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モータースポーツ > ロードレース世界選手権 > MotoGP学科 > 4限目「フラッグ・トゥ・フラッグの話(2)」

MotoGP学科

フラッグ・トゥ・フラッグの話(2)

4限目

ドライとウエット

ここまで“ドライ”“ウエット”というコンディションに関する言葉を当然のように使用してきたが、これらはいずれも路面状況に関する区分であり、降雨の有無自体を表すものではない。雨が降っているときに路面がウエットになるのは当然だが、たとえ雲1つなく日差しの強い天候でも路面が湿っていれば、コンディションはウエットと判断される。また、乾きかけた路面や、あるいはごくわずかに湿っている状態に対して、一般に“ハーフウエット”“セミウエット”などの言葉を用いることもあるが、これらはあくまで慣用的な表現であり、レギュレーション上の正式な用語ではない。ルールブックが定めるコンディションは、以下の文言が示すとおり、あくまでドライとウエットの2種類しか存在しない。必ずどちらかのコンディションがレース前に宣言されることになっている。

1.20“ウエット”および“ドライ”レース

すべてのレースは、ウエット、ドライのいずれかに分類される。レースの状態を示すボードは、グリッド上にて表示される。ボードが表示されない場合、必然的にレースはドライである。この区分の目的は、レース中に変化する気象状況の影響を選手に示すためのものである。

1.20"Wet" and "Dry" Races

All races will be categorized as either wet or dry. A board may be displayed on the grid to indicate the status of the race. If no board is displayed, the race is automatically dry. The purpose of this classification is to indicate to riders the consequence of varying climatic conditions during a race.

1.18スタート進行

※1)〜5)は省略
6) レースダイレクターは、この段階(訳註:選手がサイティングラップを終えて、グリッドについた段階)で、“ウエット”もしくは“ドライ”のレースを宣言し、グリッド上の選手およびピットレーンに残っている可能性のある選手に対して、ボードの表示により示すものとする。ボードが表示されない場合、レースは必然的に“ドライ”であるものとする。

1.18Start Procedure

6) The Race Director will, at this stage, declare the race as "wet" or "dry" and will indicate this to the riders on the grid and those who may still be in the pit lane by the display of a board. If no board is displayed the race will automatically be "dry".

この手続きを経てドライコンディションでレースが始まった場合、マシンの交換はすでに説明したとおり、旗の掲示があった段階で許可される。一方、ウエットコンディションでレースが始まった場合には、マシン交換はいつ行ってもよい、とされている。この決まりを定めている条項が、上の1.18『スタート進行』に記されている第17項目({1.18.17})だ。少々長い文章だが、“フラッグ・トゥ・フラッグ”ルールの中核となる重要な部分なので、省略せずに引用、紹介しておこう。

17) レースが中断されない限り、先頭を走る選手が1周目終了時にフィニッシュラインを通過した後、さらなるマシンの変更は認められない。この時点より後、MotoGPクラスにおいてのみ、以下の2つの手続きが適用される:

・レースがウエットを宣言されている場合(条文{1.20})、レインタイヤを装着したマシンからインターミディエイト※訳注もしくはスリックタイヤを装着したマシンへの変更、インターミディエイトタイヤを装着したマシンからレインもしくはスリックタイヤを装着したマシンへの変更、そしてスリックタイヤを装着したマシンからインターミディエイトもしくはレインタイヤを装着したマシンへの変更は、レース中のいついかなる時でも許可される。

・レースがウエットを宣言されていなかった場合(条文1.20)、上述と同様のマシン変更は、コース内で白旗が提示された後にのみ許可される。両方の場合において、タイヤウォーマー、タイヤの変更とマシン調整は、ピット及びピットレーンのマシンについて行うことが許可される。スペアマシンは、レースで使用する時点に至るまでピットボックス内に留めおいてもよいが、マシンの交換はすべてピットレーンにて行わなければならない。

1.20Unless the race is interrupted, after the leading rider has passed the finish line at the end of his first lap, no further changes of machines are permitted. After this time, in the MotoGP class only, the 2 following procedures will apply:

・If the race has been declared wet (Art. 1.20), changing from a machine equipped with rain tyre to a machine equipped with intermediate or slick tyre, changing from a machine equipped with intermediate tyre to a machine equipped with rain or slick tyre, and changing from a machine equipped with slick tyre to a machine equipped with intermediate or rain tyre is permitted at any time during the race.

・If the race has not been declared wet (Art. 1.20), the same machine changes as mentioned above are permitted only after the white flags have been displayed around the track.
In both cases, tyre warmers, changing tyres and adjustments are permitted on the machine in the pits and in the pit-lane.
The spare machine may remain inside the pit box until such time as it is used in the race, but any exchange of machine must be made in the pit lane.

※訳注 今シーズンからタイヤはワンメークで厳しい本数制限が適用されており、インターミディエイトタイヤ(ウエットとドライの中間のタイヤ)は存在しない。したがって、この条文はスリックタイヤとレインタイヤに関する記述として理解すればよい。

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