第3戦アメリカズGPの予選は、朝から雷を伴う激しい雨となり、その影響で3クラスともにFP3がキャンセルとなりました。しかし、午後になって天候は回復、青空が広がったことから、MotoGPクラスは、30分間のFP4と、Q1とQ2がそれぞれ15分間行われました。
FP3がキャンセルになったことで、前日のフリー走行の総合順位で予選の組み分けが決まり、初日2番手タイムでQ2に進出したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、ただひとり2分3秒台に入れる2分3秒787で、2戦連続、そしてアメリカズGPで7年連続のポールポジション(PP)を獲得しました。
予選前に行われた30分間のFP4は、ドライコンディションで行われ、走り出しから快調にラップを刻んだマルケスは、2番手のカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)に1.9秒、3番手のバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)に2.551秒の大差をつけ、その後に行われた予選でPPを獲得、7年連続ポール・トゥ・ウインの期待が膨らみました。
前戦アルゼンチンGPでジャンプスタートのペナルティーで表彰台争いから脱落、13位という悔しい結果に終わったクラッチローが、初日総合5番手からFP4で2番手、予選Q2でも3番手と好調な走りを見せました。今季初のフロントローを獲得したクラッチロー。COTAではこれまで表彰台に立ったことはありませんが、大会初表彰台に向けて絶好のグリッドを獲得しました。
初日16番手と厳しいスタートになったホルヘ・ロレンソ(Repsol Honda Team)が、Q1でトップタイムをマークしてQ2に進出すると、今季ベストの11番グリッドを獲得しました。初日のフリー走行ではバンピーな路面に苦戦しましたが、午後のFP4ではセットアップを進め、Q1でトップタイムをマークしてQ2へ。Q2ではマシンを乗り換えて走行しましたが、セッティングの違うマシンのため思うようにタイムを短縮できませんでした。しかし、徐々にRC213Vのパフォーマンスを引き出してきたことを感じさせるロレンソの決勝の走りに注目です。
初日15番手の中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、FP4で違うセッティングにトライして8番手タイムをマークしましたが、大接戦となったQ1では5番手に終わり、Q2進出を果たせませんでした。今季初めてQ2進出を逃した中上ですが、決勝に向けて安定したラップを刻んでいるだけに、追い上げのレースに期待されます。
マルク・マルケス(MotoGP ポールポジション)
「ポールポジションを獲得できてうれしいです。しかし、明日に向けて確かなことは何もありません。今日は、ファステストタイムでポールポジションを獲得できましたが、FP3がキャンセルとなったため、レースペースやタイヤのことは、誰も分かりません。ウオームアップでいい仕事をして、天候の影響で失われた時間を取り戻したいと思います。ウオームアップが終われば、もっといろんなことが分かってくると思いますが、たくさんのライダーがバトルに加わってくると思います」
カル・クラッチロー(MotoGP 3番手)
「バレンティーノ(ロッシ)が2番手で、僕が3番手。僕たちの世代がまた戻ってきたのかもしれません。ベストを出した周回は、1周で3度もフロントが流れたので、自分のラップにはあまり満足していません。昨日からセッティングを変えましたが、FP3がキャンセルになったので、予選セッションでテストしなければなりませんでした。それがすべてのヘアピンでフロントが流れた要因でした。ブレーキングゾーンでプッシュしましたが、うまくいかず苛立ちました。誰もマルク(マルケス)には近づけませんでした。マルクはFP4で後続より2秒も速いタイムをマークしました。でも今日はいい仕事ができました。チームとマシンに満足しています。すべてうまくいっています。明日が楽しみです」
ホルヘ・ロレンソ(MotoGP 11番手)
「今日は、天候の影響で走行時間が少なくなってしまいました。Q1は、力強いフィーリングがあったので一生懸命プッシュしましたが、Q2はマシン不具合のためうまくいきませんでした。セカンドマシンで走り出しましたが、たくさんのことを試していたため、セッティングを変えていたので、ポテンシャルを十分に発揮できませんでした」
中上貴晶(MotoGP 15番手)
「今日は昨日の課題を解消するためにセッティングを変えて走行しましたが、走行時間が短すぎて、ポジティブな部分は見いだせませんでした。強い風の影響もあり、昨日のフリー走行との比較は難しい状況でした。しかし、マルク(マルケス)とカル(クラッチロー)が、僕が苦戦しているセクター1でとても速く、どういう風に走っているのかということをデータで知ることができました。今日は彼らのデータをしっかり検証して、明日の決勝に備えたいです。とにかく、今大会は決勝に向けて走行時間が短かったので、自分の走りを活かすところまでいけませんでした。明日は高いアベレージで走ることが要求されます。グリッドは15番手ですが、アベレージは悪くないので、いいスタートを切って、上位を目指したいです。明日の決勝は今日ほど風は強くないと思いますし、気持ちを切り換えて、決勝に挑みます」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム |
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1 | 93 | マルク・マルケス | ![]() | 2'03.787 |
2 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | 2'04.060 |
3 | 35 | カル・クラッチロー | ![]() | 2'04.147 |
4 | 43 | J.ミラー | ドゥカティ | 2'04.416 |
5 | 44 | P.エスパルガロ | KTM | 2'04.472 |
6 | 12 | M.ビニャーレス | ヤマハ | 2'04.489 |
7 | 42 | A.リンス | スズキ | 2'04.534 |
8 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | 2'04.696 |
9 | 20 | F.クアルタラロ | ヤマハ | 2'04.941 |
10 | 21 | F.モルビデリ | ヤマハ | 2'05.278 |
11 | 99 | ホルヘ・ロレンソ | ![]() | 2'05.383 |
12 | 63 | F.バニャイア | ドゥカティ | 2'05.887 |
13 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | 2'05.907 |
14 | 36 | J.ミル | スズキ | 2'06.147 |
15 | 30 | 中上貴晶 | ![]() | 2'06.324 |
16 | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | 2'06.464 |
17 | 29 | A.イアンノーネ | アプリリア | 2'06.527 |
18 | 88 | M.オリベイラ | KTM | 2'06.543 |
19 | 5 | J.ザルコ | KTM | 2'06.824 |
20 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | 2'07.129 |
21 | 55 | H.シャーリン | KTM | 2'07.308 |
22 | 53 | T.ラバト | ドゥカティ | 2'07.417 |