべてが順調で非常によい週末でした。レース1では好スタートを切り、序盤のあちこちで発生した混乱を避けて2番手を走ることができました。風邪気味だったせいか、呼吸が苦しくなったので、3位でフィニッシュしました。レース2ではスタートが悪く、ずっと追い上げを強いられたのですが、もっとよいフィーリングで走れました。ポジションのばん回に全力を注ぎ込みましたが、残り8分の段階でスタミナを使いきってしまったようです。とはいうものの、全体的によい週末だったし、MXGPクラスのデビュー戦に満足しています。今度は来週のファルケンスワードに向けて準備をするだけです」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 13 | 35'33.506 |
2 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 13 | +11.870 |
3 | 43 | ミッチェル・エバンス | ![]() | 13 | +17.051 |
4 | 222 | A.カイローリ | KTM | 13 | +25.377 |
5 | 25 | C.デサール | カワサキ | 13 | +29.331 |
6 | 259 | G.コルデンホフ | ガスガス | 13 | +30.365 |
8 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 13 | +39.702 |
14 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() | 13 | +1'29.863 |
16 | 92 | バレンティン・ギロド | ![]() | 13 | +1'36.763 |
24 | 6 | ブノワ・パトゥレル | ![]() | 13 | +2'11.394 |
28 | 297 | アントン・ゴール | ![]() | 13 | +2'28.773 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 13 | 35'44.501 |
2 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 13 | +23.382 |
3 | 222 | A.カイローリ | KTM | 13 | +28.395 |
4 | 21 | G.ポーリン | ヤマハ | 13 | +30.195 |
5 | 25 | C.デサール | カワサキ | 13 | +32.276 |
6 | 259 | G.コルデンホフ | ガスガス | 13 | +33.945 |
7 | 43 | ミッチェル・エバンス | ![]() | 13 | +36.870 |
10 | 6 | ブノワ・パトゥレル | ![]() | 13 | +1'00.115 |
17 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() | 13 | +1'38.339 |
23 | 297 | アントン・ゴール | ![]() | 13 | +2'10.466 |
25 | 92 | バレンティン・ギロド | ![]() | 13 | +2'19.500 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 47 |
2 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() |
38 |
3 | 222 | A.カイローリ | KTM | 38 |
4 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 35 |
5 | 43 | ミッチェル・エバンス | ![]() |
34 |
6 | 21 | G.ポーリン | ヤマハ | 32 |
16 | 6 | ブノワ・パトゥレル | ![]() |
11 |
17 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() |
11 |
20 | 92 | バレンティン・ギロド | ![]() |
5 |
26 | 297 | アントン・ゴール | ![]() | 0 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 47 |
2 | ![]() | 45 |
3 | ヤマハ | 40 |
4 | カワサキ | 32 |
5 | ガスガス | 30 |
6 | ハスクバーナ | 16 |