第4戦チェコGPは予想通りタイヤに厳しいレースとなり、17番グリッドからすばらしい追い上げを見せた中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が8位でフィニッシュしました。オープニングラップ11番手に浮上した中上は、3周目にダニーロ・ペトルッチ(ドゥカティ)をかわし10番手へ。その後は、マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)を追撃し、12周目に抜いて9位へ。17周目にアレックス・エスパルガロ(アプリリア)をかわし8位でチェッカーを受けました。
レース終盤は、5位争いの集団を視野に入れての戦いとなりましたが、惜しくも、それ以上のポジションアップは果たせませんでした。前戦アンダルシアGPでベストリザルトの4位でフィニッシュした中上は、今大会も17番グリッドからのすばらしい追い上げを見せました。
予選で転倒を喫し12番グリッドから決勝に挑んだカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、オープニングラップに19番手と大きくポジションを落とします。その後、追い上げのレースに転じますが13位でチェッカーを受けました。
予選21番手から決勝に挑んだアレックス・マルケス(Repsol Honda Team)は、タイヤに厳しいコンディションに苦戦し、さらに序盤、先行するライダーをなかなか抜けず、追い上げのチャンスを逃しました。今大会は15位と、前戦アンダルシアGPのベストリザルトの8位を更新することはできませんでしたが、デビューから3戦連続でポイント獲得を果たしました。
右腕上腕の骨折で今大会欠場のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)の代役として出場のステファン・ブラドルは、予選20番手からアレックス・マルケスを先行する形で17番手を走行していましたが中盤にコースアウトを喫し、最後尾にポジションを落としました。その後コースに復帰しましたが単独走行となり、18位でチェッカーを受けました。
Honda勢にとっては厳しいレースとなりましたが、休む暇もなく第5戦オーストリアGP、第6戦スティリアGPの連戦へと挑みます。
中上貴晶(MotoGP 8位)
「厳しいグリッドでしたが、いいスタートが切れて序盤にリカバリーすることができました。しかし5周目くらいからタイヤのパフォーマンスが落ち始め、それからは苦戦しました。いろいろマッピングを変えて、トラクションを落としたりしましたが、最後まで苦しい走りとなりました。そういう状況の中で違うメーカーのバイクに乗るライバルたちの走りをいろいろ観察できたし、これからの参考にもなりました。正直もうすこし上のリザルトを狙いたかったのですが、あまりにもグリッドが悪すぎました。予選Q1でベストタイムがキャンセルになったのが本当に残念です。今日はポジティブな面もそうでない部分もありますが、次に向けていろいろ経験を積むことができました。オーストリアでの2連戦は、ベストグリッド、ベストリザルトを目指したいです」
カル・クラッチロー(MotoGP 13位)
「今日はいい日にはなりませんでした。スタートは最悪で完全に後方に下がってしまいました。最初の数周はなにもできませんでした。追い上げるためにベストを尽くしましたが、集団の中で走行するより、単独で走る方がうまく乗りこなせたように感じました。今日は集団の中でいいラインを走ることができませんでした。ベストを尽くしましたが13位でした。毎週、優勝を目指しています。チームの仕事に感謝しています。来週のオーストリアもがんばります」
アレックス・マルケス(MotoGP 15位)
「厳しいレースでした。正直もっといい結果を期待していましたが、それに応えられないこともあります。でも新しいことを学ぶことができました。これほどタイヤのフィーリングが変わるレースは初めてでした。(ステファン)ブラドルと(ブラッドリー)スミスをパスするのにかなりタイムをロスしました。そこでレースが本当に終わってしまいました。そのあとのペースはそれほど悪くありませんでした。今大会はタイヤのマネジメントのことをたくさん学びました。思ったような週末にはなりませんでしたが、さらに勉強できました」
ステファン・ブラドル(MotoGP 18位)
「正直とても厳しい日でした。ぶっつけ本番はさすがに難しいレースとなりました。しかし、できることをやりました。決勝はマシンがあまり快適ではありませんでしたが、いいスタートを切ることができました。7周目か8周目に1コーナーに入るときにブレーキングでミスをしてしまい、コースから外れてしまいました。そのあとは単独走行になりましたが、できることはしました。来週が楽しみです。マシンをもっと理解するためのデータが1週間分できました。なにができるかを考えていきたいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 33 | B.ビンダー | KTM | 41'38.764 |
2 | 21 | F.モルビデリ | ヤマハ | +5.266 |
3 | 5 | J.ザルコ | ドゥカティ | +6.470 |
4 | 42 | A.リンス | スズキ | +6.609 |
5 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +7.517 |
6 | 88 | M.オリベイラ | KTM | +7.969 |
7 | 20 | F.クアルタラロ | ヤマハ | +11.827 |
8 | 30 | 中上貴晶 | ![]() | +12.862 |
9 | 43 | J.ミラー | ドゥカティ | +15.013 |
10 | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | +15.087 |
11 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | +16.455 |
12 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | +18.506 |
13 | 35 | カル・クラッチロー | ![]() | +18.736 |
14 | 12 | M.ビニャーレス | ヤマハ | +19.720 |
15 | 73 | アレックス・マルケス | ![]() | +24.597 |
16 | 53 | T.ラバト | ドゥカティ | +29.004 |
17 | 38 | B.スミス | アプリリア | +32.290 |
18 | 6 | ステファン・ブラドル | ![]() | +55.977 |
RT | 44 | P.エスパルガロ | KTM | +12Laps |
RT | 36 | J.ミル | スズキ | +18Laps |
RT | 27 | I.レクオナ | KTM | +18Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 20 | F.クアルタラロ | ヤマハ | 59 |
2 | 12 | M.ビニャーレス | ヤマハ | 42 |
3 | 21 | F.モルビデリ | ヤマハ | 31 |
4 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | 31 |
5 | 33 | B.ビンダー | KTM | 28 |
6 | 5 | J.ザルコ | ドゥカティ | 28 |
7 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | 27 |
8 | 30 | 中上貴晶 | ![]() | 27 |
9 | 43 | J.ミラー | ドゥカティ | 20 |
10 | 42 | A.リンス | スズキ | 19 |
11 | 44 | P.エスパルガロ | KTM | 19 |
12 | 88 | M.オリベイラ | KTM | 18 |
13 | 73 | アレックス・マルケス | ![]() | 13 |
14 | 36 | J.ミル | スズキ | 11 |
15 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | 11 |
16 | 63 | F.バニャイア | ドゥカティ | 9 |
17 | 53 | T.ラバト | ドゥカティ | 7 |
18 | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | 6 |
19 | 35 | カル・クラッチロー | ![]() | 6 |
20 | 38 | B.スミス | アプリリア | 5 |
21 | 6 | ステファン・ブラドル | ![]() | 0 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ヤマハ | 70 |
2 | KTM | 44 |
3 | ドゥカティ | 42 |
4 | ![]() | 27 |
5 | スズキ | 24 |
6 | アプリリア | 11 |
順位 | チーム | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | Petronas Yamaha SRT | 90 |
2 | Monster Energy Yamaha MotoGP | 69 |
3 | Red Bull KTM Factory Racing | 47 |
4 | Ducati Team | 42 |
6 | LCR Honda | 33 |
7 | Team SUZUKI ECSTAR | 30 |
8 | Pramac Racing | 29 |
9 | Red Bull KTM Tech 3 | 18 |
10 | Repsol Honda Team | 13 |
11 | Aprilia Racing Team Gresini | 11 |