前戦アルゼンチンGPでランキング首位に躍り出たティム・ガイザー(Team HRC)が、レッドナンバープレートに換装されたCRF450Rを駆り、メキシコGPでもダブルウインを達成。4レース連続で優勝、2大会連続での総合優勝と、MXGPクラスにおけるポイントランキングでのリードをさらに広げました。
アルゼンチンからスロベニアに帰国したガイザーは、自分のコースで練習を重ねて今大会に臨みました。一方、僚友のイブジェニー・ボブリシェフは、インターバルを利用して米国に渡り、トレーニングと走り込みに励みました。彼の目的はメキシコGPの暑さと時差に備え、フィジカルコンディションを整えることでした。Team HRCはこのように個別メニューをこなしたあと、第4戦が行われるメキシコに移動してきました。
4年連続でモトクロス世界選手権の開催地となったグアナフアト州レオンは、首都メキシコシティから北西400kmに位置する町。海抜1,800mの高地にあるモトクロスコースは、朝晩の冷え込みとは対照的に、日中は28℃の暑さに覆われました。
ティム・ガイザー
イブジェニー・ボブリシェフ
レース1ではガイザーがホールショットを決めると、チームメートのボブリシェフがサイド・バイ・サイドで並んだあと、2番手に定着し、オープニングラップから最高の態勢になりました。前半から快調に飛ばしたガイザーは、ボブリシェフに14秒差をつけてチェッカーまで独走。Honda勢による1-2フィニッシュが決まったレースでした。
レース2のガイザーは、一時ゴーティエ・ポーリン(ハスクバーナ)に先行を許しましたが、1周目の途中で猛然とトップの座を奪いました。2番手にはアントニオ・カイローリ(KTM)が浮上し、ガイザーを追走しましたが、路面状況が悪化する中でもリーダーのペースは衰えず、トップのまま逃げきりチェッカーを受けました。
一方、レース2でのボブリシェフは、スタート直後のミスから序盤に2度の転倒を喫し、9番手から17番手、そして21番手と順位を落としてしまいます。しかし、このレースでもボブリシェフのペースはすさまじいもので、最終的には14位までばん回しました。十分にポディウムフィニッシュが可能だっただけに、非常に残念な転倒となりました。
2戦連続のパーフェクト達成により、首位ガイザーはランキング2位のカイローリに対し、20ポイントのリードを確保。今大会総合6位だったボブリシェフは、ランキングでも6位につけています。
ティム・ガイザー(MXGP 優勝/優勝 総合優勝)
「今週末は、なにからなにまで完ぺきでした。フリープラクティス、タイムプラクティス、予選レース、ウォームアップ、レース1、レース2、すべてがトップでした。マシンに乗ることが楽しくて、その気持ちが結果につながっているのだと思います。実際のところ、レース2ではカイローリに追いかけられて大変だったし、路面が硬くて滑りやすい部分もありましたが、なんとか勝てたので総合優勝も手にすることができました。すごくうれしいし、早くも次のグランプリで優勝することを考えていると、楽しみでしかたありません。メキシコでは昨年も勝っているし、イメージだけではなくてコースに対しても好感を抱いていました。ウェイブセクションやテクニカルなジャンプなどが好きで、実際に楽しんで走ることができました。それが自分の長所だと思っています。なにかを変えたとか、特別な秘密などはありません」
イブジェニー・ボブリシェフ(MXGP 2位/14位 総合6位)
「レース1はすべてが順調でした。好スタートが決まって、2番手をキープしただけなので、複雑な要素はなにもありませんでした。背後には4台の集団がいて、ものすごいプレッシャーを受けましたが、なんとか逃げきって2位をゲットできました。このコースに対しては以前から好印象を持っていなかったし、昨日のプラクティスや予選でもギャップや滑りやすいところが多々あったので、決勝で2位という結果は、とてもポジティブに受け止めています。レース2ではスタートを失敗した上に、1周目になにが起きたか分からないうちに出遅れました。転倒については、シンプルなテーブルトップがあって、毎周同じような飛び方をしていて問題はなかったのですが、あるとき着地で滑ってマシンが横向きになってしまったのです。もしかしたら強風にあおられたのかもしれません。そのクラッシュで腰を強打したこともあって、その後の追い上げもままならず、2度目の転倒でさらにポジションを下げました。路面は滑りやすく、また砂ぼこりもひどかったので、レース2に関しては残念と言うしかありません。体調はすっかり回復しているので、ヨーロッパに戻るのが楽しみです」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | 18 | 34'45.401 | |
2 | 777 | イブジェニー・ボブリシェフ | 18 | +14.909 | |
3 | 21 | G.ポーリン | ハスクバーナ | 18 | +15.434 |
4 | 222 | A.カイローリ | KTM | 18 | +15.718 |
5 | 89 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 18 | +17.615 |
6 | 4 | A.トヌス | ヤマハ | 18 | +17.676 |
15 | 92 | バレンティン・ギロド | 18 | +1'30.206 | |
16 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 18 | +1'34.660 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | 18 | 35'03.806 | |
2 | 222 | A.カイローリ | KTM | 18 | +15.224 |
3 | 21 | G.ポーリン | ハスクバーナ | 18 | +26.064 |
4 | 4 | A.トヌス | ヤマハ | 18 | +27.677 |
5 | 89 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 18 | +28.892 |
6 | 25 | C.デサール | カワサキ | 18 | +47.894 |
14 | 777 | イブジェニー・ボブリシェフ | 18 | +1'32.834 | |
17 | 92 | バレンティン・ギロド | 18 | +1'50.616 | |
20 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 17 | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | 156 | |
2 | 222 | A.カイローリ | KTM | 136 |
3 | 25 | C.デサール | カワサキ | 119 |
4 | 89 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 116 |
5 | 21 | G.ポーリン | ハスクバーナ | 112 |
6 | 777 | イブジェニー・ボブリシェフ | 111 | |
20 | 92 | バレンティン・ギロド | 24 | |
21 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 18 | |
23 | 60 | ヘトロ・サラサール | 4 | |
24 | 179 | ホアキン・ポリ | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | 156 | |
2 | KTM | 140 |
3 | ヤマハ | 137 |
4 | ハスクバーナ | 120 |
5 | カワサキ | 119 |
6 | スズキ | 78 |