2019年シーズンの最終戦バレンシアGPは、予選2番手からすばらしいペースでラップを刻んだマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、今季12勝目を達成しました。スタートが決まらず、オープニングラップは5番手とやや出遅れましたが、2周目に2番手に浮上すると、8周目にトップを走るファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)をかわし、27周のレースで真っ先にチェッカーを受けました。
チャンピオンとしてホームGPに凱旋したマルケス。4年連続6回目のタイトルを獲得した力強い走りに、サーキットのスタンドを埋めた約10万人のファンも大喜びでした。マルケスが最終戦を優勝で締めくくるのは2014年以来、5年ぶり。自身が14年に達成したシーズン最多優勝記録の13勝には届きませんでしたが、シーズン12勝という歴代2番目の記録を達成しました。ポイント獲得でも史上初の400点越えとなる420点を記録しました。
今大会が引退レースとなったホルヘ・ロレンソ(Repsol Honda Team)は、予選16番手から13位でフィニッシュしました。サーキットに詰めかけた大勢のファンから大きな声援を受けてコースインし、グリッドについたロレンソ。デビューから18年、297戦目のレースをしっかり走り抜きました。
この結果、マルケスとロレンソ擁するRepsol Honda Teamは今大会28点を獲得してトータル458点。最終戦を迎え、2点差で首位につけていたドゥカティを逆転し、13点差をつけて3年連続10回目のチームタイトル獲得を果たしました。
今年は第15戦タイGPでマルケスが4年連続6回目のライダーズタイトルを獲得、第16戦日本GPではHondaが史上最多となる4年連続25回目のコンストラクターズタイトルを獲得しました。それに続いてRepsol Honda Teamが最多となる10回目のチームタイトルを獲得し、これでHondaは史上最多となる9回目の三冠制覇を達成しました。
予選9番手から決勝に挑んだカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、9番手を走行していた11周目の1コーナーで転倒し、リタイアに終わりました。ブレーキングミスでオーバーラン。汚れた路面に足下をすくわれました。
右肩の治療のため終盤の3戦を欠場した中上貴晶の代役として3戦目の出場となるヨハン・ザルコ(LCR Honda IDEMITSU)は11番手を走行していた14周目の6コーナーで転倒を喫しリタイアとなりました。
この結果、最終戦を終えてクラッチローは総合9位、終盤の3戦を欠場した中上貴晶は総合13位、代役として終盤の3戦に出場したザルコは総合18位でシーズンを終了しました。またLCR Hondaは、チームポイントで210点を獲得。チームランキングでは7位でした。
マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
「3冠達成という完ぺきなシーズンを、優勝で締めくくることができました。今日はゴールドのヘルメットをかぶって、少し自分自身にプレッシャーを与えることにしました。レースはコンディションが難しく、頭を使う必要がありましたが、思ったように走ることができました。そして、チームタイトルを獲得することができました。三冠を達成することができて最高のシーズンです。最初の目標はいつもライダーズチャンピオンシップですが、チームチャンピオンシップ達成に貢献することができてうれしいです。チームのためだけではなく、すばらしいチャンピオンであり、ライバルであり、すばらしいチームメートであるホルヘ・ロレンソのためにもうれしい気持ちです。今年を上回る成績を残すのは難しいと思います。なぜなら今年は完ぺきな走りをしたからです」
ホルヘ・ロレンソ(MotoGP 13位)
「今日は特別な日でした。グリッドではこれまでのレースとは全く違う感情がありました。レース序盤はこれまでのレース以上に注意深く走りました。なぜならとても難しいコンディションだったからです。そして僕にとって最後になるレースを完走したかったからです。レースでは自分自身の走りに集中しました。ポイントを獲得して終えることができてよかったです。マルクがすばらしいシーズンを過ごし、僕もRepsol Honda Teamのチームチャンピオン獲得に役立つことができてすばらしい気分です。Hondaのすべての人に感謝しています。彼らは僕を最大限リスペクトして、プロフェッショナルな扱いをしてくれました。彼らの今後の健闘を祈っています」
カル・クラッチロー(MotoGP リタイア)
「最終戦のバレンシアで転倒してしまいとても残念です。レースではかなりいいフィーリングがありましたが、1コーナーのブレーキングが少し遅れてしまい、汚い路面に乗ってしまいました。持ちこたえられそうだったのですが、うまくいきませんでした。火曜日からのテストが楽しみです。テストのスケジュールのことはまだ完全には知りませんが、来年に向けてマシンを改善できるようにがんばります」
ヨハン・ザルコ(MotoGP リタイア)
「転倒しましたが僕は大丈夫です。もっとひどいケガをしていたかもしれません。今日は難しいレースでした。長いレースになることは分かっていたので、ユーズドタイヤの方がいいペースを刻めると思いました。僕は10番手あたりを走行していました。そして、ポル・エスパルガロをオーバーテイクしたあと、いいペースをつかもうとしました。ペトルッチが転倒するのが見えて、集中力が少し切れたのかもしれません。その少し後に僕も同じコーナーで転倒してしまいました。僕はスライドしながら、残念な気持ちでいっぱいでした。転倒した後、ほかのマシンのことを確認していなかったので、さらに転倒してきたレクオナに完全に巻き込まれてしまいました。左足首に激しい痛みがあり、ひどいケガをしているのではないかと怖くなりましたが、今はそれほど痛くありません。骨折もありませんでした。公式テストでは、いくつかのテストメニューをこなさなければなりませんが、ケガは大丈夫だと思います。このような形でシーズンを終えることになってしまい本当に残念です」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 93 | マルク・マルケス | ![]() | 41'21.469 |
2 | 20 | F.クアルタラロ | ヤマハ | +1.026 |
3 | 43 | J.ミラー | ドゥカティ | +2.409 |
4 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | +3.326 |
5 | 42 | A.リンス | スズキ | +3.508 |
6 | 12 | M.ビニャーレス | ヤマハ | +8.829 |
7 | 36 | J.ミル | スズキ | +10.622 |
8 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +22.992 |
9 | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | +32.704 |
10 | 44 | P.エスパルガロ | KTM | +32.973 |
11 | 53 | T.ラバト | ドゥカティ | +42.795 |
12 | 82 | M.カリオ | KTM | +45.732 |
13 | 99 | ホルヘ・ロレンソ | ![]() | +51.044 |
14 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | +1'04.871 |
15 | 55 | H.シャーリン | KTM | +1'16.487 |
RT | 29 | A.イアンノーネ | アプリリア | +1Lap |
RT | 21 | F.モルビデリ | ヤマハ | +9Laps |
RT | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | +14Laps |
RT | 5 | ヨハン・ザルコ | ![]() | +14Laps |
RT | 27 | I.レクオナ | KTM | +14Laps |
RT | 35 | カル・クラッチロー | ![]() | +17Laps |
RT | 51 | M.ピッロ | ドゥカティ | +19Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 93 | マルク・マルケス | ![]() | 420 |
2 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | 269 |
3 | 12 | M.ビニャーレス | ヤマハ | 211 |
4 | 42 | A.リンス | スズキ | 205 |
5 | 20 | F.クアルタラロ | ヤマハ | 192 |
6 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | 176 |
7 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | 174 |
8 | 43 | J.ミラー | ドゥカティ | 165 |
9 | 35 | カル・クラッチロー | ![]() | 133 |
10 | 21 | F.モルビデリ | ヤマハ | 115 |
11 | 44 | P.エスパルガロ | KTM | 100 |
12 | 36 | J.ミル | スズキ | 92 |
13 | 30 | 中上貴晶 | ![]() | 74 |
14 | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | 63 |
15 | 63 | F.バニャイア | ドゥカティ | 54 |
16 | 29 | A.イアンノーネ | アプリリア | 43 |
17 | 88 | M.オリベイラ | KTM | 33 |
18 | 5 | ヨハン・ザルコ | ![]() | 30 |
19 | 99 | ホルヘ・ロレンソ | ![]() | 28 |
20 | 53 | T.ラバト | ドゥカティ | 23 |
21 | 6 | ステファン・ブラドル | ![]() | 16 |
22 | 51 | M.ピッロ | ドゥカティ | 9 |
23 | 55 | H.シャーリン | KTM | 9 |
24 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | 9 |
25 | 50 | S.ギュントーリ | スズキ | 7 |
26 | 82 | M.カリオ | KTM | 7 |
27 | 38 | B.スミス | アプリリア | 0 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ![]() | 426 |
2 | ヤマハ | 321 |
3 | ドゥカティ | 318 |
4 | スズキ | 234 |
5 | KTM | 111 |
6 | アプリリア | 88 |
順位 | チーム | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | Repsol Honda Team | 458 |
2 | Ducati Team | 445 |
3 | Monster Energy Yamaha MotoGP | 385 |
4 | Petronas Yamaha SRT | 307 |
5 | Team SUZUKI ECSTAR | 301 |
6 | Pramac Racing | 219 |
7 | LCR Honda | 210 |
8 | Red Bull KTM Factory Racing | 134 |
9 | Aprilia Racing Team Gresini | 106 |
10 | Red Bull KTM Tech 3 | 42 |
11 | Reale Avintia Racing | 32 |