タイヤ交換とピットインの回数は?
“フラッグ・トゥ・フラッグ”ルールに則してマシンを交換する場合、選手は走行中に一度ピットへ戻らなくてはならない。そして、チームのピットボックス前のレーンでマシンを乗り換えて再びコースインすることになるわけだが、では、このピットインは合計何回まで認められているのだろうか?
結論からいえば、何度でもピットインできる。ルールブックには、ピットインの回数を制限、規制するような条項がない。つまり、順位やタイムにこだわらなければ、レース中は自由にピットインできる、ということだ。
ただし、ピットインの回数が自由だといっても、その際にどのような作業をしてもよいというわけではなく、禁止事項は厳然と存在する。ルールブックによると、それは以下のように説明されている。
8) レース中、選手はピットに入ってもよい。ただし、ピットボックス内にモーターサイクルを入れることは認められない。 MotoGPクラスでは、レース中のマシン交換の場合(条文{1.18.17})、レース中に使用していたマシンがピットボックスに入ると、そのマシンはリタイアしたものと見なされ、レースでふたたび使用することは許されない。
再給油は厳禁する。
この規則に対する違反はどのようなものであれ、失格を伴う罰則が与えられる。
8) Riders may enter the pits during the race, but taking the motorcycle inside the pit box is not permitted. In the MotoGP class, in the case of an exchange of machine during a race (Art.1.18.17), if a machine that has been active in the race enters the pit box, this machine is deemed to be retired and may not be used again in the race.
Refuelling is strictly prohibited.
Any infringement of this rule will be penalized with a disqualification.
この項目と、前述の条文{1.18.17}を合わせて解釈すれば、“フラッグ・トゥ・フラッグ”ルールに従ってピットイン後にマシンを交換する場合、異なるタイヤを装着したマシンに乗り換えれば、(タイヤがある限り)何度でもマシン交換ができる、ということになる。ただし、過去のレースを振り返っても、決勝中に何度もピットインしなければならないほど路面状態がめまぐるしく変化することは非常に珍しく、実際に1人の選手がレース中に複数回マシンを交換した例も決して多くはない。