3連戦の締めくくりとなる第9戦カタルニアGPは、予選11番手から決勝に挑んだ中上貴晶が7位でチェッカーを受けました。この日の最高気温は17℃。7月にシーズンが再開してから最も気温が低いレースとなり、選手たちは難しいタイヤ選択を迫られました。
フリー走行、予選を終えた時点で、中上はフロントにミディアム、リアにソフトを選択する予定でしたが、厚い雲が終日空を覆い、気温が上がらなかったことから、フロント、リアともにソフトを装着して決勝に挑みました。
オープニングラップはグリッド通り11番手でしたが、3周目にミゲル・オリベイラ(KTM)にかわされて12番手に後退しましたが、5台前後に膨らんだ12番手争いの先頭に立ちました。その後、中盤には、1分41秒台から40秒台へとペースを上げて、フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)、ダニーロ・ペトルッチ(ドゥカティ)とともに6位争いのグループを形成し、5番手を走るジャック・ミラー(ドゥカティ)との差を縮め、さらにトップグループからペースを落としてきた4番手のフランコ・モルビデリ(ヤマハ)にも接近。最終的にペトルッチをかわして7番手でチェッカーを受けましたが、終盤は4位を走るモルビデリとミラーに迫るすばらしい走りでした。
イタリアのミサノで行われた2連戦、そしてカタルニアと続いた3週連続の戦いでは、予選でいいグリッドを獲得できなかったことが課題となりました。好グリッドから好スタートを切れば表彰台獲得が現実的な走りとなっていることから、次戦フランスGPは、好グリッドを獲得を最初の目標に、念願の初表彰台獲得へ挑みます。
イタリアのミサノで開催された2戦を欠場し、3戦ぶりに決勝レースに出場したカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、予選16番手から追い上げて10位でフィニッシュしました。過去2戦は右腕の腕上がりの手術の傷口が開いたことから欠場しました。今大会も完全な状態ではありませんが、マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)、ブラッド・ビンダー(KTM)、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)らと9位争いのグループを形成し10位でチェッカーを受けました。
ホームGPを迎えベストリザルトに闘志を燃やしたアレックス・マルケス(Repsol Honda Team)は、予選18番手から13位でチェッカーを受けました。アレックスは、予定通りフロントにミディアム、リアにソフトを選択。後半のペースは悪くありませんでしたが、前半、思ったようにペースを上げられなかったことがリザルトに影響しました。
第2戦スペインGPで右腕上腕を骨折し、治療とリハビリを続けるマルク・マルケス(Repsol Honda Team)の代役として5戦目の出場となるステファン・ブラドルは、予選20番手から決勝に挑み17位でフィニッシュ。ポイント獲得は果たせませんでした。
中上貴晶(MotoGP 7位)
「今日は路面温度がとても低く、タイヤを温めるのがとても大変だったので、少し難しいレースになりました。フロントとリアにソフトを使いました。レース序盤のペースがあまりよくなかったので、いくつかポジションも落としました。そのあと安定して走行できるようになり、徐々に前のライダーとのギャップを縮めました。何人かパスして、レース後半にはトップ10に入り、さらに7番手まで追い上げました。終盤は同じグループのだれよりも力強いペースだったので、表彰台も見えていました。しかし、それ以上オーバーテイクすることができませんでした。トップとはわずか3.6秒差の7位。とても近かったですし、ポジティブなレースでした。次のル・マンが楽しみです。プッシュし続けます」
カル・クラッチロー(MotoGP 10位)
「1コーナーまで長いドラッグレースになるので、スタートは難しかったです。今日は、この数戦、いい結果を残しているライダーたちといいバトルができました。僕は長い間バイクに乗っていなかったのですが、チェッカーを受けるまで自分の走りができてよかったです。右腕は少し痛みがあり、問題もありましたが、それほど深刻ではありませんでした。セッティングを変えたら、もっといい結果が出せたと思います。チームといい仕事ができました。次のル・マンが楽しみです」
アレックス・マルケス(MotoGP 13位)
「今日は難しいレースでした。もっと暖かいコンディションを期待していたので、フロントにソフトタイヤは使わず、ミディアムを使いました。それが間違いでした。ミディアムを使いたいとチームに強く言いましたが、レース中に気温がかなり下がってしまいました。いいスタートを切りましたが、序盤にかなりタイムを落としました。レース中盤はフィーリングがよくなりましたが、最後はまた遅くなりました。僕のミスですが、ここから学ぶことができます。今週もまた、いくつか学ぶことができました。次はル・マンです。また、レイアウトを学ぶためにポルティマオにも行きます」
ステファン・ブラドル(MotoGP 17位)
「思っていたより気温が低かったので、うまくコントロールしなければなりませんでした。レース終盤は、リアタイヤがかなり消耗したので、スローダウンしなければなりませんでした。しかし、中盤の走りは悪くなく、あとわずかでポイント圏内でした。いいバトルをしていましたが、残念ながらリアが消耗して下がってしまいました。引き続きRepsol Honda Teamと仕事に取り組み、いろいろトライして、プッシュします。ポルティマオのテストまで少し休みがあります。僕自身にとってもHondaにとっても重要な休みです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 20 | F.クアルタラロ | ヤマハ | 40'33.176 |
2 | 36 | J.ミル | スズキ | +0.928 |
3 | 42 | A.リンス | スズキ | +1.898 |
4 | 21 | F.モルビデリ | ヤマハ | +2.846 |
5 | 43 | J.ミラー | ドゥカティ | +3.391 |
6 | 63 | F.バニャイア | ドゥカティ | +3.518 |
7 | 30 | 中上貴晶 | ![]() | +3.671 |
8 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | +6.117 |
9 | 12 | M.ビニャーレス | ヤマハ | +13.607 |
10 | 35 | カル・クラッチロー | ![]() | +14.483 |
11 | 33 | B.ビンダー | KTM | +14.927 |
12 | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | +15.647 |
13 | 73 | アレックス・マルケス | ![]() | +17.327 |
14 | 27 | I.レクオナ | KTM | +27.066 |
15 | 53 | T.ラバト | ドゥカティ | +27.282 |
16 | 38 | B.スミス | アプリリア | +28.736 |
17 | 6 | ステファン・ブラドル | ![]() | +32.643 |
RT | 88 | M.オリベイラ | KTM | +6Laps |
RT | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +9Laps |
RT | 44 | P.エスパルガロ | KTM | +12Laps |
RT | 5 | J.ザルコ | ドゥカティ | - |
RT | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 20 | F.クアルタラロ | ヤマハ | 108 |
2 | 36 | J.ミル | スズキ | 100 |
3 | 12 | M.ビニャーレス | ヤマハ | 90 |
4 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | 84 |
5 | 21 | F.モルビデリ | ヤマハ | 77 |
6 | 43 | J.ミラー | ドゥカティ | 75 |
7 | 30 | 中上貴晶 | ![]() | 72 |
8 | 42 | A.リンス | スズキ | 60 |
9 | 88 | M.オリベイラ | KTM | 59 |
10 | 33 | B.ビンダー | KTM | 58 |
11 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | 58 |
12 | 44 | P.エスパルガロ | KTM | 57 |
13 | 63 | F.バニャイア | ドゥカティ | 39 |
14 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | 39 |
15 | 5 | J.ザルコ | ドゥカティ | 36 |
16 | 73 | アレックス・マルケス | ![]() | 27 |
17 | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | 22 |
18 | 27 | I.レクオナ | KTM | 17 |
19 | 35 | カル・クラッチロー | ![]() | 13 |
20 | 38 | B.スミス | アプリリア | 11 |
21 | 53 | T.ラバト | ドゥカティ | 8 |
22 | 51 | M.ピッロ | ドゥカティ | 4 |
23 | 6 | ステファン・ブラドル | ![]() | 0 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ドゥカティ | 126 |
2 | スズキ | 113 |
3 | ヤマハ | 113 |
4 | KTM | 109 |
5 | ![]() | 72 |
6 | アプリリア | 30 |
順位 | チーム | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | Team SUZUKI ECSTAR | 160 |
2 | Petronas Yamaha SRT | 148 |
3 | Monster Energy Yamaha MotoGP | 128 |
4 | Ducati Team | 123 |
5 | Pramac Racing | 118 |
6 | Red Bull KTM Factory Racing | 115 |
7 | LCR Honda | 85 |
8 | Red Bull KTM Tech 3 | 76 |
9 | Esponsorama Racing | 44 |
10 | Aprilia Racing Team Gresini | 33 |
11 | Repsol Honda Team | 27 |